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第57話 さくらと別れの時間

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「指切った~~♪」

 嬉しそうな顔と口調で、俺には悪魔の歌を歌い終えるさくら……

「颯太さん! 約束ですからね♪」
「この様な約束ですから、私と別れる時は覚悟して置いてくださいね♪」
「容赦なくチョッキンしますから♪」

「!!」

 滅茶苦茶な笑顔で言うさくら!!
 俺は今更ながら……さくらと関係を深めたことを心底後悔した!?

 ……

 さくらと楽しい時間(!?)もやっと終わりを告げ、俺は車内の時計を見ると21時30分前で有った!!
 流石にそろそろ、さくらを家に帰さないと不味い!!

 俺はさくらに声を掛けるべく、さくらの方に顔を向けると、さくらは何か安らぎを得た表情をしていた。
 お互い目線が合うと、さくらの方から和やかな表情で話し始める。

「……颯太さん!」
「私の気持ちと気持ち良いこと、ありがとうございます!//////」
「本当はこのまま最後まで行きたかったですが……颯太さんに絶対ご迷惑をお掛けしますので、しばらくは我慢します!!」

 最後の方は頬を染めながら話すさくら。
 でも、ここで話しは終らず、今度は穏やか表情で話し始めるさくら。

「颯太さんと関係が作れたことで、これからの生活がもっと楽しくなると思いますし、我慢も出来るように成ると、私は思っています!!」

「残念ながら……そろそろ、お別れの時間ですが、来月必ず会えることを願っていますし、私も更に魅力の有る女性を目指します!」
「今日は遠い所から、本当にありがとうございました!!」

 さくらは言い終えると、今日一番の頭の下げ方をした。
 さくらは時々、表情を変えながら話したが、声だけは終始張りの有る声で有った。
 絶対無理をしているだろうが、さくらの門限も迫っているし、俺も手短に言葉を言う。

「本当に今日は色々有ったけど、結果的に楽しかったよさくら!」
「さくらの色々な面も知れたし、朱里さんと言う親友も新たに出来た!!」

「来月のスケジュールは、またRailで話し合おう!!」
「さくらも気を付けて帰るんだよと言っても、両親に迎えに来て貰うか!」

「!」

 俺がそう言い終えようとすると……さくらは急に、バックからスマートフォンを取り出す!?
 そして、その画面をさくらが眺め始めると……

「……あっ、両親が駅に到着したそうです!//////」
「駅のロータリーに居るそうなので、ここで失礼します!//////」
「颯太さん!! 気を付けて、帰ってくださいね!♪」

 さくらは和やかな表情でそう言い終えると、急ぐように助手席のドアを開けて、飛び出すように出て行く!?

「あっ、さくら!」
「ちょっと……」

「バイバイ~~。颯太さん!!//////」

 車から離れて、少しした所で俺の方に振り向き、満面な笑顔で言うさくら……

「さくら!」

 俺も急いで車外に出ようとしたが、両親が迎えに来ているのに、俺がさくらの両親と鉢合わせをするのは非常に不味い!!
 こんな場面をさくらの両親に見られたら、さくらの両親は絶対に警察を呼ぶだろう。

 俺は助手席の窓を全開して『来月、必ず逢いに来るからな~~』とドラマのように叫び、さくらもそれ聞き、満面な笑みを俺に返した……
 さくらはその後、体の向きを変え、駅のロータリー方角に走っていった……

 ……

「ふぅ~~」

 さくらが車内から居なくなり、本当に長かったオフ会に終わりを告げた。
 俺はため息をつきながら、一つの疑問を感じていた。

(さくらの奴…。何時、両親と連絡を取っていたのだろう?)
(俺の見る限り、さくらがスマートフォンを取り出して、触っている感じはしなかったが、それをずっと見ていた訳では無いからな…)

(それに今の時代は、色々なアプリをスマートフォンにインストールすることが出来る)
(両親に簡単連絡が出来る、何かのアプリが入っているかも知れないな…!)

 俺はその疑問を、スマートフォンのアプリで解決させることにした。

「さて……大分どころか、かなりの遅い時間に成ってしまったが、今から三○県に帰るか!!」
「今の場所が王乃おうの市だから……三○と言うより、神戸方面に向かう近場のICは……」

 俺はスマートフォンの地図アプリを開いて、三○県南部に帰る経路を探し始めた……
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