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第23話
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翌日
日本政府は護衛の不完全さや、海上の警備のずさんさをアトラン港にある外交部に非難したが、まぁ不意打ちだったこともあり、そこまで怒っているわけでもなかった。
しかし、日本政府はこの世界の警備を信用できないことを知り、他国に来訪する場合は自国での警備を強化することになった。
なおこの件に関しての国民感情は政府の怠慢であるとの見解が多かった。が、自衛隊の法律である自衛隊法や憲法の問題もあるだろうと一部の有識者が発言していた。
その後、1週間後。国会では憲法改正の審議が終わり、結果は可決であった。そしてあとは国民投票を残すだけとなった。今回の憲法改正は自衛隊を日本の平和と独立及び国民の安全を最優先に行動する軍事組織であると定義することとなった。
もちろん、武力を国際紛争を解決する手段として用いないことは規定しているが、我が国の存続のために最善の手段を行使するともされていた。
とまぁ右寄りの皆さんはこの国会の議決に歓喜したが、左寄りの皆さんは猛反発した。政権は理由も当然のことながら理解していたわけで、端的に言えばこの改正によってもし日本が地球に戻った場合に韓国や中国などに自衛隊の矛先を向けられると考えたからだ。よって政府はこの改正は今の世界の状態を鑑みて改定したものであり、地球に戻った場合は国民に現行憲法の可否を問うことによってその主張を抑えた。
もちろん、悲惨な殺戮をまたもや繰り返すのかなどの反発もあったが、現状の世界に不安を抱いている国民はそんな戯言を聞こうともしなかった。
一方そのころ、政府では新しい土地の開発を進めていた。慢性的な資源不足に陥っている日本は、何としてでも新しい土地で開発を迅速に行い、資源不足を解決しなければならなかった。
そのため、許可が下りてから即座に必要な人員の確保が行われた。なお、懸命な外交努力により、免税特権の取得も完了していた。
輸送艦しもきた・くにさき
現在2隻の輸送艦にはさまざまな装甲車両が積載されている途中であった。積載されている車両の一覧は、
・90式戦車x3台
・16式機動戦闘車x3台
・89式装甲戦闘車x5台
・87式偵察警戒車x4台
・高機動車8台
・LAV4台
・輸送用トラック数台
・重機十数台
などであった。これらの装備の目的は開発地の警備や自衛用などである。また、現地は悪路であることがあらかじめ予想されているので、装軌装甲車も準備した。なおこれらのほとんどは富士から調達された。
今回の派遣の目的は、現地において開発拠点として駐屯地を設営することにある。もちろん簡易的に迅速に設営できるよう、資材も積載されていた。
LCACがフル稼働したことによって、自衛官約100名と数十台の車両が陸揚げされた。
「では今よりマスニカ半島先端部、第1種特別地域の治安維持及び新駐屯地建設を開始する」
特別地域開発派遣部隊、通称"特域派遣隊"の長となる岩谷 正則一等陸佐は高らかに宣言した。
ひとまずの任務は周辺の土地開発である。そのためまずは対象地域の調査である。自衛官はそれそれの車両に乗車する。
その後、上空からの視察によって悪路と思われる地域には90式と89式が2手に分かれて調査を。そのほかに関しては16式と87式と高機動車の混合の部隊が、3手に分かれて調査を。残りのLAVは残留するトラックなどの護衛を担当する。ちなみに今回は89式、87式の兵員輸送車としての役目はこなさない。
装備する火器に関しては89式小銃と64式小銃を半々に。数人に一人にMINIMIを装備させた。(62式、お前は用済みだ。)
「しかしなんでこんなところに来なければならないんだよ」
89FVに乗車している隊員がほざく。
「仕方がねぇよな?日本の存続の危機ですもん」
「まぁな。だからこそ憲法改正の国民投票も行われるんだろ」
「ああ。行けるかどうかわからんがな」
「自衛官は損な立ち回りだよな」
「それ言ったらしまいだぜ」
その時、調査隊から無線から一報入る。
『前方に生物の群れを視認。注意されたし』
「やはり熊かなんかでしょうね」
しかし、その瞬間隊員たちの考察は打ち砕かれる。
なんと、生物の口からから火や氷の矢のようなものが飛び出してきたのだ。
『全車、戦闘用意!』
第1調査隊(と呼応されている)の隊長から戦闘行動が発令される。
先ほどの攻撃は装甲によって弾かれたのだが、脅威として変わりない。
『89式、照準前方、徹甲弾撃ち方始め』
この命令によって89式の35㎜砲が火を噴く。前方の生物の群れは血を吹き出しながら倒れた。
「うっ、見ててなんかグロイな」
「抑えろ。『目標撃破』」
『了解。警戒体制に移行されたし』
その後、同様の生命体は同地域で多数確認された。調査を担当する隊員らは連日対応に苦労したという。また、89式で対応できなかったものに関しては90式の120㎜砲で対応したのだが、その射撃音によってまた新たな生物体が出てくるという泣きたくなるような始末であった。
