34 / 58
一章 紫碧のひととせ
悪夢
しおりを挟む
※胸糞描写が多いです。今回の話は飛ばしても支障はないので、苦手な方は読まずに次の話にお進みください
──────────────────────
目が覚めた。
身体は冷え切り、強ばっている。
ぎこちなく身体を動かしながら、シルビオはゆっくりと目を開けた。
見慣れた、自分の部屋だった。
月も星も寝静まった深い夜が窓の外を支配している。
そういえば、今日は新月だった。
悪いことは重なるものだ。
主神であるシエラは月を司る女神である。
シエラ教徒は、満月に近いほど能力が高まり、新月に近いほど能力が弱まる。
今日は、一番調子の出ない日だ。
「……」
寒い。
身体の節々が痛い。
どうして、自分は床に座り込んで寝ていたのか。
ベッドではなく、ソファーで眠るなんて、今まで一度もしてこなかったのに。
ここでは、誰かと一緒に寝ることができないのに。
「───」
気づいてしまった。
ひゅっと、空気が喉から漏れる音がした。
身体は震え、呼吸は荒くなり、視界が揺らぐ。
そうだ。
誰もいない。
こんなに冷たい夜なのに。
自分の傍には、だれも─
「ヴォルガ……?」
縋るように名前を呼んだ。
自分が傷つけてしまった、青く美しい彼の名前を。
けれど、彼はそこにいない。
温もりさえなかった。
「…………っ!!」
頭が真っ白になった。
鼓動が激しくなる。
呼吸がおかしくなる。
不安と、恐怖と、寂寥に支配され、胸が虚無で満たされる。
あんなこと、言ったから。
いやになって、いなくなっちゃったんだ。
暗い目をした自分が、そう呟いた。
「……ち、ちがう……違う、ヴォルガは、そんなこと……っ」
自分のものとは思えないくらい弱々しい声が零れた。
震える身体を無理矢理立ち上がらせ、彼の痕跡を探る。
でも、無意味だった。
ベッドにも、彼はいなかった。
クローゼットには、シルビオの分だけの服が入っていた。
棚の上には、彼が大切にしていたペンダントは置かれていなかった。
「……はぁ……っ、はぁっ、はぁっ…………」
過呼吸になりかけていた。
パニックで頭が回らなかった。
それでも、否応なしに理解させられた。
彼はもう、ここにいないのだ。
「……ぃ、や……、嫌…………だ……っ」
独りは嫌だ。
寒いのは嫌だ。
寂しいのは、もう嫌だ。
全身を掻きむしりたくなるような衝動に駆られる。
じわじわと、正気が蝕まれる。
半狂乱になりながら、シルビオは部屋を飛び出し、転げ落ちそうな勢いで階段を駆け下りた。
一階のカウンターには、ぽつりと明かりが見えた。
はっと顔を上げれば、褐色の肌の男が座って本を読んでいた。
…よかった。
ひとりじゃなかった。
泣き出しそうになりながら、彼の名を叫ぶ。
「ユーガっ、ユーガぁ……!!」
駆け寄って、縋りつくように抱きついて。
思いの丈を、一方的にぶちまける。
「ヴォルガ……ヴォルガが、いなくて……ひとりに、なっちゃって……ねぇ、ヴォルガは……?どこいっちゃったの……?いっしょに、いてくれるって、いってたのに……っ」
呂律が上手く回らず、子供の駄々のような拙い口調で畳みかけるシルビオに。
ユーガは、溜め息をついて本を閉じた。
薄茶色の瞳には、冷淡な嫌悪感だけが映っていた。
「うるさい。触るな」
気づけば、手を弾かれて床に倒れていた。
冷えきった手はじんじんと痛み、シルビオは呆然と目を見開く。
「ユーガ……?」
彼はシルビオを視界に入れることすら厭うように、カウンターに目を落として顔を顰めた。
「ったく、本当に聞き分けのない愚図だな、お前は。何度も言わせんじゃねえよ。ヴォルガはとっくに出て行った。もう二度と戻ってこない」
「…………」
言葉すら出てこなかった。
ユーガが、そんなくだらない嘘をつくはずないのだ。
でも、そんなこと一度も耳にしていない。
彼が何を言っているのか分からない。
ただ、自分が否定されていることだけが理解できた。
「リーリエだって呆れてただろ。いつまでうちに居着く気なんだ、お前は。ヴォルガでさえあんな身体でとっとと出て行ったのに……どうしてまだここにいる?」
「……っ、……」
ああ、そうか。
夢だ。
これは、夢だ。
