男の娘を好きに成っても良いですか?

小春かぜね

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第54話 男の娘さくら

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 俺は次の声を掛ける前に、宇野あざの駅に到着してしまう寸前で有った!?
 今は赤信号で停車中だが、この信号を左折すれば、色々な意味を含めた宇野駅で有る!!

「もう、ここで良いです……」

 赤信号で停車中の中、さくらは沈んだ口調でシートベルトを外し、バックを持って車から降りようとする!!?

「まっ、待って、さくら!!」
「其処で降りるのは危険だし、それに……まだ、話しは終ってないから!!」
「今は運転中だから、運転を優先するしか無いの///(汗)」

 俺はさくらに必死の声を上げて、さくらを止める!!

「んっ……」

 さくらは目を瞑り困った表情をした後、さくらは車から降りる行為を止めて、再びシートベルトを装着する。
 どうにか、最悪の事態を防ぐ事は出来た……

(覚悟を決めるんだ!)
(俺!!)

 俺にとっては悪魔の選択だが、俺とさくらの関係を保ち、さくらとの関係を発展させるには、もう一つの手しか無かった……
 信号機が青色に変わり、俺は車を発進させて左折する……
 まもなく、宇野駅に到着だ……

 ……

 この駅は、地方駅の割に立派な駅で有り、更に再開発した感じもする。
 有料だが広い駐車場に広場、公衆トイレも設置されている。

 そして、有り難いことに短時間なら、有料駐車場でも無料にしてくれると言う、太っ腹だ。
 夜も遅い時間なので、楽に車を有料駐車場に停める事が出来たが、俺にとっては悪魔の決断と最後の戦いが始まろうとしていた。

 俺は無事に車を駐車場に停車させるが、エンジンは切らない。
 この車内で俺は、さくらに覚悟を決めた発言をするからだ。

「……」

 俺がシートベルトを外すと、さくらも悲しい表情の状態でシートベルトを外すが、車外に出る行動を取ろうとはしない。
 さくらは俺からの、言葉を待っているのだろう……

(この言葉を発言したら、俺はもう後には戻れない……)
(さくらの性格上……この子はずっと俺を求めるだろう……)
(だからこそ、踏ん切りがずっと付かなかった…。見かけは女性だが男性を愛する事を……)

(しかし……俺がさくらを見捨てても、さくらは別の男性を探すと宣言した!)

 世の中……みんながみんな、朱里さんの様な理解を示してくれる人や優しい人ばかりでは無い!
 男の娘と言う……さくらの利点を使って、食い物にする奴だって絶対居るだろう……

 これだけの容姿だ…。異性が触れ合う世界なら、さくらの需要は絶対に有るし、さくらをもてあそびたいやからもたくさん居るだろう……

(俺はそんなさくらを見たくない!!)
(俺がさくらを見捨てて、さくらが不幸に成るぐらいなら、俺がさくらを男性だが受け入れれば良い!!)

 性に関する問題や将来性問題など、解決することは山ほど有るが、そんなのは後回しにするしか無い!
 俺の身勝手でさくらを追い込んだことを、俺は心の中で深く反省していた。

「……さくら、落ち着いて聞いてくれ」

「はい……」

 さくらの表情は悲しい表情のままだ……
 きっとさくらの中では『別れの宣言!』をするのだと感じ取っているのだろう。

「俺はさくらに逢うまでは、ずっと女性だと思って、岡○県南部まで来た」

「……」

「さくらから男性と聞かされた時、俺は驚き、また愕然としたが、俺にとってさくらの顔立ちや優しい性格は俺のタイプで有ったし、さくらも俺の容姿を受け入れてくれた!」

「……」

 俺がさくらに言葉を述べている間、さくらは口を割り込む気配を見せない。
 言うまでも無いが……さくらが別れる気満々だったら、ここで何かを発言しているはずだ!

「俺の優柔不断の所為で、二人で海を見ていた時にさくらを困らせ、朱里さんの仲介で俺とさくらは恋人関係に成れた」

「……」

「そして……俺が朱里さんに気が有る発言をして、さくらを更に困らせ、さくらを追い込んでしまった……」

「……」

「……俺、覚悟を決めたよ!」
「さくらが男性でも、俺はさくらを愛すると!!」

「えっ!?//////」

 俺の言葉で、驚きながらさくらは顔を見上げ、そして俺の方を向きを変え、一気に笑みを浮かべる!!
 俺はついに、越えては行けないラインを超えてしまった。
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