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しおりを挟む男の人の前で別の男の精液が溢れるなんてそんなこと生まれて初めてだった。あんな恥ずかしい事二度と、二度と経験したくない
「下着は替えますか?」
「いい!もうお風呂入るまでノーパン!下半身まっぱでいい!」
怒ってるアピールのため下半身は全部脱いで、先程やんわり防がれた手酌をしてやろうと思ったけど羞恥心でむしゃくしゃしてるという何とも言えない感情になっているあたしはボトルごと一気してやった。なめんな、キャバと両立してた時代もあったんだ、ボトル一気がなんだ、売上のためにやってたよってグチグチ言いながら何本か飲んだ。
「ミズキ、お行儀が悪いですよ」
「どーせ男の前で精液垂らすような女だから元からお行儀わるいですー。めっちゃ恥ずかしかったんだよ?わかる?」
「えぇ、わかってて言いましたから」
「見た?あの変態を見るような目!あの3人もだけど隠れてた付き人達!もう軽蔑を通り越して哀れみ!ジョエル今までどんな人だったの?絶対ジョエルのせい!」
横からポカポカ叩いていたけど全然悪びれない男に、羞恥心MAXで結構な量のお酒の入ったあたしは遂に対面で膝の上に跨がってやった。仕事スタイルだ。
「こーしゃくごしそくさまの聞き分けのない息子さんはこちらですかー?」
ボトムのファスナー(ファスナーあった!ボタンだけ文化じゃない!)をゆっくり下ろして彼の息子を手で弄ぶ
「あなたのせいで、あたしめちゃくちゃ恥ずかしかったの!カーペットはどうするんですかー?聞いてますかー?」
「浄化をしておきましたので大丈夫ですよ」
「そーゆー問題じゃなーい!」
流石に空きっ腹に一気はキてしまった。久々に回っている。どちらかと言えば絡んでちゃんとトイレで戻して寝て二日酔いになるのがいつものパターンだけどこの世界ではどうなることやら。まぁもう握ってしまったジョエルの息子は臨戦態勢なので構ってやることにする
「お返事は?できますかー?」
「ミズキ、ソレは話すことは…」
「できるんじゃない?魔術!なんでもできそう」
「陰茎が話す魔術なんて聞いたこともありませんよ」
「えー、喋ったらかわいいとおもうなー。ねー」
跨がっていては手でしか可愛がってあげられないから、ソファから降りて奉仕してあげることにした。仕方ない、抜いてあげようじゃないかと上から。
「はい、いい子にしててくださいね」
「ちょっと、ミズキ!そんなことしなくても」
「ふるはひ!」
口に咥えたまま喋るのはやめろといつも言われていたけど今日はもう知らん。そんなことってなに?愛情表現だよ!
口では嫌がっていても素直なむちゅこたんはいい子にしてる。無理矢理離さないんだから嫌ではないってことだし。
片手で竿を握ってもう片手は玉。この世界もちゃんと2つなのねとかどうでもいいことを思っていたらイキそうなのか呼吸は荒くなってるし頭を撫でてくれている手にも力がはいっている気もする。
口の中に温かいものが出されて飲み込んで見上げたら満足そうにしているジョエルがいた。
「あぁ…ミズキ、すごく気持ちよかった」
頭撫でられたらもうダメ。思えば昼から飲んでる。あーもう眠い。よかった今日は吐く方の酔い方じゃなかった。
*****
「ミズキ、ミズキ」
「んぅー?あれ?ジョエル?」
「もうお茶の時間ですよ。気分はどうですか?」
「うーん…大丈夫。気持ち悪くないし頭痛くない。あれ?ベッド?」
「あのまま寝かせるわけないじゃないですか。運んで浄化をかけて着替えさせましたよ」
服は洗濯に出してくれたみたい。探してた板はなかったからノアに洗浄魔術をやってもらうらしい。いっそ泡だけ出してもらって手洗いしたい。
そういえばブラジャーつけてる感覚もないし今は全裸かと思ったらとんでもない服を着せられていた。
「こ、これ…」
「一昨日脱衣場へ置いておいたのに着なかったでしょう?勿体ないから是非着てほしくて」
「もう全部みえてるじゃん…」
着てるのは典型的なベビードール。パンツはなかったけど。全体的にピンクと白のレースで乳首はがっつり透けてるし着てる方がエロく見えるやつだ。
「全部見えているといえば見えていますし、隠れてると言えば隠れてますよ」
「なにそれ…ジョエルの趣味?」
「まぁ趣味というか…妻にはかわいいナイトウェアでベッドにいてほしいとは思いますね」
要はこれを着てベッドにいてくれということだ。
「じゃあまた今度ね。お風呂入りたい」
「これからメゾンの人間が来るのでそれが終わったら入りましょう。今日は殿下と晩餐でしょう?付け焼き刃のカーテシーとテーブルマナーだけでも身に付けておかないと。本当ならダンスの練習もしたかったのですがそこまで時間がありません」
なんか怒濤の1日になりそうな予感。
