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二章 成長した愛し子
四話 その女神、発病❀
しおりを挟む「ん……」
起き上がろうとして、身動ぎをし…………ん?できない、あれ?
疑問に思って、目を開けてみると絶世の美貌が目の前に。
「みゃああああああ!!!」
な、な、な、…………なんで、なんで一緒に寝てるの!?
そしてここは何処!!
「う……る、さい……しずかにして…………」
あまりに大きな声を出してしまったものだから、起こしてしまった。寝ぼけてるけど。
寝起きの掠れた声が脳に響く。
これ以上、この掠れた声を聴くのは危険だ。非常に危険だ。急いで距離を取ろうとしたら、緩く私を抱きしめていた力が更に強まって抱き込まれた。
抱きしめた本人は、すやすやと気持ちよさそうに眠りに入ってしまった。
おい。寝るな、そこ。離せこら。
しばらくゆさゆさと揺さぶってはみたけど、起きない。どころか余計に深い眠りに落ちていっている。
す──…………。
うん……諦めも肝心、なんだけど、こうまで起きないなら悪戯したくなってくる。
眠りに入ったことで緩くなった腕を解いて、頬に手を添え、唇を親指で撫でる。触れた瞬間、負けた気がした。薄紅色の唇はひび割れてもいなければ乾燥してもいない。プルンプルンなのである。なんて羨ましい。これが男の唇なのが憎らしい……。
あ、そういえばこの子、上着も脱がずに寝てる。少し皺になってしまっている。これ以上皺になる前に脱がせないと。
よいしょと。
相変わらず軽い体に少し驚く。小さい頃から軽かったけど、大きくなっても軽いままとは……。上着とついでにベストを脱がせた体をそっと横に戻して、畳んで少し離れた場所に置いておく。
シャツはどうしようか。
寝巻きは持ってないから、脱がせる?
シャツに体の色が透けていて若干色っぽい。
なんだか腹が立ってきた。
ひとつひとつボタンを外して前を寛げる。そこから手を差し込み、微かに色付いている乳首に触れる。
「……ん」
少し反応はしたものの、まだ起きない。
つ、と舌を這わせ舐めていると、
「っ!?」
と、息を飲んだ音が聞こえた。
✻ ✻ ✻ ✻
何が、どうなっている……?
何故か服を脱がされ、その上、お姉ちゃんが、僕の乳首を、な、舐めている……!
え、な、何で!?!
嫌われたんじゃなかったの!?
「はっ……ん……!」
ちゅう、と乳首を吸われた。もう片方を人差し指で弄られる。
はぁはぁ、と呼吸が荒くなる。
あぁもう、どうしてくれようか、この娘……!
手を出したくて仕方ない。でも、そんなことしたら行為自体が止められそうで怖い。勿体なくてとても手を出せない。
あぁ、焦れったい。
そう思った時、ふと見上げられた。
……?
真正面から見詰められて、思わず息が止まる。
な、何?
──ちゅっ。
え?
──ちゅっ、ちゅう。
……え、え…………え?ええ!?
数瞬、頭が真っ白になった。
…………お姉ちゃんに口付けられてる!!?ありがとうございます!?
なにこれ、夢かな。天国?いつの間に死んだっけ。
ぼーっ、としている間にも口付けは続いている。
唇を舐められ、食まれる。
「ぅん……ん……はぁ……ん」
どんどん深くなる口付けに頭がおかしくなりそう。
気持ちよくて、心地好くて声が漏れる。
一体全体、お姉ちゃんは僕をどうしたいんだろう?
お願いだから、これ以上、僕をおかしくしないで。勘違いしたくなるから。
「あっ、ん……」
そっと耳に手が触れ、びくっと肩が跳ねる。
耳は精霊族の性感帯だって知ってて触ってそう。だって、小さい頃にもよく耳を舐められてたから。
……単純に自分よりも長い耳が好きなのかも知れないけど。
「んん……!??」
唇を割られたと思ったら唾液が流れ込んできた。
次から次へと唾液を送り込まれるものだから、飲み込むしか術は無い。
……やる側とやられる側では感じ方がまったく違う!こんなに厭らしいことを僕はしていたの!?
反省した。ごめんなさい。
確かにこれは、文句の一つも言いたくなる。
「ん……ぅん……」
ちゅくちゅくと響く水音が厭らしい。
長い口付けが終わり最後にちゅっ、と音を鳴らして離れていった。
やっと終わる……。
手を出す前に終わってよかっ、
「……!?……っ!!……え!?」
する、と股間を撫でられた。
どどどどど、どこをさわっ、
「ちょっ、まっ……待って!」
ダメダメダメ!そこはダメ!お触り禁止!
咄嗟に手を掴んで止める。
「……………………」
そんなにむくれないで。拗ねないで!可愛いからやめて!
あぁ、もう!
「そこは、だめ」
✻ ✻ ✻ ✻
目の前にご馳走があるのに、止められる。
食べたいのに食べさせてくれない。
……もどかしい。
さっきまでは、気持ちよさそうにしてたのに。
むぅ。
何をそんなに必死になって止めるのか分からない。
抵抗されるとしたくなるんだけど?
