乙女ゲームの余り物たちと結婚させられるために異世界から召喚されました

そいみるくてぃー

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結局昨日はジョエルのところに行けなかった。ダンスをしたあとノアとセックスしてビール飲んだら、思いの外疲れていたのかそのまま寝てしまったみたい。ゆっくりお風呂に浸かりたかったのに。

そして今日もマナーの先生がやってくる。また服の上からダンスのあのヤバいスカートを装着されて頭に本を乗せて(本当にやるんだ)階段を降りる練習だ。

「当日のエスコートは殿下だそうです」
「王子様?」
「えぇ。王族で妻帯なされていないのは殿下だけですから」
「ノアとジョエルは?」
「旦那様方は王族席の隣で貴女様をお待ちになりますよ」

てっきりノアとジョエルと一緒と思っていたからちょっと不安かも。

「明日は本番と同じ場所で殿下にもお越しいただきましょう。衣装合わせのお時間をあとで宰相補佐様に御伺いしてこちらの時間もお伝えしますわ」
「先生明日もいてくれる?」
「えぇ。殿下がこられると言うことは近衛のロラン様と専属のミシェル様もいらっしゃるでしょう?御三方揃っておいでになるなんて絶対同席しますわよ!!」

先生は気合いが入っていた。

「先生はあの3人が」
「大ファンですわ!この国の女共はあの御三方を敬遠していますが私は大好きですの。あの見た目!もはや同じ種族とは思えないほどの美しさ!」
「先生もキレイですよ」
「あら知ってるわ」

この国の美人の男は自分の美しさを知っているらしい。でも一番の美人はやっぱり

「ミシェル様にはかないませんが」
「まぁ…あれはもう美術品レベルの美人…あたしのいたとこでもあそこまでの美人はなかなか」
「あら?異世界でも?」
「というか、この国がレベル高すぎるんですよ。先生があっちにいたらもう大変。芸能人とかってレベルじゃないかも」
「あらあら、褒めたってなにも出ませんわよ。ほほほほっ」

でも飴くれた













「ジョエルー?いるー?」

先生の階段と礼のレッスンが終わってランチ前にジョエルのところに行った。歩いて行くって言ったのにノアが過保護だからまた転移?した。これに慣れたら運動不足になりそう。

「ミズキ?」

漫画かってくらい書類の積まれたデスクから顔を出したのはジョエルだった。

「忙しい?帰ってこれなさそう?ごはん食べてる?」
「心配してくれているのですか?」
「当たり前じゃん」

立ち上がって正面から抱き締められた。多分疲れてるんだろうな。眼精疲労?やばそう

「ランチ3人で食べよ?」
「しかしまだ…」
「じゃあ部屋じゃなくてここで、ノアにお願いするから。ね?ノア」
「ジョエル様に渡したい物があるんですよ。ミズキが渡したくて」
「そうそう!ノアが作ってくれたの。まだ使ってないけどみんなお揃い」

やっぱり穴開いてる。よかった。
つけてあげようと思ったけどあたしの背じゃヒールはいてても大変。意外と背高いんだもん。

「…つけれない」
「じゃあ座ったときにでも。応接間がありますからそちらで食事をしましょうか」
「そういえば他の人は大丈夫?」
「えぇ。私だけ異常に忙しいだけですから」
「やばくない?パワハラ的な?」

あたしから見たら他の人も忙しそうに見えるけど、確かにジョエルのデスクの上の書類は他より多いかもしれない。窓際のデスクの量は異常だけど。なにあれ?書類置き場?

「私の仕事は自分で増やしてますから。御披露目もそうですし、結婚式までのスケジュールや警備体制やらやることは本当にたくさんですから」
「他の人と一緒にできないの?」
「ミズキに関わることは自分でやりたいんですよ」

あたしに関わることってそんなに大事なの?嬉しいとか通り越してめんどくさいなーって思うけど多分口にだしたらいけないやつだ。

しかしこの国ってどこのソファもめっちゃ座り心地いい。幸せ。

「ミズキ、お昼もらってきましたよ」

いつも魔術でぽんってごはんでてくるけど今日はバスケットにはいってるらしい。もらってきたということは誰かが用意してくれているということだ。感謝。
テーブルクロスを引いてバスケットをあけてノアが取り分けてくれる。

「お昼ごはんサンドイッチだ!」
「書類しながら片手でつまめるものとなると限られますからね」
「えー、でもこんなちっちゃくてもノア両手で食べてるから書類できないよ」
「片手だとずれちゃうから両手なんです!服汚しちゃうし」
「ほら、二人とも折角アイスティーも淹れてもらったんですから飲みながらたべてください」

もはやママと二人の子どものランチだ。

「ミズキ、膝の上にどうぞ」
「え?なんで?」
「貴女が足りないんですよ。少しくらいスキンシップをとったっていいじゃないですか」
「ノアは?」
「サンドイッチを片手で食べようと格闘していますよ」

本当だった。わかるよズレるの。ハンバーガーとかそうだもん。ハンバーガー両手で食べてもずれるけど。サンドイッチはこぼす。レタスとかこぼれる。あとサンドイッチならあたしは生クリームとフルーツのが好き。

「貴女に会えない時間がこんなにも苦しいものだとは知りませんでした」
「忙しかったんでしょ?仕方ないじゃん」
「ノアとはずっと一緒だったんでしょう?」
「その前はずーっとジョエルと一緒だったよ」
「じゃあミズキからキスしてください」

