乙女ゲームの余り物たちと結婚させられるために異世界から召喚されました

そいみるくてぃー

文字の大きさ
上 下
13 / 77

13

しおりを挟む

「ミズキ!おかえり!」

昨日より大きくなったノアが部屋の扉を開けた瞬間抱き付いてきた。あぁ、昨日は小さくてかわいかったのに今はあたしのほうがすっぽり。

「ただいま」
「ほらノアール、いつまでも扉を開けていると彼らがいますから早く閉めますよ」
「はい」
「では、そちらの方々は本日歩くだけのお勤め御苦労。報告することがあればどうぞ貴方達の上官へ。私達は本日はもう部屋からでませんから」

うっわー相変わらず容赦ないのね。歩くだけのお勤めとか…一応迫りくるヤバいやつ防いでくれたりしたよ?

「すみません、異世界の花嫁様にこれだけは」

執事の彼が上着の内側から取り出したのは

「手紙…?」
「返事は求めていないです。ただ読んでいただきたいと」
「誰から?」
「ミシェル様から…」

ジョエルは不愉快そうな顔をしていたけど、折角書いた手紙を返されるのもかわいそうだから受け取る。

「どうせそちらの近衛も預かってきているのでしょ?それぐらいわかりますよ。早くミズキに渡したらどうです?ミズキは私と違って優しいですから受け取らない、読まないなんてことはないですよ。渡したら早く報告にでも行ってください」

近衛の人からも預かって扉が閉まった。

「あたしまだヒナのやつすら読んでない…」
「あれは分厚いですから徐々に読んでいけばいいんですよ。その2通は読んでみたらいいんじゃないですか?」

昨日のサロンの大きいソファーに腰かけて読もうとするけど開け方がわからない

「ジョエル、」
「あぁ、開け方がわからないんですか?ペーパーナイフであけてあげますよ」

サロンの奥の執務室に取りに行ってくれた

「ミズキ、おかえり」
「うん、ただいま」

隣に座って甘えてくるノアがかわいい、大きくなってイケメンになったけど。ちゅーするかと思って目とじたら一向に唇が重ならない

「ノア?」
「今日はジョエル様の日だから我慢する。明日またいっぱいしよう、ね?」
「え?日替わり?」
「ううん、まだ話はしてないけどジョエル様はお忙しい方だしどうなるかわかんない。でも昨日は僕に譲ってくれたから。今日はジョエル様の日」
「1日に1人としかちゅーもしちゃダメなの?」
「ちがうちがう!僕が遠慮してるの…止まらなくなる自信があるから…だから今日はこれから魔術研究所に行くつもり。早くミズキと念話できるようにしなくちゃならないから」
「遠慮なんてしなくていいんですよ。二人とも夫なのですから。ほらミズキ、ペーパーナイフ持ってきましたから開けてあげますよ」

2通の手紙の封をあけてもらって読む。内容は謝罪と会いたい、話をしたいということだった。古代文字じゃなくても読めるわ。そこに感動してしまった。
あたしが読んでいる間ノアとジョエルは昼食の用意をしてくれていたみたいだ。ノアはまた出るからもう食べてる

「なにか変なことでも書いてありましたか?」
「ううん、鍵壊して鞄あけたことの謝罪と下着並べた謝罪。あとは会って話がしたいだって。昨日はあたしも怒ってごめんなさいすら聞かなかったからあたしも悪いよね」
「怒って当然の事を彼らはしたのですから、ミズキは悪くありませんよ。その手紙にもミズキを責めるようなことはなかったのでしょう?」
「うん…」
「じゃあ!行ってきます!」

すごい勢いでランチを済ませたノアがまた消えた

「朝も気になったんだけど…ノア消えた?」
「転移が使えますからね彼は。私も使えますけど彼ほどどこへでもはできません」
「へぇーすごーい」

手紙のことを話していたけどノアが消えたことのほうがびっくりだ。魔術すごいな。

「それよりも手紙…返事いらないって言ってたけどそうはいかないよね」
「書かなくていいんじゃないですか?そもそも首謀者は殿下でしょう?彼からは謝罪もなにもないのですから」
「それなら尚更残りの二人には書かなきゃいけないんじゃないの?」
「そんなに彼らと接点を持ちたいですか?」

なぜか顔が怒ってるジョエルにソファーに押し倒された。え?

