4 / 6
第4話 不思議な時間……
しおりを挟む
「この町は、静かで良い所だね!」
「ねぇ、小学校は楽しい?♪」
俺は笑顔で、女の子に話し掛ける。
『コク!』
「……」
けど、女の子は遠慮気味の表情で頷くだけで有る。
だが、小学生の女の子が、見知らぬ大人男性と普通に会話が出来たら、それはそれでおかしいだろう!
(名前は……栗野 七瀬か…)
(良い名前だな。七瀬ちゃん!!)
女の子は制服姿で有るため、当然名札を下げている。
警戒心が緩い地域なのか、名札を裏返しにはしていない。
名札のお陰で、名前を敢えて聞かなくても、その子の名前(七瀬)を知ることが出来るが、冷静に考えればよろしくない行為だよな!?///
俺はその子(七瀬)の名前を知ることが出来たが、敢えてその名前では呼ばないことにする。
女の子も教えていない名前で、俺に呼ばれても困惑するだけだろう。
「―――」
『コク!』
「……」
俺は女の子に会話を続けてみるが、女の子は頷く以外の行為をしない。
俺を当然、警戒しているのだろう。
俺は普通の会話をするのを諦めて、手持ちバックから、とある観光施設のパンフレットを取り出す。
今日、行って来た場所の観光パンフレットで有る。
『俺さぁ……今日。こんな所を行ってきたんだ!!』
「……」
俺は陽キャラ口調で女の子に言いながら、パンフレットを広げて見せる。
すると……女の子は覗き込むようにパンフレットを見始めるが、相変わらず無言のままだ。
だが、さっきより、女の子の表情は和らいだ感じがする。
俺は観光してきた場所を、指で指し示しながら説明して見ると、女の子は頷きながら聞いてくれる!
……
説明を終えた俺は少しでも良いから、女の子のことを知りたくなってしまう!///
些細なことで良い。
家族構成や好きな食べ物。趣味とかでも良いから、俺は女の子のことを知りたく成っていた。
パンフレットを手持ちのカバンに仕舞ってから、俺は少し女の子のプライベートを聞こうと思った時……
「七瀬ちゃん~~!」
「お母さんが、お迎えに来たよ~~!!」
ロビーの端から、女の子(七瀬)を呼ぶ女性が居る。
その女性は、私服姿にエプロンを着けている。
年代は……俺と同じぐらいだろうか?
言葉と姿を見て、その人が七瀬の母親では無いことは一目瞭然で有る。
そして、その人の横には、七瀬の母親らしき人がいた。
「!」
「……お母さんが迎えに来た!」
七瀬は『あっ!』の表情を一瞬見せてから、可愛らしい声で呟く。
俺は穏やかな表情で、七瀬に話し掛ける。
「お母さんが迎え来たの…?」
「うん……」
「じゃあ、お別れだね…」
七瀬が少し困った表情で返事をした後、俺は落ち着いた口調で言う。
あっという間に、七瀬との別れの時間が来てしまった……
「ねぇ、小学校は楽しい?♪」
俺は笑顔で、女の子に話し掛ける。
『コク!』
「……」
けど、女の子は遠慮気味の表情で頷くだけで有る。
だが、小学生の女の子が、見知らぬ大人男性と普通に会話が出来たら、それはそれでおかしいだろう!
(名前は……栗野 七瀬か…)
(良い名前だな。七瀬ちゃん!!)
女の子は制服姿で有るため、当然名札を下げている。
警戒心が緩い地域なのか、名札を裏返しにはしていない。
名札のお陰で、名前を敢えて聞かなくても、その子の名前(七瀬)を知ることが出来るが、冷静に考えればよろしくない行為だよな!?///
俺はその子(七瀬)の名前を知ることが出来たが、敢えてその名前では呼ばないことにする。
女の子も教えていない名前で、俺に呼ばれても困惑するだけだろう。
「―――」
『コク!』
「……」
俺は女の子に会話を続けてみるが、女の子は頷く以外の行為をしない。
俺を当然、警戒しているのだろう。
俺は普通の会話をするのを諦めて、手持ちバックから、とある観光施設のパンフレットを取り出す。
今日、行って来た場所の観光パンフレットで有る。
『俺さぁ……今日。こんな所を行ってきたんだ!!』
「……」
俺は陽キャラ口調で女の子に言いながら、パンフレットを広げて見せる。
すると……女の子は覗き込むようにパンフレットを見始めるが、相変わらず無言のままだ。
だが、さっきより、女の子の表情は和らいだ感じがする。
俺は観光してきた場所を、指で指し示しながら説明して見ると、女の子は頷きながら聞いてくれる!