ユーガはこんなこと言わない。
シルビオの存在を否定なんかしない。
がらんどうの人形のような、こんな冷えきった目で自分を見ない。
分かっていた。
分かっている、はずだった。
でも、耐えられなかった。
例え幻影の存在であっても、ユーガに拒絶されることが、何よりも辛かった。
そして、シルビオの夢は、決して自分の意思では覚めてくれない。
「気まぐれでお前を拾ったのが間違いだったよ。頼むから、さっさと消えてくれ」
やめろ。
彼の姿で、彼の声でそんなことを言うな。
叫びたかった。
ユーガの姿をした何かを否定したかった。
それなのに、シルビオはその言葉を無理矢理心に捩じ込むことしか出来なかった。
従順に項垂れて、責め立てられることしか出来なかった。
「……ごめん、なさい……」
「謝れなんて言ってない。消えろって言ったんだ。さっさと出て行け。ここはお前の居場所じゃない」
「で、でも……どこに行けばいいの……?お父さんも、お母さんも、いないのに……」
「どうしてそれを俺に聞く?俺とお前はただの他人だ。家族じゃない。お前のことなんぞ知らん」
「……見捨てないでよ……ユーガがいたから、生きられたのに……家族じゃないなんて、言わないでよ……」
「ああそうかよ。俺は別にお前がいなくても生きられる。どうでもいい。勝手に一人で野垂れ死ね」
「…………ヴォルガは……っ、なんで……いなく、なっちゃったの……?」
「お前が必要ないからだ。気を抜いたら襲われるかもしれない相手と同衾なんて、普通だったら嫌に決まってるだろ。何で分からないんだ?」
「そんなこと、するわけない……っ!!ただ、怖いだけなのに……また、発作でおかしくなるんじゃ、って……」
「そんなのはお前の都合だろ。ヴォルガには関係ない。そもそも、するわけないとか言って、俺に手出そうとしたよなぁ、お前?」
「………………ぁ、……」
ユーガの姿をしたそれは、ただただシルビオを否定する。
途中から、その姿はぼやけて、代わりにもう一人の自分の声が正面から聞こえる。
「何で分からないの?誰にも求められてないんだって。みんな、俺の魔法が怖いから従ってるだけなんだよ」
「……お、れ……だって…………こわい……こわ、いのに…………」
「あぁ、怖いねぇ。教えたくない感情が、隠していた本音が、全部筒抜けなんだから。そんな奴と一緒にいたいって思う?思わないよな。いらないよなぁ」
「…………また、ひとりになるの?」
「そうだよ。暗くて、怖くて、寒い街で、独りで生きていくんだ。それが正しい俺の在り方なんだよ」
「……こわい…………いやだ、こわい……っ、もう、あんなとこ、いたくない……っ!!!」
今でも鮮明に思い出せる、幼い日の日常。
陽の光すら入らない路地裏で、野良猫と体温を分け合いながら眠る、独りきりの毎日。
綺麗な人間なんていなかった。
誰もが心に闇を抱え、身寄りのない子供から全てを奪い取ろうと近づいてきた。
怖かった。
様々な人間の闇に呑まれて、気が狂いそうだった。
そんな場所が自分の居場所なんて、嫌だ。
皆が、自分を嫌ってるなんて、信じたくない。
孤独に震える夜に苦しめられる日々は、もう二度と……
「あ、ぁあ、あぁぁぁあああああああああっ?!!」
過去のトラウマが蘇り、シルビオの正気は完全に失われた。
目の前の誰かは哄笑を上げ、掻き消えた。
シルビオの意識は、そこで闇に堕ちた。
──────────────────────
目が覚めた。
身体は冷え切り、強ばっている。
ぎこちなく身体を動かしながら、シルビオはゆっくりと目を開けた。
見慣れた、自分の部屋だった。
月も星も寝静まった深い夜が窓の外を支配している。
そういえば、今日は新月だった。
悪いことは重なるものだ。
主神であるシエラは月を司る女神である。
シエラ教徒は、満月に近いほど能力が高まり、新月に近いほど能力が弱まる。
今日は、一番調子の出ない日だ。
「……」
寒い。
身体の節々が痛い。
どうして、自分は床に座り込んで寝ていたのか。
ベッドではなく、ソファーで眠るなんて、今まで一度もしてこなかったのに。
ここでは、誰かと一緒に寝ることができないのに。
「───」
気づいてしまった。
