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第2章 学年一の美少女を巡る戦い

第66話 俺の親友に相談 その2

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 ある時……ガダルカナル島の戦いをどうやったら、日本軍が勝利出来るかを、岡谷君と論議したことが有る。
 俺は日本贔屓びいきだが、岡谷君は連合国贔屓で有る!?

 論議の結果は……どうやっても、日本軍は勝てないで落ち着いた。
 日本本土から長すぎる割に、脆弱な補給線網。
 日米圧倒的な、基礎工業力の差。
 電子工学・機械工学等の研究の差。
 更に物事の考え方が根本的に違うと、思いっきり岡谷君に論破された!?

 事実は歴史が証明しているが、それでもあの時の俺は、かなりムカついた。
 それでも、この分野を理解してくれる人が岡谷君以外に居ないし、俺や岡谷君も親友だと思っているだろう。

「なぁ、岡谷君!」
「……少し、相談良いか?」

「相談……?」

 無言の昼食も終わって、少し落ち着いたタイミングで、俺は岡谷君に話しを切り出す。
 岡谷君は興味を感じない口調で呟く。

 俺は相談する口調で、岡谷君に向けて話し始める。
 岡谷君に、二村さんに関する相談をするのは、初めてだった……

「俺さ……実は、二村さんが気に成っているんだ!」

「……」

「一応、親友関係には成れたのだけど……松田も、二村さんに気が有る見たいでさ…」

「……」

「俺はどうしたら良いと思う。岡谷君…?」

「……」

 岡谷君は無言で聞いているが、仏頂面のままだし、返事も全くする気配が無い!!
 俺は少し苛立ちを感じながら、岡谷君に言う。

「……聞いている? 岡谷君??」

「……聞いているさ。三國!」

「なら、教えてよ…岡谷君!」

「はぁ~~~」

 俺はすがる口調で言うと、岡谷君は大きなため息を吐いた!!

「三國……。好きなら好きと、二村に言えば良いでないか?」

 感情の無い、無表情で言う、岡谷君!?
 俺の恋悩みなど、我関せずで有った!!

「いや、そうだけどさ、岡谷君……。松田も興味を持っているし…」
「そう成ると、対立が起きそうな気配で―――」

 俺は言い訳を言う口調で、岡谷君に言っているが、岡谷君は俺の話しをさえぎるように、先ほどとは違う、強い口調で突然言い始めた!?

「三國…。松田が何だよ!!」
「三國は、二村が好きなんだろ?」
「二村が三國を選ぶか、松田を選ぶかは二村次第だ!」

「……」

 岡谷君は正論を俺にぶつける。
 これが、虹心だったら『わぁ~~。それは大変だね!!』、『一人の女性を二人で争うんだ~~♪』など、遊び心を入れて言うに決まっているが、岡谷君の場合、遊びが一切無い。
 野球のピッチャーで例えれば、岡谷君はど真ん中のストレートしか投げない。

「それは、そうだけどさ…。松田の後ろにキッドと信濃が居るだろ!」
「松田に変な恨みを持たれて、報復でもされたら、たまったもんじゃないよ!!」

 俺は岡谷君に、縋るように訴えかけるが……

「三國…。それが嫌なら、二村を諦めれば良い…」
「それに二村が三國を好きなら、二村自らが来るだろう?」
「そんな下らん相談は……もう聞きたくない!」

「……」

 俺はここで言葉が詰まる。
 岡谷君は切り捨てる口調で俺に言うが、表情は無関心のままで有った。

(相変わらずの岡谷君だ……)
(冷静に分析していると言うべきか、只単に関わりたく無いと言うべきか……)

 しかし、俺はこの場に成っても、岡谷君に食い下がる!
 俺は辛い感情を込めながら、岡谷君に話し始める。

「でも、キッドや信濃の情報を教えてくれたのは、岡谷君だろ!」
「仮に、俺と二村さんが両思いで有ったとしても、松田は素直に諦めないと思う!」
「いや、諦めないはずだ!!」

 ここでやっと、岡谷君の表情が変わったが、それは俺を見下す表情で有った……

「……それは、三國の推測だろ!」
「戦争の世界にまりすぎて、自分は司令官か参謀気分か。なぁ…?」
「三國よ……」

 岡谷君は冷めた口調で、俺に言い放った。
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