日本政府は護衛の不完全さや、海上の警備のずさんさをアトラン港にある外交部に非難したが、まぁ不意打ちだったこともあり、そこまで怒っているわけでもなかった。
しかし、日本政府はこの世界の警備を信用できないことを知り、他国に来訪する場合は自国での警備を強化することになった。
なおこの件に関しての国民感情は政府の怠慢であるとの見解が多かった。が、自衛隊の法律である自衛隊法や憲法の問題もあるだろうと一部の有識者が発言していた。
その後、1週間後。国会では憲法改正の審議が終わり、結果は可決であった。そしてあとは国民投票を残すだけとなった。今回の憲法改正は自衛隊を日本の平和と独立及び国民の安全を最優先に行動する軍事組織であると定義することとなった。
もちろん、武力を国際紛争を解決する手段として用いないことは規定しているが、我が国の存続のために最善の手段を行使するともされていた。
とまぁ右寄りの皆さんはこの国会の議決に歓喜したが、左寄りの皆さんは猛反発した。政権は理由も当然のことながら理解していたわけで、端的に言えばこの改正によってもし日本が地球に戻った場合に韓国や中国などに自衛隊の矛先を向けられると考えたからだ。よって政府はこの改正は今の世界の状態を鑑みて改定したものであり、地球に戻った場合は国民に現行憲法の可否を問うことによってその主張を抑えた。
もちろん、悲惨な殺戮をまたもや繰り返すのかなどの反発もあったが、現状の世界に不安を抱いている国民はそんな戯言を聞こうともしなかった。
一方そのころ、政府では新しい土地の開発を進めていた。慢性的な資源不足に陥っている日本は、何としてでも新しい土地で開発を迅速に行い、資源不足を解決しなければならなかった。
そのため、許可が下りてから即座に必要な人員の確保が行われた。なお、懸命な外交努力により、免税特権の取得も完了していた。
輸送艦しもきた・くにさき
現在2隻の輸送艦にはさまざまな装甲車両が積載されている途中であった。積載されている車両の一覧は、
・90式戦車x3台
・16式機動戦闘車x3台
・89式装甲戦闘車x5台
・87式偵察警戒車x4台
・高機動車8台
・LAV4台
・輸送用トラック数台
・重機十数台
などであった。これらの装備の目的は開発地の警備や自衛用などである。また、現地は悪路であることがあらかじめ予想されているので、装軌装甲車も準備した。なおこれらのほとんどは富士から調達された。
今回の派遣の目的は、現地において開発拠点として駐屯地を設営することにある。もちろん簡易的に迅速に設営できるよう、資材も積載されていた。
LCACがフル稼働したことによって、自衛官約100名と数十台の車両が陸揚げされた。
「では今よりマスニカ半島先端部、第1種特別地域の治安維持及び新駐屯地建設を開始する」
特別地域開発派遣部隊、通称"特域派遣隊"の長となる岩谷 正則一等陸佐は高らかに宣言した。
ひとまずの任務は周辺の土地開発である。そのためまずは対象地域の調査である。自衛官はそれそれの車両に乗車する。
その後、上空からの視察によって悪路と思われる地域には90式と89式が2手に分かれて調査を。そのほかに関しては16式と87式と高機動車の混合の部隊が、3手に分かれて調査を。残りのLAVは残留するトラックなどの護衛を担当する。ちなみに今回は89式、87式の兵員輸送車としての役目はこなさない。
装備する火器に関しては89式小銃と64式小銃を半々に。数人に一人にMINIMIを装備させた。(62式、お前は用済みだ。)
「しかしなんでこんなところに来なければならないんだよ」
89FVに乗車している隊員がほざく。
「仕方がねぇよな?日本の存続の危機ですもん」
「まぁな。だからこそ憲法改正の国民投票も行われるんだろ」
「ああ。行けるかどうかわからんがな」
「自衛官は損な立ち回りだよな」
「それ言ったらしまいだぜ」
その時、調査隊から無線から一報入る。
『前方に生物の群れを視認。注意されたし』
「やはり熊かなんかでしょうね」
しかし、その瞬間隊員たちの考察は打ち砕かれる。
なんと、生物の口からから火や氷の矢のようなものが飛び出してきたのだ。
『全車、戦闘用意!』
第1調査隊(と呼応されている)の隊長から戦闘行動が発令される。
先ほどの攻撃は装甲によって弾かれたのだが、脅威として変わりない。
『89式、照準前方、徹甲弾撃ち方始め』
この命令によって89式の35㎜砲が火を噴く。前方の生物の群れは血を吹き出しながら倒れた。
「うっ、見ててなんかグロイな」
「抑えろ。『目標撃破』」
『了解。警戒体制に移行されたし』
その後、同様の生命体は同地域で多数確認された。調査を担当する隊員らは連日対応に苦労したという。また、89式で対応できなかったものに関しては90式の120㎜砲で対応したのだが、その射撃音によってまた新たな生物体が出てくるという泣きたくなるような始末であった。
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