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怪盗に会いたい妻1
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時系列→5人と結婚後(全3話予定)
*****
「この怪盗ってかっこよくない?会ってみたーい」
朝食のあとソファで新聞を読むジョエルに抱きつきながらそう言ったのは妻であるミズキ。
「ルネも店が未遂でしたが被害にあって怒っていたでしょう?格好いい格好よくないの問題でないんですよ」
「でもさー、このシルエット、すっごいイケメンだったらどうする?」
ミズキは内容には興味がないようだ。恐らく男であろう体型のシルエット写真を見て興味津々なのだ。
「どうする?どっかの貴族のお坊ちゃんだったら」
「…それは考えてもみなかったですね」
「マジでー?義賊ってそんなもんじゃない?」
ジョエルは宰相補佐としてこの件を追わなければいけない立場なので愛する妻が格好いいだの言いながら褒めてみたり会いたいなんて言ったら面白くないだろう。
ミズキはミズキでなんの気なしに怪盗の正体は貴族じゃないかなんて言い出す始末だ。怪盗の命のほうが心配になる。
「そういえばリュカが招待されてるパーティーに予告状が出ていますよ」
「ほんと!?行く行く!エロいドレスとかわいいドレスだったらどっちがいいかな?」
「…露出は多いほうがいいと思いますよ。アクセサリーはこちらで準備しますからドレスも用意しますね。詳細はあとでミシェルにでも聞きましょう」
すっごい笑顔のジョエルは何か悪いことを思い付いている。絶対そうだ。
「じゃあ仕事に行きますね。ノア、今日はミズキとデートでしょう?」
「え?うん」
「リュカ達には城で会いますから伝えておきます。ノア、この紙をニュイに。頼みましたよ」
ドレスのことだろうなと思いながらメモを受けとる。2枚あるから1つは本当にニュイに伝えること、もう1つは指示書だろうなミズキには内緒の。
「ではいってきます」
「玄関まで送ってく!ノア待ってて」
いつもの熱烈ないってきますのキスだろうし待ってる間にメモを開く。
『予告を受けている物はネックレス、ミズキに身に付けてもらうよう手配する。リュカにエスコートさせて怪盗に狙わせればミズキも満足するはす。こちらは別で動く。ドレスは翌朝の朝刊の一面に映えるようなものであればニュイも宣伝になるから今からでもデザイン変更は受け付けてくれる。先にマチアスにも伝えておく』
先にマチアス様にお伝えするのなら僕いかなくてよくない?って思ったけど、ミズキに怪しまれないためにも必要なのだろう。リビングの大きなソファに腰かけて一息つく。仕事休みの連絡いれて、リュカがミズキのエスコートってことは僕とミシェルが後ろについてるのかな?ミズキは背中目一杯開いてるドレスだったらいいなずっと見てられるから。あと後ろから横乳見たい。でも谷間作るならみられないだろうし、うーーーん
「ノーアっ、おまたせ」
玄関から戻ってきたミズキがソファ越しにうしろから抱きついてきた。
「おかえり。もう出掛ける?」
「ちょっとだけ。ね、いいでしょ?」
いつのまにか膝の上に跨がって乗ってきたミズキはヤる気満々ってかんじだ。ジョエルとキスしてて火がついたのだろう。
「いいよ」
結婚は出会ってすぐ、そのときからよく着ていた服はさすがにもう着古した。ミズキが家では過ごしやすいように元の国の服に似た服も何着も作ったけど今日はそれの1つ。体のラインがはっきりわかる短めのトップスに太ももが露になった短すぎるスカート。外には着ていけないけどドレスより過ごしやすそうだから家の中では大抵このような格好だ。ミズキ以外の太ももなんて見たこともないし手が吸い寄せられるようなこともない。
「手おっぱいじゃなくていいの?」
「顔があるからいいの」
服の上からミズキのおっぱいに顔を埋めるけどやっぱり服が邪魔だった。でも少し冷えた太ももに触れている手を動かしたくはないので
「自分で服、捲ってくれる?」
「いいよ」
下着は新しいのだ。見たことないレースだから新しいやつだろう。谷間もしっかりあるから顔を埋める。洋服の上からよりやっぱりミズキの肌を直接感じられるほうがいい。
痕をつけないように軽くキスをしながら唇でミズキのおっぱいを堪能する。太ももにある手を内腿へ移動させればもうミズキは準備できているんだろうってなんとなくわかった。
「ならさなくていいから」
「指いれたほうが気持ちよくない?」
「早くほしいの、おねがい」
普段からすぐびっしゃびしゃになるタイプじゃないミズキが珍しいなって思ったけど、ジョエルがしたのがキスだけじゃないんだろうなって考えにすぐ至った。避妊しなくていいって言ったのもジョエル、これは回数こなして早くってことだろうな…
「ミズキ、ジョエルから聞いた?」
相変わらず紐みたいなショーツをずらしながら子作り解禁のことを知っているか聞けば何のことかわからないって顔をしてた。とりあえず挿入してから言おうと思ってミズキが腰上げて挿入したら言った
「もう僕避妊しなくていいんだって」
すっごい締まった
「ミズキも赤ちゃんほしいの?」
「…ぅん、そろそろ、ね、」
「じゃあがんばろう」
生理がどうこうってミシェルは言ってたけどよくわかんないや。ミズキもわかんなそうだし。とりあえず僕に順番回ってくるの早くなりそうだし幸せ。
考え事しながらセックスしないでっていつもなら言われるのに今日は言われない。きっとミズキもいきなり避妊しないなんて言われたから頭の中ぐるぐるしてるんだろうな。でも気持ちいいが勝ってきた、声が甘くて名前たくさん呼ばれる。
「出してっ、ナカ、」
いつも中出しはしてるけどミズキの気分がめちゃくちゃノってるのかすごい興奮する。締めつけもすごいしやっぱ妊娠させられるかもって女性側からしたらすっごい興奮するのかな?
「すっごい、出てるのわかる…ノアの赤ちゃん、できるかな?」
女性側からとか撤回、僕もすっごい興奮する。だからかな?めちゃくちゃ出た気がする。
「あんまり早く出来たらイヤだ」
「なんで?赤ちゃんほしいんじゃないの?」
「だって…ミズキ赤ちゃんのこと大事にしそうだから…」
今は僕が一番末っ子みたいなものだからミズキもたくさん構ってくれる、でも赤ちゃんが生まれたら赤ちゃんが一番だろうな。僕が一番でいられるのは今だけかな?
「そりゃ大事にするけど旦那様達も大事だから蔑ろにしないようにするって約束する」
「ほんと?絶対約束だよ」
「まだデキてもいないけどね。ほら、軽くシャワー浴びてデートいこ」
ミズキはセックスのあとの切り替えが早すぎるのが出会ってからずっとどうかなって思ってる。直後ってもっとぐったりしたり寝落ちしたりするものだと思っていたけれど実際は違った。ミズキがタフなだけかな?ロラン相手のときはさすがにぐったりはしてるけどアレは1回が長いだけだもんきっと。
*****
「ミズキ様からはなにか御希望はございますか?」
もうすっかり顔見知りになったニュイのデザイン部の人達と話をする。こちらの要望はマチアス様にジョエルから直接とメモを渡してあるから伝わっているはずだが、ミズキにもちゃんと確認をしてくれる。
「なんかね、怪盗が来るかもしれないんだって!いい男だったらどうしよう、ね?どう思う?」
「怪盗、ですか…ファヴォリに入ったという怪盗ですよね?」
「そうそうたぶんそれ。朝刊みた?シルエット的に絶対若い男。あたしのとこ来てくれないかな?」
「では怪盗をも虜にするようなドレスにしましょうか」
「いいねそれ!採用!」
あーあ、顔がいいとも限らないのにミズキは期待しすぎている。しかも虜ってなに?夫増やすの?「5人といられれば他に何もいらない」って泣いたミズキはもういないの?
「旦那様はなにか夫人のドレスに御希望はございますか?」
「…コルセットつけないで背中がみえるやつがいいです」
「ふふふ、かしこまりました」
エスコートがリュカなことは知ってるだろうから僕がただ僕のために希望を言ったのも軽い笑いだけで採用してくれるんだろう。ニュイの従業員はそんなかんじだ。ファヴォリはルネ様がすべての中心だからルネ様の言うことが絶対ってかんじだけれど。
「アクセサリーは、あるものでいいよね?」
「今回はみんなが用意するみたいだからミズキはドレスだけだって」
「靴は?」
「家にあるやつでいいんじゃない?いっぱいあるよ」
「だよねー」
ミズキの衣装は前に城の貴賓室に住んでいたときの倍以上に広くなった。このリュカの離宮の二部屋をぶち抜いて一部屋に、すべて衣装部屋に改装したのだ。僕たちも1人1室あるし、それ以外にもこんなにいるか?ってくらい部屋もある。リュカも王子様だから衣装もそれはそれは沢山あるけれど、侯爵家の子息も二人いれば衣装の量は尋常ではない。そんな僕もミズキと結婚してから大分増えた。いつもミズキのドレスにあわせてとかTPOがとかでどんどん増えていく。それだけ6人での思い出が増えていると思ったら一着一着とても愛着があるものに感じる。
「他も見て、お茶して帰ろ。ミシェルが帰ってこないとおやつもどこにあるかわかんない」
「ニュイのドレス着るのにお菓子たべていいの?」
「さっき運動したからいいの」
頬にキスされて嬉しくなって歩いてデートする予定がビュンビュン転移使いまくって最終的にはミズキの機嫌を損ねた。
「ね、ノアが悪いでしょ?」
帰宅すればリュカとロランとミシェルが帰ってきていた。ミシェルがお茶を淹れてくれて5人でティータイムだ。
「楽でいいじゃないか。ノアは魔力に限界もないようなもんだし甘えればいい」
「なにそれ、ロランはデートをわかってない!」
高位貴族にデートもなにも説いたところで常識と違うのだからロランにはわかってもらえないと思うけど言わない。
「車を使えばよかったんじゃないか?言えばすぐ用意させたのに」
リュカもリュカで生まれながらに王子様だから馬車で手振りながら街を回るのが当たり前だから常識のじょの字も説いても無駄だ。
「ミズキはただノアと歩いて夫を自慢したかっただけなんですよね」
「そこまで言ってないけど!でも、うん、そんなかんじ」
「じゃあ今度は私と行きましょう。ヒールで脚が疲れたら抱えてあげますよ」
「抱えなくてもいいけど嬉しい、ありがと」
今日の夜の相手が決まった瞬間だった。ミシェルはずるい。本当にずるい。でも勝てないからどうしようもない。いいもん、避妊しなくてよくなったの僕だけだもんって開き直ることにした。ミズキとの赤ちゃんかわいいだろうなー。名前どうしよう、女の子かな?男の子かな?
「ねぇノア、聞いてる?」
「ぅえっ!?ごめん、聞いてなかった」
「もー、5日後のパーティーのやつ、今日ドレス頼みに行った。なんかアクセサリーは主催の人が貸してくれるんだって。なんと!怪盗が予告してるやつ!あたしも盗まれちゃう?きゃー、 どうしよー!!!!」
3人は事前にジョエルから聞いていたのか冷静だった。ミズキの怪盗ブームも怪盗が捕まってしまえば終わるだろう。早く終わらないかな。
*****
「この怪盗ってかっこよくない?会ってみたーい」
朝食のあとソファで新聞を読むジョエルに抱きつきながらそう言ったのは妻であるミズキ。
「ルネも店が未遂でしたが被害にあって怒っていたでしょう?格好いい格好よくないの問題でないんですよ」
「でもさー、このシルエット、すっごいイケメンだったらどうする?」
ミズキは内容には興味がないようだ。恐らく男であろう体型のシルエット写真を見て興味津々なのだ。
「どうする?どっかの貴族のお坊ちゃんだったら」
「…それは考えてもみなかったですね」
「マジでー?義賊ってそんなもんじゃない?」
ジョエルは宰相補佐としてこの件を追わなければいけない立場なので愛する妻が格好いいだの言いながら褒めてみたり会いたいなんて言ったら面白くないだろう。
ミズキはミズキでなんの気なしに怪盗の正体は貴族じゃないかなんて言い出す始末だ。怪盗の命のほうが心配になる。
「そういえばリュカが招待されてるパーティーに予告状が出ていますよ」
「ほんと!?行く行く!エロいドレスとかわいいドレスだったらどっちがいいかな?」
「…露出は多いほうがいいと思いますよ。アクセサリーはこちらで準備しますからドレスも用意しますね。詳細はあとでミシェルにでも聞きましょう」
すっごい笑顔のジョエルは何か悪いことを思い付いている。絶対そうだ。
「じゃあ仕事に行きますね。ノア、今日はミズキとデートでしょう?」
「え?うん」
「リュカ達には城で会いますから伝えておきます。ノア、この紙をニュイに。頼みましたよ」
ドレスのことだろうなと思いながらメモを受けとる。2枚あるから1つは本当にニュイに伝えること、もう1つは指示書だろうなミズキには内緒の。
「ではいってきます」
「玄関まで送ってく!ノア待ってて」
いつもの熱烈ないってきますのキスだろうし待ってる間にメモを開く。
『予告を受けている物はネックレス、ミズキに身に付けてもらうよう手配する。リュカにエスコートさせて怪盗に狙わせればミズキも満足するはす。こちらは別で動く。ドレスは翌朝の朝刊の一面に映えるようなものであればニュイも宣伝になるから今からでもデザイン変更は受け付けてくれる。先にマチアスにも伝えておく』
先にマチアス様にお伝えするのなら僕いかなくてよくない?って思ったけど、ミズキに怪しまれないためにも必要なのだろう。リビングの大きなソファに腰かけて一息つく。仕事休みの連絡いれて、リュカがミズキのエスコートってことは僕とミシェルが後ろについてるのかな?ミズキは背中目一杯開いてるドレスだったらいいなずっと見てられるから。あと後ろから横乳見たい。でも谷間作るならみられないだろうし、うーーーん
「ノーアっ、おまたせ」
玄関から戻ってきたミズキがソファ越しにうしろから抱きついてきた。
「おかえり。もう出掛ける?」
「ちょっとだけ。ね、いいでしょ?」
いつのまにか膝の上に跨がって乗ってきたミズキはヤる気満々ってかんじだ。ジョエルとキスしてて火がついたのだろう。
「いいよ」
結婚は出会ってすぐ、そのときからよく着ていた服はさすがにもう着古した。ミズキが家では過ごしやすいように元の国の服に似た服も何着も作ったけど今日はそれの1つ。体のラインがはっきりわかる短めのトップスに太ももが露になった短すぎるスカート。外には着ていけないけどドレスより過ごしやすそうだから家の中では大抵このような格好だ。ミズキ以外の太ももなんて見たこともないし手が吸い寄せられるようなこともない。
「手おっぱいじゃなくていいの?」
「顔があるからいいの」
服の上からミズキのおっぱいに顔を埋めるけどやっぱり服が邪魔だった。でも少し冷えた太ももに触れている手を動かしたくはないので
「自分で服、捲ってくれる?」
「いいよ」
下着は新しいのだ。見たことないレースだから新しいやつだろう。谷間もしっかりあるから顔を埋める。洋服の上からよりやっぱりミズキの肌を直接感じられるほうがいい。
痕をつけないように軽くキスをしながら唇でミズキのおっぱいを堪能する。太ももにある手を内腿へ移動させればもうミズキは準備できているんだろうってなんとなくわかった。
「ならさなくていいから」
「指いれたほうが気持ちよくない?」
「早くほしいの、おねがい」
普段からすぐびっしゃびしゃになるタイプじゃないミズキが珍しいなって思ったけど、ジョエルがしたのがキスだけじゃないんだろうなって考えにすぐ至った。避妊しなくていいって言ったのもジョエル、これは回数こなして早くってことだろうな…
「ミズキ、ジョエルから聞いた?」
相変わらず紐みたいなショーツをずらしながら子作り解禁のことを知っているか聞けば何のことかわからないって顔をしてた。とりあえず挿入してから言おうと思ってミズキが腰上げて挿入したら言った
「もう僕避妊しなくていいんだって」
すっごい締まった
「ミズキも赤ちゃんほしいの?」
「…ぅん、そろそろ、ね、」
「じゃあがんばろう」
生理がどうこうってミシェルは言ってたけどよくわかんないや。ミズキもわかんなそうだし。とりあえず僕に順番回ってくるの早くなりそうだし幸せ。
考え事しながらセックスしないでっていつもなら言われるのに今日は言われない。きっとミズキもいきなり避妊しないなんて言われたから頭の中ぐるぐるしてるんだろうな。でも気持ちいいが勝ってきた、声が甘くて名前たくさん呼ばれる。
「出してっ、ナカ、」
いつも中出しはしてるけどミズキの気分がめちゃくちゃノってるのかすごい興奮する。締めつけもすごいしやっぱ妊娠させられるかもって女性側からしたらすっごい興奮するのかな?
「すっごい、出てるのわかる…ノアの赤ちゃん、できるかな?」
女性側からとか撤回、僕もすっごい興奮する。だからかな?めちゃくちゃ出た気がする。
「あんまり早く出来たらイヤだ」
「なんで?赤ちゃんほしいんじゃないの?」
「だって…ミズキ赤ちゃんのこと大事にしそうだから…」
今は僕が一番末っ子みたいなものだからミズキもたくさん構ってくれる、でも赤ちゃんが生まれたら赤ちゃんが一番だろうな。僕が一番でいられるのは今だけかな?
「そりゃ大事にするけど旦那様達も大事だから蔑ろにしないようにするって約束する」
「ほんと?絶対約束だよ」
「まだデキてもいないけどね。ほら、軽くシャワー浴びてデートいこ」
ミズキはセックスのあとの切り替えが早すぎるのが出会ってからずっとどうかなって思ってる。直後ってもっとぐったりしたり寝落ちしたりするものだと思っていたけれど実際は違った。ミズキがタフなだけかな?ロラン相手のときはさすがにぐったりはしてるけどアレは1回が長いだけだもんきっと。
*****
「ミズキ様からはなにか御希望はございますか?」
もうすっかり顔見知りになったニュイのデザイン部の人達と話をする。こちらの要望はマチアス様にジョエルから直接とメモを渡してあるから伝わっているはずだが、ミズキにもちゃんと確認をしてくれる。
「なんかね、怪盗が来るかもしれないんだって!いい男だったらどうしよう、ね?どう思う?」
「怪盗、ですか…ファヴォリに入ったという怪盗ですよね?」
「そうそうたぶんそれ。朝刊みた?シルエット的に絶対若い男。あたしのとこ来てくれないかな?」
「では怪盗をも虜にするようなドレスにしましょうか」
「いいねそれ!採用!」
あーあ、顔がいいとも限らないのにミズキは期待しすぎている。しかも虜ってなに?夫増やすの?「5人といられれば他に何もいらない」って泣いたミズキはもういないの?
「旦那様はなにか夫人のドレスに御希望はございますか?」
「…コルセットつけないで背中がみえるやつがいいです」
「ふふふ、かしこまりました」
エスコートがリュカなことは知ってるだろうから僕がただ僕のために希望を言ったのも軽い笑いだけで採用してくれるんだろう。ニュイの従業員はそんなかんじだ。ファヴォリはルネ様がすべての中心だからルネ様の言うことが絶対ってかんじだけれど。
「アクセサリーは、あるものでいいよね?」
「今回はみんなが用意するみたいだからミズキはドレスだけだって」
「靴は?」
「家にあるやつでいいんじゃない?いっぱいあるよ」
「だよねー」
ミズキの衣装は前に城の貴賓室に住んでいたときの倍以上に広くなった。このリュカの離宮の二部屋をぶち抜いて一部屋に、すべて衣装部屋に改装したのだ。僕たちも1人1室あるし、それ以外にもこんなにいるか?ってくらい部屋もある。リュカも王子様だから衣装もそれはそれは沢山あるけれど、侯爵家の子息も二人いれば衣装の量は尋常ではない。そんな僕もミズキと結婚してから大分増えた。いつもミズキのドレスにあわせてとかTPOがとかでどんどん増えていく。それだけ6人での思い出が増えていると思ったら一着一着とても愛着があるものに感じる。
「他も見て、お茶して帰ろ。ミシェルが帰ってこないとおやつもどこにあるかわかんない」
「ニュイのドレス着るのにお菓子たべていいの?」
「さっき運動したからいいの」
頬にキスされて嬉しくなって歩いてデートする予定がビュンビュン転移使いまくって最終的にはミズキの機嫌を損ねた。
「ね、ノアが悪いでしょ?」
帰宅すればリュカとロランとミシェルが帰ってきていた。ミシェルがお茶を淹れてくれて5人でティータイムだ。
「楽でいいじゃないか。ノアは魔力に限界もないようなもんだし甘えればいい」
「なにそれ、ロランはデートをわかってない!」
高位貴族にデートもなにも説いたところで常識と違うのだからロランにはわかってもらえないと思うけど言わない。
「車を使えばよかったんじゃないか?言えばすぐ用意させたのに」
リュカもリュカで生まれながらに王子様だから馬車で手振りながら街を回るのが当たり前だから常識のじょの字も説いても無駄だ。
「ミズキはただノアと歩いて夫を自慢したかっただけなんですよね」
「そこまで言ってないけど!でも、うん、そんなかんじ」
「じゃあ今度は私と行きましょう。ヒールで脚が疲れたら抱えてあげますよ」
「抱えなくてもいいけど嬉しい、ありがと」
今日の夜の相手が決まった瞬間だった。ミシェルはずるい。本当にずるい。でも勝てないからどうしようもない。いいもん、避妊しなくてよくなったの僕だけだもんって開き直ることにした。ミズキとの赤ちゃんかわいいだろうなー。名前どうしよう、女の子かな?男の子かな?
「ねぇノア、聞いてる?」
「ぅえっ!?ごめん、聞いてなかった」
「もー、5日後のパーティーのやつ、今日ドレス頼みに行った。なんかアクセサリーは主催の人が貸してくれるんだって。なんと!怪盗が予告してるやつ!あたしも盗まれちゃう?きゃー、 どうしよー!!!!」
3人は事前にジョエルから聞いていたのか冷静だった。ミズキの怪盗ブームも怪盗が捕まってしまえば終わるだろう。早く終わらないかな。
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