とりあえず着替えて、朝食という時間でもないので紅茶とスコーンだけ食べた。ボロボロこぼれるの厄介だからサンドイッチとかがよかった。がっつり寝てた人間が言えるワガママでもないので有り難くスコーンを食べる。ジャム2種類もあるしクロテッドクリームも美味しい。ちょくちょく名前とかはフランス語なかんじなのにスコーンとか食べさせるあたりゲームの世界って自由だなって思う。そろそろピザとかハンバーグ出てきそう。
「お化粧はどうされます?」
「採寸したらお風呂入るんでしょ?失礼じゃないなら素っぴんでもいいかな?」
「えぇ。お化粧をされてるミズキも素敵ですが素っぴんのミズキは大変に可愛らしくて食べてしまいたいくらいですよ」
口の端についていたクリームやらスコーンを指で掬って食べるこの男はスコーンより甘いと思う。
「ごちそうさまでした。」
口の中がパサパサになるのでめちゃくちゃ紅茶が進んだ。なんかオシャレ!ってかんじ。
今日来てくれたのはメゾン・ド・ニュイのオーナー、マチアス様。色気!色気!色気を振り撒いているような男性がきた。
「宰相御子息様がうちに御依頼なんて何事かと思ってましたが可愛いお嬢さんですね」
「えぇ。つい一昨日婚約したばかりで。4日後の陛下主催の夜会で御披露目です」
「わざわざ陛下が主催とは…お顔立ちからみても異世界の花嫁様?前回の方とは別の方ですか?」
「えぇ。でもまだ御披露目前ですので内密に」
「…ファヴォリのアレは貴方の依頼だったんですね」
「ファヴォリは4日後の御披露目のドレスを急ピッチで仕立ててもらっていますので。ルネがやる気になってますから」
「そう…ルネが率先して取り組んでるということは…ところでうちは?そちらの花嫁様には婚礼衣装ですか?」
「いいえ」
えーそんなはっきり言う!?どうみてもどう考えてもこのマチアス様とルネさんは正反対というかライバルというか仲はあまり良くなさそうなんだけど。多分ウェディングドレス作る気満々だったと思うんだけど
「結婚式のドレスは彼女が気に入ったところで仕立ててあげたいので。ファヴォリにもまだ依頼はしていませんし、もちろんあなたのニュイにも」
「2社で選ぶということですか?」
「いいえ、まだあと1つ。あのデザイナーにも衣装は依頼します。ニュイには是非観劇デビューの際のドレスをお願いしたく」
「3社!?3つのドレスを着てみて気に入ったところが異世界の花嫁様の婚礼衣装をということなのか!?いや、婚礼衣装と言っても式と披露宴、お色直しとあれば3社全てに依頼がくる…うちはどのドレスでもいいから担当させてもらいたい。純白のウェディングドレスだろうとカラードレスだろうと彼女の魅力を最大限に引き出してみせる」
採寸をしながら話をしているんだけどこのマチアス様は女性の魅力を最大限に引き出すドレスを作るのが得意だそうだ。どちらかといえばセクシー路線というか体のラインに沿って綺麗に魅せるのを主軸に展開しているらしい。
「もうちょっとヒップがあればよかったのにな」
失礼な発言もかなりある
「うちはマーメイドラインが主軸なんだ。マーメイドラインのドレスは大抵がうち。もしくはうちの百貨店ライン。女性の持つ曲線美を布で表現するなんて素晴らしいじゃないか。ところで侯爵御子息様、ヒップは詰め物は?いれます?胸はあるのにヒップがなさすぎる」
「…詰め物はしません。そのままの彼女で魅力的ですから」
「観劇でしょう?劇場には厄介な女が多いと思いますが。お前の尻肉分けてやったらどうだってくらいのやつもわんさか」
「そのような方達も牽制するような素晴らしいドレスを仕立てて下さるのでしょう?それができると思ったからニュイにも依頼してるんですよ」
人の尻が足りないとか知りもしない人の尻がデカイとか本当にこの人はすごい人なんだろうか?
「紙とペン」
ほぼ書記と化していたお連れの方から受け取ってサラサラと描いたのはドレスのデザイン画。こんなサラっと描いたとはおもえないくらい、すごかった
「ルネさんより上手…」
「だろうよ!見る目があるな!とりあえずウエストは細いし胸もあるからヒップだけ。バックスタイルに重きを置こう。腰あたりからリボン…だと幼く見られるから幾何学的なデザインか花モチーフに生地をもってきて、それにつながるように膝上あたりから下に大胆なフリル。背中は全部出した方がいい。寒ければ御夫君にあたためてもらえばいい」
膝のとこすっごいシャープなデザインだけどこれ着て歩ける?そっちのほうが心配になってきた
「色は赤か緑か青。三択。このデザインでパステルカラーはダメ。野暮ったくみえる」
「もちろん緑ですね。緑で」
今回はあたしの意見は全く聞かない方針らしい。でも戦場へ赴く服と言われてしまったらなにも言えなくなった。すごい、ルネさんとは違うベクトルの勢いのある人だった。途中からずっとタメ口だった。やっぱデザイナーってクレイジーなんだろうな
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