哲学的なもの

声を震わせる

声が震える、それは何故だろう、わからない

頬に生暖かいものが伝っている、冷たくないから雨ではない、ではなんだろうか、分からない

手から胴体にかけては水満帆のバケツをそのまま全てかけられたかのように赤黒く染まっている、だが、それも何かわからない

目の前に黒い獣がいる、赤い瞳、深淵を体現したかのような毛、獣の特徴ともいえる、屈強な牙、あれに噛まれたら痛いだろう、でも、何故だか死ぬという想像ができない、何故だろう？

この世はわからないことだらけだ、自分では知り得ないことも、他人が知っている、他人が知らなくても自分が知っている、偉人が先人達の残した物を糧に今の現代を作ったように、そして今も──