……
説明を終えた俺は少しでも良いから、女の子のことを知りたくなってしまう!///
些細なことで良い。
家族構成や好きな食べ物。趣味とかでも良いから、俺は女の子のことを知りたく成っていた。
パンフレットを手持ちのカバンに仕舞ってから、俺は少し女の子のプライベートを聞こうと思った時……
「七瀬ちゃん~~!」
「お母さんが、お迎えに来たよ~~!!」
ロビーの端から、女の子(七瀬)を呼ぶ女性が居る。
その女性は、私服姿にエプロンを着けている。
年代は……俺と同じぐらいだろうか?
言葉と姿を見て、その人が七瀬の母親では無いことは一目瞭然で有る。
そして、その人の横には、七瀬の母親らしき人がいた。
「!」
「……お母さんが迎えに来た!」
七瀬は『あっ!』の表情を一瞬見せてから、可愛らしい声で呟く。
俺は穏やかな表情で、七瀬に話し掛ける。
「お母さんが迎え来たの…?」
「うん……」
「じゃあ、お別れだね…」
七瀬が少し困った表情で返事をした後、俺は落ち着いた口調で言う。
あっという間に、七瀬との別れの時間が来てしまった……
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
#彼女を探して・・・
杉 孝子
ホラー
佳苗はある日、SNSで不気味なハッシュタグ『#彼女を探して』という投稿を偶然見かける。それは、特定の人物を探していると思われたが、少し不気味な雰囲気を醸し出していた。日が経つにつれて、そのタグの投稿が急増しSNS上では都市伝説の話も出始めていた。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
トラロープの絆
深川さだお
現代文学
『トラロープの絆』は、工業都市で生きる人々の現実と内面的な葛藤、そしてその中で見つける本物の絆を描いた心に響く物語です。地元の工場で働く拓次、専門職で都会的な生活を志向する深川、伝統工芸の漆器職人である祐美子――彼らが抱える葛藤と向き合いながら、互いに支え合う姿が描かれています。
物語の中心にいる拓次は、工場での仕事と恋活の現実に向き合う一方で、自然の中での釣りに癒しを求めています。彼が釣り上げるイワナは、日常の喧騒から逃れる瞬間を象徴するものであり、同時に拓次が求める「本物」の象徴でもあります。彼が遭難し、生死の狭間でイワナに出会う場面は、彼の人生観に大きな転機をもたらします。生還を果たした後、彼はそれまで見過ごしていた日常の小さな支えに気づくようになり、トラロープで繋がるかけがえのない人間関係の価値を再認識していきます。
一方、都会的な価値観を持つ深川は、専門職として高い評価を得ているものの、地元の人々との距離感に悩んでいます。アウトドアには疎い深川もまた、拓次との釣りを通して自然や地元への理解を深めていきます。彼は拓次のように日常の中で深くつながることを難しく感じつつも、地元に根ざした人間関係や自然との関わりに共感し、自分の内面を見つめ直すようになります。
物語の中で重要な存在である祐美子は、伝統工芸である漆器作りに心を注いでいます。彼女が手掛ける漆器の器には、日常の中で人々の「心をのせる」ことが大切に込められています。祐美子は、都会的な深川に憧れつつも、工業都市での地道な生活や自らの技術への誇りとの間で葛藤しています。漆器作りに携わりながら、彼女もまた地元や自然、そして自分が守りたいものに気づいていくのです。漆器は彼女にとって、日々の生活に根ざし、人々を支えるための器として、物語の中で「支え合い」や「絆」を象徴するアイテムとなります。
物語のクライマックスでは、拓次が釣り上げたイワナを深川や祐美子とともに食し、さるなし酒を酌み交わすシーンがあります。この場面は、彼らがそれぞれの葛藤を越えて、自然や生活の豊かさを共有し、本物の絆を確かめ合う象徴的な瞬間です。漆器に盛られた料理や、酒を囲む彼らの姿には、日常の中で育まれる支え合いや、自己を超えてつながる人間関係の深さが見事に表現されています。
『トラロープの絆』は、現代の恋愛や人間関係、地方都市に根付く絆の意義について問いかける作品です。恋愛において条件重視の風潮に疑問を抱く方や、自然の中での経験が人の価値観をどう変えるかに興味がある方、また日常にある小さな支えを見つめ直したいと考える方にとって、心に深く響く物語となるでしょう。拓次たちが見つけた「本物の絆」とは何か――釣りや漆器、イワナに象徴される支え合いの精神を知りたい方に、ぜひおすすめしたい一冊です。
体育座りでスカートを汚してしまったあの日々
yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる