乙女ゲームの余り物たちと結婚させられるために異世界から召喚されました

そいみるくてぃー

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朝が早すぎる。7時だ7時。時計も日本と一緒でよかった。

「ノアは?」
「今日は朝から警備の話を騎士団と魔術師団で。昼前には戻るそうですが準備も色々あってずっとはいられませんよ」
「じゃあジョエルは?」
「私も色々と立て込んでいまして。私達がいなくても今日はミシェルが一日ミズキのお側にいますから彼を頼ってください」

昨日の今日で王子様側の人とはあまり会いたくなかったけれど、ミシェルとロランが悪いわけじゃないからいいやって切り替えていく。

「お披露目って夜なんでしょ?まだめっちゃ朝だけど」
「女性の身支度は時間がかかるでしょう?」

だからって11時間前は早すぎだと思う。
なんとかかんとかよくわかんないけど色々今日のスケジュールを聞かされたけど、とりあえず朝御飯がおいしいことしか頭に入ってこない。
とりあえずわかったことはもうちょっとしたらミシェルが来ることくらいだ。王子様はいいのだろうか?

「絶対に私達やルネ以外から差し出された飲み物や食べ物に口をつけてはいけません。例えファヴォリの人間であってもです。私達がいないときは必ずミシェルかロラン殿を通してください。わかりましたね」
「はーい」

子供じゃないんだから心配しなくてもいいのに

「ミズキの存在に感づいてる者、研究棟まで歩いたときにミズキをみかけた者達もいますから十分気を付けるんですよ。毒を盛られるなんてよくありますから」

なんでおどすの?こわいんだけど。暗殺こわっ!





*****






「ミシェルが来ましたよ」
「ミズキ様、本日はお仕えできること大変嬉しく」
「王子様いいの?」
「殿下は二時間前くらいに整えればいいだけですから。その時は一旦下がらせていただきますが最後の最後まであなた様のお側に」

重い、なんか重い

「ジョエル様もいることですし、ミズキ様、私と結婚とはまだ言いませんので交際してください。」
「はぁ!?え?なに?コクられてんの?は?」
「まぁ別に夫がいるから誰かと交際してはいけないと言う法律はありませんからね」
「え、無理。普通に無理」
「ほら、ミシェル、フラれましたよ」

とりあえずよくわかんないんだけど断った。え?普通にありえなくない?夫二人もいて彼氏も?

「では未来に期待をしております」

マジ前向きだわ。そんけーする。まぁこの顔面だから自信もあるんだろうけど。

ジョエルもどっかに行ってめっちゃいい匂いがするお風呂に入ったりしてたらファヴォリの面々がやれあれがどーこー、バタバタしている。ドレスは最強にかわいい。とんでもなく重いけど。着替えもまだだしちょっと眠い。

「ベッドで睡眠とはいきませんが、ソファでよければどうぞ、仮眠をとってください」
「うん、寝る。」

規則正しい生活が身に付いてきているからかたまにすごく眠くなる。保育園ってお昼寝絶対あるんだっけ?羨ましい、とか思いながら気付いたら寝てた。
誰かに頭撫でられてる。髪くるくる指に巻き付けないで絡んだら困る。目をあけて起きたいけどあとちょっと…

「えっ!?なに!?近くない?」
「えぇ、眠り姫はキスで起こすのが定番でしょう?」

人の気配を感じて目をあけたら目の前にミシェルがいた。しかもキスで起こそうとしてたとか引く。

「セクハラだから普通に。きょーせーわいせつだから」
「無防備なのが悪いんですよ」
「いや、あたし達の部屋だし。ミシェルのほうがお客さんじゃん」
「今は貴女に仕える下僕ですよ」
「そーゆーの求めてないから。そろそろ化粧したほうがいい?」
「えぇ。髪は同時がいいですか?」
「うーん、邪魔だからあとでがいい」

衣装部屋のバカでかいドレッサーの前でお化粧をする。舞台メイクばりに濃くしろと以前ルネさんに言われたから気合いで濃くする。つけまは2枚?下もバシバシつけてやる。

「涙袋そこまで強調します?」
「流行ってるの。元いたところで」
「ラメ乗せすぎじゃありません?」
「キラキラこそ命ってくらいのせるわ」

興味深くて聞いてくるのかケチつけたくて聞いてくるかはわからない。メイク中の過程をずっと見られるのもなかなかないから照れる。すっぴんって裸より恥ずかしいかもしれない。
とにかく盛る。盛りまくる。ハイライトもシェーディングもいれまくる。パウダーも艶も両方駆使。アイメイクなんて今まで生きてきた中で一番濃い。顔の半分目に関する化粧なんじゃないかってくらい気合いをいれた。

「やばっ気に入ってるリップなのに」

塗ろうと思っていたリップが思ったより残りが少なかった。ストックで買っておけばよかった。戻そうとしたらなぜか伸びた。使ったところが伸びた。はえた?いや、伸びた

「最初の状態に戻しましたよ」
「あー!なんかジョエルが言ってたやつ!すごっ」
「量産などはできないんですが。」

やばい、これすごい。現代ならお金払わなきゃってなるけど、いない。同じものなんて絶対ないし本当に助かる。

「ミシェルすごいね」
「お褒めに預かり光栄です」
「本当にありがとうっ!」

思わず抱きついてしまったけどこれは浮気じゃないだろう。親愛?そう、それ。ノアとジョエルよりも華奢でびっくりした。あの二人は意外と筋肉あるのかもしれない。鍛えてそうだし。
なんて思ってたら抱き締め返されてちょっとびっくりした。いい匂いがするし生地の感触もすごくいい。

「愛しています」
「え、いや、無理」
「交際からでいいのです。夫にしてくれとはまだ言いませんから」
「だからまだ考えられないって。二人も旦那さんがいることすら頭ついていかないのに彼氏って言われて旦那さんとはちがうとか無理無理。ミシェルのことが嫌いとかじゃなくてまだ考えられない」

ミシェルとロランに対しては正直悪い印象はない。ノアとジョエルが夫でなくただのセフレとかなら、まぁもう2人くらい増えてもいいかーって軽くかんがえられたけど、如何せん夫なのだ。結婚するのはさすがにセフレとはちがう。軽く扱っちゃダメな気がする。ノアとジョエルのことだってまだわからないことだらけだし。

「ねぇミズキ様、あら、お取り込み中?」

普通に入ってきたルネさんにはもう驚きもしない。この火とのことは男性として扱えばいいのか女性として扱えばいいのかいまだにわからない。でも奥さんいるって言ってたし男性?とりあえずミシェルから離れる。

「取り込んでないよ。どうしたの?」
「お化粧終わったらなにかお腹に入れなさい。直前より今くらいがいいわ。あと水分は少し控えて。お手洗いに行くのも一苦労になるから」
「わかった。ミシェル、」
「コルセットをおつけになるのですよね?消化のいいものを用意してきます」
「食べてしばらくしたら着付けをしましょう。そろそろ旦那様方がお見えになるはずよ。彼らも仕事や家のことがあるから、あまり長くはここにいられないけれど。顔を見れば緊張も解れるんじゃない?」

それもそうだ。朝ちょっとジョエルはいたけどミシェルと入れ替わりだったし、ノアなんて昨日王子様とのイラつくダンスのときに会っただけ。あー思い出したらムカムカしてきた。でもタバコやめるからスルメとかガムがほしい。

持ってきてもらったごはんはサンドイッチだった。バゲットの。ハムとチーズ。これ好き。柔らかいサンドイッチも好きだけど、こっちのほうが食べた感じがするから好き。あーお酒飲みたい。始まる前はダメって言われたから守ってる。トイレに行くのも大変って言われたし。なんかここに来てから初めてちゃんとした生活してる。昼間からお酒飲まないの今日が初じゃない?セックスか飲むかフィッティングとか採寸してるかの生活だった。なにこれ。おじいちゃん達のところで文字読む仕事とかいつから始められるんだこれ?


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