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第20話 美人で怒った理由!?

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「美人で怒った理由は、私にあからさまな好意を感じたからでした♪」
「現に颯太さんは、私を女性として見ていましたからね♪」

 桜坂さんは嬉しそうな表情で言う。

「それが答えか…。美人は褒め言葉に成るし、印象受けも良いからね…」
「じゃあ、桜坂さん。あの時はどう言えば良かったの?」
「真の正解を知りたいな……」

「真の正解ですか!」

 俺がそう聞くと、桜坂さんは少し悩んだ表情をするが、直ぐに話し始める。

「そうですね~~。可愛いも好意を感じますし、髪が綺麗も駄目ですね♪」
「颯太さん。下手に褒め言葉を使わないが、私の中での正解です♪」

 笑顔で言う桜坂さん。

(……そう来たか!)
(人類の全てが、異性に興味が有るわけでは無い)
(今日の場合は、俺が桜坂さんをフリーだと思い、好意の声掛けをしたが、あの時の桜坂さんは、俺に強い好意を示してはいなかった!)

「じゃあ、桜坂さん」
「今なら『桜坂さん美人だね♪』と言ったら怒らない?」

「私は男性ですよ♪」
「それでも、よろしければ!♪」

 桜坂さんは笑顔で、そう返してきた。

(桜坂さんは、俺の事を本当に受け入れてくれたのか…)
(朱里さんと言い、桜坂さんは年上の人を求めているのかな?)
(けど、30代以上は駄目とか言っていたな)

(ペンネームではなく、本名で読んでくれているし、俺も桜坂さんでは無く、さくらさんと言うべきか!)

「桜坂さん……いえ、さくらさん」
「俺は親友の仲に、異性は関係無いと感じて居ます」
「心が未熟な思春期時代は、男女の性別を著しく気にしますが、俺は桜坂さんが男性でも……構わないと思っています!」

「はぁ……」

 俺は結構、決め台詞を言ったつもりだが、桜坂さんの反応は弱かった!?
 そして眉をひそめながら、桜坂は言う。

「うーん」
「颯太さん……。本気で言っています?」
「私の顔立ちが颯太さんの好みでも、同性同士の生殖器を慰め合う事が出来ますかね…」

「!!」

(話が行き成り飛躍した!?)
(桜坂さんは、俺とのBL関係を望んでいるの!?)

「私は私自身の“おちんちん”を見ても、尿を出す以外の機能は要らないと感じて居ますが、颯太さんは私の“おちんちん”を触りたいですか?」
「そして、それを上下運動させたいですか?」

「上下運動ですか!?」
「えっと、それは……ゾウさんの上下運動ですよね!?」

「はい……//////」

 顔を真っ赤しながら言う、桜坂さん。

(心は女性でも、本能は男性なんだな……)
(今まで、女性で過ごして来たのに……あぁ、男性に戻された時が有ったな!)
(その時に興味本位で、男性の自慰行為をした事が有るのだろう!?)
(あれ? そうすると今はどうしている!??)

「俺はさくらさんと身体の関係は求めていないし……」←建前上!?
「それに、其処までの展開に発展しますかね…?」

 俺がそう言うと、桜坂さんは少し真面目な表情に変わる。

「颯太さん…。それは分かりません…」
「けど、私は女性の姿で生きていく事決めました!」
「相手が颯太さんでは無くても、女性としての魅了を出している以上は、何時かは……」

(人間は一人で生きていけない……)
(特にさくらさんの場合は、就ける職業に制約が掛かるはずだ)
(生きる為には、異性に関する仕事を嫌でもしないと行けない時が有る)
(それを……さくらさんがするの!?)

「さくらさん!」
「さくらさんはまだ、学生です!!」
「俺はさくらさんに身体の関係は絶対に求めませんし、さくらさんも其処までの意識はしない方が良いと感じます」

「……でも、颯太さんは私に興味が有るのですよね?」

 真面目な表情で言う桜坂さん。

「興味は有りますが、今は健全な付き合いで行きましょう!」
「俺は同性同士での行為に抵抗が無いとは言えませんし、さくらさんも抵抗が有るでしょう」

「無いと言えば嘘です…」
「少し先走りすぎましたね。ごめんなさい///」

 桜坂さんは頭を下げる。

(変な展開に成ってきたな……)
(俺の中ではあくまで、さくらさんは親友だぞ!)
(顔だけを見れば女性だが、俺が女性だと認識していて、さくらさんが俺を見て、さくらさんのゾウさんがパオーンしていたら、俺のゾウさんが逆にしなびてしまう!!)

 俺は桜坂さんの気持ちをどう受け止めて、最後に桜坂さんをどうしたいのかが、まだ頭の中では出来上がって無かった……
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