俺のモテない学園生活を妹と変えていく!? ―妹との二人三脚で俺はリア充になる!―

小春かぜね

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第2章 学年一の美少女を巡る戦い

第73話 密室での相談!? その1

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「……」

「……」

 伊藤さんは無言で歩いて行く。
 俺もまだ、気軽に伊藤さんには声を掛けにくいので、横並びでは無く、その後ろを付いて行く。

 階段を上って……『自習室-5』と書かれている教室に、伊藤さんは扉を開けて入る。
 俺も一緒に教室へ入るが、その扉には『特進コース専用 自習室』と、紙が貼られていた。

 教室内は数人が自習出来るように、机と椅子と用意されていて、入試対策の過去問題集などが入っている本棚も有る。
 この自習室で、伊藤さんは俺の相談に乗ってくれるのだろうか。

「……本来は自習室だけど、この階は特進コースの子しか来ないし、聞き耳を立てる人も居ないから、誰かに話しを聞かれることは無いわ!」
「けど……『自習準備室』には、先生も常に二人待機しているし、非常通報装置も部屋に各所有るから、変な気だけは起こさないでね。三國君……」

 伊藤さんは澄ました表情で言い、言葉を続けるが、少し険しい表情に変わってから言い始める。

「普通コースの三國君が、特進コースの女子生徒に、性的な意味で手を出したと成ると、まず退学処分に成るから……」
「性的理由で退学処分に成ると……他校への編入も絶望的でしょうね…!」

「本来は三國君を入れては駄目だけど、私が三國君に勉強を教える名目上で入って貰うから、それで良いよね?」
「その名目なら特例で認められるから、問題はない…」
「それが駄目なら、私は君の相談には乗れない……」

 伊藤さん最後、悲しそうな表情で言う。
 特進コースは当然だが、普通コースより偏差値が高いし、特進コースの生徒は東○、早○田等のハイレベルの大学を目指している。
 学園の華を“普通の二流”が潰したら、そう成るのが当然か……

「はい…。それで大丈夫です!」
「俺は伊藤さんに勉強を教えて貰うで、この教室に入りました」

 俺は伊藤さんに向けて、穏やかな表情で言う。

(……この人は、ワザと感情を押し殺して話しているのか、これが本来の姿なのか、どっちだろうか?)
(伊達や推挙で、冷酷と言われるだけ有るな……)

「……素直な子は好きだよ」

 伊藤さんは、少し微笑みながら呟く。
 この表情も可愛いが……冷めた笑いにしか、俺には見えなかった。

(この人は過度に、人から好かれたくは無いのだろうな…)

 伊藤さんは澄ました表情で椅子を引いて、椅子に座る。
 座り終わると、その表情で話し掛けてくる。

「三國君…。私の前の席に座って」
「……後、カモフラージュのために、教科書も出して!」
「数学や英語なら確実だわ……」

「言わなくても分かると思うけど、抜き打ちの見回りが有るから……普通の生徒がこの部屋を利用して……、言わなくても分かっているよね。勉強以外のことをするのを」

「!!!」

(この自習室で、普通コースのカップルは、性行為をした過去が有るの!?)

「ちなみに普通の生徒同士で、この教室に入ったのを見つかったら、反省文だけでは済まないよ……」

 確かにこの自習室はエアコンも設置されているし、入試対策の過去問題集も置いて有り、特進コース専用の雰囲気がかなり出ている。
 更には教室の端に電気ポットや紙コップも有って、勉強合間にお茶の時間が出来るように成っていた。
 場所も人気が少ない所に有るから、学園性行為には持って来いの場所で有るが……

(自習室で性行為をしたら、それは当然、怒られるに決まっているが、無断で入るだけでも駄目なのか…)
(俺はまだ童○だが、やっぱり陽キャラたちや、DQN系は性に関しても行動的だな!//////)

 俺は普通コースと特進コースの差異に、気付かされてしまった!?
 やっぱり、特進コースの生徒は葉月学園にとっても、重要な位置づけなんだな!!
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