じゃあ!?じゃあがなんの脈絡もないから笑っちゃうんだけど。そもそも会えない時間が苦しいってなんだ?遠距離か浮気?
頬に手を添えてキスしようとするけど目をとじてくれない

「目とじて」
「嫌です。顔みながらしたい」
「もう…仕方ないなー」

キスは色々経験があるから慣れてると思ってたけど、ここまでの美形と目をあけたままキスはさすがに照れる。
普通にキスだけなわけはなく舌は入れられるし、目を閉じれば口を離され「目」とだけ言われ、目を開けばまた唇を重ねられ舌を捩じ込まれる。

「ジョエル、もう…」
「我慢できません?」

キスは止まったけど、輪郭を指でなぞられ親指で下唇をあけられる。条件反射的なかんじで指先を舌で舐めてしまうのはご愛嬌だ、

「今日の夜は帰りますから待っていてください」
「ノアは?」
「日中貴女と過ごすために夜に仕事を。当日の警備にノアはつけませんから、夜のうちに魔術師団で色々してくれるみたいですよ」
「だから今寝てるの?」

ノアのほうを見れば座りながら寝ていた。疲れてるんだろうな。

「ダンスできるの?ノア寝てていいのに」
「ロランに頼んだみたいですよ。そろそろ迎えにくるんじゃないですか?」
「それ一人かな?ミシェルさんにお願いがあるから連絡とりたいんだけど」
「…でしたらロランが来たときにお願いしてみましょう。ミズキからお願いがあるなんて聞けばすぐに転移してきますよ。ちなみになんのお願いなんですか?」
「当日のへアセットとネイル」
「あぁ、それでしたら彼が適任ですね。明日一足先に来ていただいてドレスをみていただきましょう。そこで髪型を決めたらどうです?ネイルは今日終わったらしてもらえばいいですよ。ノアールの睡眠時間も確保できますし」

話はそれで終わりだろと言わんばかりにソファに押し倒されて激しくキスをされながら服の上からおっぱいを揉まれる

「声は我慢してくださいね。同僚が聞き耳をたてていますから。聞かれたかったら別ですけど」
「んぅ…や…でも声でちゃ」
「じゃあキスで塞いでいますよ」

それしたところで声漏れるって言おうとしたけど遅かった。聞き耳たてるってなんだ?ドアに張り付いてるの?

『ジョエル殿、近衛騎士の』

ドアがノックされて外から人の声がした瞬間、一気に現実に戻された。そうだここジョエルの職場じゃん。なんてこと!ノアは?まだ寝てる。人の職場で?すごいなノア。ある意味尊敬する。

「通してくれ」

え?あたしソファに仰向けのままジョエルに押し倒されてるけどいいの?
ドアが開いてラッキースケベ神の申し子、ロランが入ってきた。

「ジョエル殿、ノアールに呼ばれて参った、が…邪魔したようだな」
「まぁ、邪魔といえば邪魔ですが。ミズキのダンスレッスンに付き合ってくださる貴方にそのようなことは申しませんよ」

キスしてから起き上がらせてくれる。キスいる?完全に喧嘩売ってるじゃん

「ノアールは当日の警備の関係で本日夜勤のためご覧の通り寝ています。申し訳ないですがロラン、貴方にミズキを任せましたよ。くれぐれも、頼みましたよ」
「…わかってる。移動は転移のみ、ダンスレッスン以外の場所には行かず、終わったらこの部屋へ戻るでいいんだな」
「そうです。あぁ、ミズキが貴方に頼みがあるそうですよ」

ここ?このタイミング?そもそもこの前おじいちゃん達の所に行くときはお城の中歩いていったのに転移オンリーになったの?いつ?

「ミズキ、俺に頼み事とは?」
「うーん、ロランに直接じゃないんだけどね、ミシェルさんに連絡をとりたいというかお願い事があるんだよね」
「ミシェル?今念話で連絡をとるから」

思ったより早く来た。というよりは秒で現れた。

「ミズキ様、私に話とは」
「早くない?王子様いいの?」
「彼は立派な成人男性ですから放っておいてもいいんですよ」
「そう?あのね、お願いがあるの。お披露目の当日のヘアと、今日ダンス終わったらネイルしてほしいんだけど頼める?」
「いいですよ。むしろヘアは私がやるつもりでしたから。ネイルもですし今日は私もダンスお付き合いさせてください」

え?ミシェルさんも?ダンスの先生が増えた。ノアみたいに感覚タイプの先生じゃないことを祈る

「では私は道具を用意してから向かいますので」

ミシェルさんが消えた。

「ねぇジョエル」
「なんですか?」
「あたしここにいたらワガママな女になりそう」
「ミズキはワガママでいいんですよ。夫である私とノアがすべて叶えてさしあげますよ」

甘やかされ過ぎるとろくでもない女になりそうだけど。
店にもいた。かわいくて男に愛されてとんでもないワガママな女が。女に嫌われる女。そうはなりたくないけど、若干近づいてきてる気がする。

「忘れてた!これ!つけてあげる。3人でお揃いだって。ジョエルのも綺麗な色。髪の毛と近い?」
「えぇ。あとで鏡で確かめますね」
「ノアもジョエルも片方だけだけどかわいいね」
「ミズキのものにはノアの魔力が…一般の魔力持ちの人間以上の魔力が入っていますよ。様々な魔術が入っているのでなにがあっても安心ですね」

こわっ








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