「どうしたの?」
「そんなにあの二人が気になりますか?ミシェルの顔?ロランの体躯の良さ?」
「いや、そもそも全然顔みてないから覚えてないっんっ!!」

また激しいキス。あたし昨日もだけどこのソファーでは噛みつくようなキスしかされてない気がする
スカートはたくしあげられてまた指がはいってくる

「手紙読んで濡れたんですか?」
「ちがうってば」
「じゃあなんで?」
「…ジョエルがちゅーしてくれたから」

わざとらしく音をたてながら膣内を指で探られる。一番声が出たところを重点的に責められ、先程の熱も冷めない体はすぐにイってしまう

「おもらしまでしてしまったんですか?」
「ちがうもん…」
「わかってますよ。気持ちよかったんでしょう?」

ジョエルは思ったより嫉妬深くていじわるだ。

「ここはミズキのおもらして濡れてますから、私の膝の上にどうぞ」
「だからおもらしじゃないもん!潮ふいちゃっただけだもん。しかもジョエルのせい!」
「ふふっ本当にかわいいですね。続きがしたいんですが食事をしないとメゾンの人間が来ますから…こちらから呼んだのに、セックスしてるから帰れとは言えませんよ」

手はちゃんとおしぼり?で拭いてた。拭かなかったら引いてた。あたしのスカートもまたあの浄化的なのですぐ乾かしてくれたんだと思う。ソファーはそのままってのがジョエルの趣味なのだろう。いやらしい。

ランチはワンプレートに色んな種類が乗ってるやつだった。美味しい幸せ。なぜか膝の上に横抱きにされて食べさせられてるけど。

「次は?」
「その緑の豆のハムみたいなやつ」
「モルタデッラですね。ピスタチオなので豆ではなくナッツですよ」

ピスタチオって豆じゃないのか。そのことにびっくりしたけど、ハムもおいしかった。ランチなのにドリンクはシャンパンだったので大満足。グラスを持って口をあければ食べ物は入ってくるし、グラスが空けばすぐ注いでくれる。なんて幸せな時間なんだろう

「結婚式はどうします?」
「うーん、そうだなーこじんまりやりたいかも。盛大にはしなくていいや」

ランチは食べ終わっているので二人でグラスを傾けながら話をする。結婚式の話らしい。

「場所は?希望はありますか?どんな場所でも用意してみせますが」
「お庭キレイだったしガーデンウエディングかな?アーチみたいなのあって、噴水?池?みたいなとこの横で立食パーティー。花と緑に囲まれて真っ白なドレスで花嫁さんやりたいねー」
「ではミズキの希望通りにしますよ。ドレスは白ですね」
「ウエディングドレスと言えば白だよ白!ボールガウンだっけ?ウエストからわっさーって広がるやつ」
「まぁそこはデザイナーと相談ですね。今日のメゾンに頼んでもいいですし、別のメゾンやデザイナーにも作ってもらってそこで一番気に入ったところにウエディングドレスは仕立ててもらいましょう」
「ブーケもどうしようか?あれすっごい重いから投げるとか正気の沙汰じゃないよ。終わったらドライフラワーにして飾るのがいいな。この国に女の子の知り合いもいないし」
「ブーケトスではなくドライフラワーに?」
「そうだよ!でも自分で気に入ったお花でやるんだし人にあげるの勿体ないからドライフラワーにして取っておきたい。いつ見ても結婚式のこと思い出せるでしょ?」

ほんとは和装もやりたかったけどここでは叶わなさそう。色打掛着てみたかったー。前撮りだけでもいいから。いつか日本に帰れたら絶対和装にする。帰れるのかな?