ゆるゆると首を振って嫌がっているけど正直、そこまで嫌そうには見えない。
うーん。どうしたものか。
すっかりその気になってしまっているから、今更止められないんだけど……。
既に涙目になって可愛いことになっているルゥを喘がせて鳴かせたい。めちゃくちゃにしたい。縋らせたい。私を求めてほしい。私だけを見てほしい。
叶うなら……愛してほしい。
でも、無理矢理したくはない。
それでも犯したい。
相反する気持ちが煩わしい。
してしまえばいいのに何故我慢するのかと煩悩が訴えかけてくる。
自然と瞳孔が開く。
ひくっと、喉が鳴った音がしたと同時に手を掴んでいた力が緩む。
期待したんだろうか?嫌がってたんじゃなかったっけ。どっちなの、ねぇ。
「うぅ……」
ぽろぽろと涙が溢れいる。
舐めとってやると、顔が林檎のように真っ赤になった。可愛い。
あ、目を逸らされた。
無防備になった首筋に顔を寄せ、吸い付く。
「……あ……っ」
「ふふっ、可愛い……」
首まで真っ赤になった。大丈夫かな?
ルゥの身体が凄く熱い。体温が低いと温かさがよく分かる。それだけ興奮している証拠だろう。
私で、私の悪戯で興奮してくれている。その事実がなにより嬉しい。もっと……私を欲して。私だけにその愛らしさを見せて。可愛く鳴いて、喘いで?
私に……溺れて。愛して。
私だけを……見て。
その目に映すのは……私だけで、いい。他の女を見ないで。
──かぷ。
「好き」
長い耳を食む。
「へ」
──ぺろっ。
「……好き」
──ちゅう。
「え、え……!?」
「……大好き……」
耳が真っ赤になって、ピルルルッと動いた。
「どういう……?」
おろおろと瞳を揺らしながら困惑げに聞かれ、ついムッとなってしまった。
耳の中に舌を入れ、両方の乳首をキュッと抓る。
「……あ……ぁあっ……!」
私の気持ちを疑う悪い子にはお仕置しなきゃね?
意地悪い笑みを向け舌舐めずりをする。
「ひぅっ」
震えて戦かれた。
失礼な。
キッ、と強く睨むと頬を染めて視線を逸らされた。
え、なんで。そこはさっきみたいに震えるところでしょう。
ルゥ……もしや変態?
しばし呆然としていると、焦ったように首を振られる。私って分かりやすいだろうか。
睨まれて喜ぶのが変態でなくて一体なんなのか。
後で問いただそう。
つんつん、と人差し指で唇をつつく。
──パクり。
あ、指を食べられた。
まるで赤子のように指を舐めしゃぶられている。
子ども返りでもしたのかな。
甘えるようにちゅうちゅうと吸われる。
私の手はおしゃぶりではない。
引き抜こうとしたら、両手でそっと握られ小首を傾げて上目遣いで
「らめ?」
と言われた。
ダメじゃないです、むしろありがとうございます。
可愛すぎる……!!
もはや犯罪レベルのあざと可愛さ。
これだけで死ねる。死んでいい。
はぁはぁ、と呼吸が荒くなっていく。
鼻の奥が熱くなってきた。我慢しろ私。ここで鼻血を出してはいけない。雰囲気が台無しになってしまう。
可愛さから目を逸らし、上を向く。
それを咎めるようにじゅっ、とキツく吸われた。
ごめん、今は真面に顔が見れない……。
「んー……」
あと少し待って!休憩しないと確実に容量不足で発熱する。
すー、はー。
一先ず落ち着こう。
「ふぉれえはん?らひひょーふ?」
───ポタポタ。
頼むからそのあざと可愛さを何処かにしまってくれないか。深呼吸して落ち着いた意味が無くなったじゃないの。
二度連続、気絶を経験したのは初めてだった。
✻ ✻ ✻ ✻
幸せそうな寝顔でいらっしゃる……。
普通、気絶するだろうか。
致している最中に鼻血を出して気を失うだろうか。
現に、目の前に居るわけだけど。
一応こんなでも神様なわけで。鼻血出して倒れたけど確かに神様で。
というか、鼻血出したことに驚いたんだけど?いつからこんなに人間のようになったんだろう?
まさか本当に人間になってたりしないよね。ね?
……大丈夫。だって僕より耳は短いけど、精霊族並には耳が長いし、なによりしっぽがある。
この時点で人間ではない。
かといって、鼻血を出すほど人間味が出てきたわけで。
まぁ、寿命が短くなってるなんてことは無いだろう……と願いたい。
一番有り得そうなのは、人と関わりたいあまりに無意識に少しでも人に近づくよう、身体を作り変えていたってとこかな。
お姉ちゃんはお姉ちゃんだから、そこまで気にしてないけど。
何はともあれ、嫌われてなかったみたいで良かった。
あれって照れてただけ?
それはそれで気になるけど、それはまた今度。
胸の上に乗っかって気絶したリーヴェルを抱き締めて再び微睡んだ。
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