男の娘を好きに成っても良いですか?

小春かぜね

文字の大きさ
上 下
38 / 100

第38話 妥協点!?

しおりを挟む
「……当面の間、俺は桜坂さんとは親友関係を、維持したいと思っています!」

「んっ…!?」

 俺は今、最善だと思う言葉を朱里さんに話すが、朱里さんは顔をしかめていた!?

「えっと、颯太さんは……道路関連企業にでも務めているの?」
「当面や維持なんて言葉、日常生活では使わないわよ……」

「それに……言葉の感じからして、凄くお役所言葉を感じた!」
「あなたは、さくらちゃんをどんな風に思いながら、今日此処まで態々わざわざ来たの?」

 俺の言葉が、朱里さんをますます不機嫌にさせてしまった!!
 朱里さんの肩が、少し震えている気がするが、薄暗くてはっきりとは分からない。

「朱里さん!」
「弁解では有りませんが、俺もさくらさんに逢うまでは、女性だとずっと思っていました!」
「さくらさんの書いていた小説の文面や仕草、プロフィールから100%女性だと認識していました!!」

「!!///」

 此処で、朱里さんも何かに気付いた表情をする。

「あっ……そう言えば、そうね……///」
「さくらちゃんは、あの世界(小説投稿サイト)だけで見れば、女性だもんね…」

 朱里さんは慌てふためいた表情の後、少し真面目な表情に変わる。

「……颯太さんには説明する感じに成るけど……私のお店で、さくらちゃんと異性のセッティングを最近するように成ったのよ」
「颯太さんを入れて、今回が二回目に成るかな?」

(朱里さんが、さくらさんと男性との、出会いの場を提供していた!?)
(何で、そんな事しているの!?)

「あっ、あの……朱里さん」
「全く、話が見えなく成りましたけど……」
「何で、朱里さんがそんな事するのですか!?」

「朱里さんは此処の店長さんですから、店をそう言った場で、提供をするのは勝手ですが、一個人としてはやり過ぎでは無いですか!!」

「うっ……やっぱり、そうなるよね…///」

 今まで、優勢だった朱里さんが急激に失速する!
 これはチャンスだと言いたいが、俺の目的は朱里さんを倒す事では無い。

「朱里さん…。俺から聞いても良いですか?」
「どうして、桜坂さんは男性を求めて居るのですか?」

 俺は少し強気の発言を朱里さんにするが、朱里さんも体勢を立て直した!?

「颯太さん…。その質問は答えるけど、先に私の質問に答えて!」
「あなたは……さくらちゃんが本当に嫌いなの?」

 朱里さんは再度、目を細め真剣な表情に成るが、同時に見えない気に押される!?
 これは怒っているの? それとも、何かのオーラ!?

(親友目線で見れば、さくらさんとはもちろん関係は作りたいよ!)
(けど、さくらさんが急接近しすぎた…。只、それだけなんだよ)

 俺は思った事を、そのまま口にだそうかと思ったが、朱里さんのほぼ真横に桜坂さんも居る。
 桜坂さんが俺との関係を持ちたがっている以上、思った事を口にしては行けない。

「……俺もさくらさんの事は好きですが、近場の関係でも無いし、それにまだ少し同性に抵抗が有ります」

「……それが、颯太さんの本音?」

 朱里さんは冷静な口調で聞く。

「……はい」

 すると、朱里さんは穏やかな表情に変わる!?

「なら、颯太さん!」
「あなたは、さくらちゃんと付き合いなさい!!」

「えっ!?」

(どうして、そうなる!!)

「あなたの質問に戻るけど、さくらちゃんは見ての通り、外見は女性だけど中身が男性!」
「それが災いして、性の多様性を認めている学園を選んでも、虐めや嫌がらせは完全に無く成る訳ではない!!」

「その時に、一番頼りや心の支えに成るのは、何か知っているよね。颯太さん!!」
「もし、アニソンや異世界アニメとか言ったら、直ぐに『親友が男性に強姦ごうかんされたと警察に通報するからね♪』」

 朱里さんは笑顔で俺を脅迫してきた!?
 この人……意外に面倒くさい人!?

(そんなの、一つしか無いだろ)
(青春時代で一番心の支えに成るのは、彼氏・彼女を作る事だ!!)

(……そうすると、さくらさんは心の拠り所を求めて、この場合は彼氏を作ろうとした?)

(それだと……今までの筋が通りそうだが)
(それだったら……性別らしく女性にするべきだが、女性が嫌がるか!?)

 俺は分かりきっている解答を、朱里さんに言おうとした。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ハンターがマッサージ?で堕とされちゃう話

あずき
BL
【登場人物】ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ハンター ライト(17) ???? アル(20) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 後半のキャラ崩壊は許してください;;

年越しチン玉蕎麦!!

ミクリ21
BL
チン玉……もちろん、ナニのことです。

理香は俺のカノジョじゃねえ

中屋沙鳥
BL
篠原亮は料理が得意な高校3年生。受験生なのに卒業後に兄の周と結婚する予定の遠山理香に料理を教えてやらなければならなくなった。弁当を作ってやったり一緒に帰ったり…理香が18歳になるまではなぜか兄のカノジョだということはみんなに内緒にしなければならない。そのため友だちでイケメンの櫻井和樹やチャラ男の大宮司から亮が理香と付き合ってるんじゃないかと疑われてしまうことに。そうこうしているうちに和樹の様子がおかしくなって?口の悪い高校生男子の学生ライフ/男女CPあります。

たまにはゆっくり、歩きませんか?

隠岐 旅雨
BL
大手IT企業でシステムエンジニアとして働く榊(さかき)は、一時的に都内本社から埼玉県にある支社のプロジェクトへの応援増員として参加することになった。その最初の通勤の電車の中で、つり革につかまって半分眠った状態のままの男子高校生が倒れ込んでくるのを何とか支え抱きとめる。 よく見ると高校生は自分の出身高校の後輩であることがわかり、また翌日の同時刻にもたまたま同じ電車で遭遇したことから、日々の通勤通学をともにすることになる。 世間話をともにするくらいの仲ではあったが、徐々に互いの距離は縮まっていき、週末には映画を観に行く約束をする。が……

Take On Me 2

マン太
BL
 大和と岳。二人の新たな生活が始まった三月末。新たな出会いもあり、色々ありながらも、賑やかな日々が過ぎていく。  そんな岳の元に、一本の電話が。それは、昔世話になったヤクザの古山からの呼び出しの電話だった。  岳は仕方なく会うことにするが…。 ※絡みの表現は控え目です。 ※「エブリスタ」、「小説家になろう」にも投稿しています。

泣き虫な俺と泣かせたいお前

ことわ子
BL
大学生の八次直生(やつぎすなお)と伊場凛乃介(いばりんのすけ)は幼馴染で腐れ縁。 アパートも隣同士で同じ大学に通っている。 直生にはある秘密があり、嫌々ながらも凛乃介を頼る日々を送っていた。 そんなある日、直生は凛乃介のある現場に遭遇する。

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。 そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

無自覚両片想いの鈍感アイドルが、ラブラブになるまでの話

タタミ
BL
アイドルグループ・ORCAに属する一原優成はある日、リーダーの藤守高嶺から衝撃的な指摘を受ける。 「優成、お前明樹のこと好きだろ」 高嶺曰く、優成は同じグループの中城明樹に恋をしているらしい。 メンバー全員に指摘されても到底受け入れられない優成だったが、ひょんなことから明樹とキスしたことでドキドキが止まらなくなり──!?

処理中です...