「ジョエルは?結婚式どうしたいとか希望あるの?」
「…考えたことがありませんでしたね」
「えー、ドレスはこーゆーの着てほしいとか教会がいいとかレストランがいいとか海がいいとか」
「結婚には縁がないと思っていましたからね。万が一できたとしても他の夫たちともうまくやれる気もしなかったですし」
「ノアは?ギスギスしてないじゃん」
「お互いに結婚に縁がなく国に生涯を捧げるつもりでしたからね。ミズキに見初められたことが何よりの幸せですから」

横抱きにされたまま左手をとられて薬指にキスされる

「ミズキの誕生石はサファイアでしたね。カラーサファイアは色々ありますし、私達の色のサファイアを内側に嵌めるのもいいですね。外側ですとしつこくなりそうですし」
「そーゆー理想はあるのね。なんか嬉しい」

キスして笑って結婚式の話して。あーもう幸せ。ずっとこんなかんじだったらいいのに。

しおりを挟む
感想 9

あなたにおすすめの小説

旦那様が多すぎて困っています!? 〜逆ハー異世界ラブコメ〜

ことりとりとん
恋愛
男女比8:1の逆ハーレム異世界に転移してしまった女子大生・大森泉 転移早々旦那さんが6人もできて、しかも魔力無限チートがあると教えられて!? のんびりまったり暮らしたいのにいつの間にか国を救うハメになりました…… イケメン山盛りの逆ハーです 前半はラブラブまったりの予定。後半で主人公が頑張ります 小説家になろう、カクヨムに転載しています

転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~

恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん) は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。 しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!? (もしかして、私、転生してる!!?) そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!! そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?

明智さんちの旦那さんたちR

明智 颯茄
恋愛
 あの小高い丘の上に建つ大きなお屋敷には、一風変わった夫婦が住んでいる。それは、妻一人に夫十人のいわゆる逆ハーレム婚だ。  奥さんは何かと大変かと思いきやそうではないらしい。旦那さんたちは全員神がかりな美しさを持つイケメンで、奥さんはニヤケ放題らしい。  ほのぼのとしながらも、複数婚が巻き起こすおかしな日常が満載。  *BL描写あり  毎週月曜日と隔週の日曜日お休みします。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

女性の少ない異世界に生まれ変わったら

Azuki
恋愛
高校に登校している途中、道路に飛び出した子供を助ける形でトラックに轢かれてそのまま意識を失った私。 目を覚ますと、私はベッドに寝ていて、目の前にも周りにもイケメン、イケメン、イケメンだらけーーー!? なんと私は幼女に生まれ変わっており、しかもお嬢様だった!! ーーやった〜!勝ち組人生来た〜〜〜!!! そう、心の中で思いっきり歓喜していた私だけど、この世界はとんでもない世界で・・・!? これは、女性が圧倒的に少ない異世界に転生した私が、家族や周りから溺愛されながら様々な問題を解決して、更に溺愛されていく物語。

二度目の人生は異世界で溺愛されています

ノッポ
恋愛
私はブラック企業で働く彼氏ナシのおひとりさまアラフォー会社員だった。 ある日 信号で轢かれそうな男の子を助けたことがキッカケで異世界に行くことに。 加護とチート有りな上に超絶美少女にまでしてもらったけど……中身は今まで喪女の地味女だったので周りの環境変化にタジタジ。 おまけに女性が少ない世界のため 夫をたくさん持つことになりー…… 周りに流されて愛されてつつ たまに前世の知識で少しだけ生活を改善しながら異世界で生きていくお話。

捕まり癒やされし異世界

波間柏
恋愛
飲んでものまれるな。 飲まれて異世界に飛んでしまい手遅れだが、そう固く決意した大学生 野々村 未来の異世界生活。 異世界から来た者は何か能力をもつはずが、彼女は何もなかった。ただ、とある声を聞き閃いた。 「これ、売れる」と。 自分の中では砂糖多めなお話です。

転生したら乙女ゲームの主人公の友達になったんですが、なぜか私がモテてるんですが?

rita
恋愛
田舎に住むごく普通のアラサー社畜の私は車で帰宅中に、 飛び出してきた猫かたぬきを避けようとしてトラックにぶつかりお陀仏したらしく、 気付くと、最近ハマっていた乙女ゲームの世界の『主人公の友達』に転生していたんだけど、 まぁ、友達でも二次元女子高生になれたし、 推しキャラやイケメンキャラやイケオジも見れるし!楽しく過ごそう!と、 思ってたらなぜか主人公を押し退け、 攻略対象キャラからモテまくる事態に・・・・ ちょ、え、これどうしたらいいの!!!嬉しいけど!!!

処理中です...