ひゅっと、空気が喉から漏れる音がした。
身体は震え、呼吸は荒くなり、視界が揺らぐ。
そうだ。
誰もいない。
こんなに冷たい夜なのに。
自分の傍には、だれも─
「ヴォルガ……?」
縋るように名前を呼んだ。
自分が傷つけてしまった、青く美しい彼の名前を。
けれど、彼はそこにいない。
温もりさえなかった。
「…………っ!!」
頭が真っ白になった。
鼓動が激しくなる。
呼吸がおかしくなる。
不安と、恐怖と、寂寥に支配され、胸が虚無で満たされる。
あんなこと、言ったから。
いやになって、いなくなっちゃったんだ。
暗い目をした自分が、そう呟いた。
「……ち、ちがう……違う、ヴォルガは、そんなこと……っ」
自分のものとは思えないくらい弱々しい声が零れた。
震える身体を無理矢理立ち上がらせ、彼の痕跡を探る。
でも、無意味だった。
ベッドにも、彼はいなかった。
クローゼットには、シルビオの分だけの服が入っていた。
棚の上には、彼が大切にしていたペンダントは置かれていなかった。
「……はぁ……っ、はぁっ、はぁっ…………」
過呼吸になりかけていた。
パニックで頭が回らなかった。
それでも、否応なしに理解させられた。
彼はもう、ここにいないのだ。
「……ぃ、や……、嫌…………だ……っ」
独りは嫌だ。
寒いのは嫌だ。
寂しいのは、もう嫌だ。
全身を掻きむしりたくなるような衝動に駆られる。
じわじわと、正気が蝕まれる。
半狂乱になりながら、シルビオは部屋を飛び出し、転げ落ちそうな勢いで階段を駆け下りた。
一階のカウンターには、ぽつりと明かりが見えた。
はっと顔を上げれば、褐色の肌の男が座って本を読んでいた。
…よかった。
ひとりじゃなかった。
泣き出しそうになりながら、彼の名を叫ぶ。
「ユーガっ、ユーガぁ……!!」
駆け寄って、縋りつくように抱きついて。
思いの丈を、一方的にぶちまける。
「ヴォルガ……ヴォルガが、いなくて……ひとりに、なっちゃって……ねぇ、ヴォルガは……?どこいっちゃったの……?いっしょに、いてくれるって、いってたのに……っ」
呂律が上手く回らず、子供の駄々のような拙い口調で畳みかけるシルビオに。
ユーガは、溜め息をついて本を閉じた。
薄茶色の瞳には、冷淡な嫌悪感だけが映っていた。
「うるさい。触るな」
気づけば、手を弾かれて床に倒れていた。
冷えきった手はじんじんと痛み、シルビオは呆然と目を見開く。
「ユーガ……?」
彼はシルビオを視界に入れることすら厭うように、カウンターに目を落として顔を顰めた。
「ったく、本当に聞き分けのない愚図だな、お前は。何度も言わせんじゃねえよ。ヴォルガはとっくに出て行った。もう二度と戻ってこない」
「…………」
言葉すら出てこなかった。
ユーガが、そんなくだらない嘘をつくはずないのだ。
でも、そんなこと一度も耳にしていない。
彼が何を言っているのか分からない。
ただ、自分が否定されていることだけが理解できた。
「リーリエだって呆れてただろ。いつまでうちに居着く気なんだ、お前は。ヴォルガでさえあんな身体でとっとと出て行ったのに……どうしてまだここにいる?」
「……っ、……」
ああ、そうか。
夢だ。
これは、夢だ。
ユーガはこんなこと言わない。
シルビオの存在を否定なんかしない。
がらんどうの人形のような、こんな冷えきった目で自分を見ない。
分かっていた。
分かっている、はずだった。
でも、耐えられなかった。
例え幻影の存在であっても、ユーガに拒絶されることが、何よりも辛かった。
そして、シルビオの夢は、決して自分の意思では覚めてくれない。
「気まぐれでお前を拾ったのが間違いだったよ。頼むから、さっさと消えてくれ」
やめろ。
彼の姿で、彼の声でそんなことを言うな。
叫びたかった。
ユーガの姿をした何かを否定したかった。
それなのに、シルビオはその言葉を無理矢理心に捩じ込むことしか出来なかった。
従順に項垂れて、責め立てられることしか出来なかった。
「……ごめん、なさい……」
「謝れなんて言ってない。消えろって言ったんだ。さっさと出て行け。ここはお前の居場所じゃない」
「で、でも……どこに行けばいいの……?お父さんも、お母さんも、いないのに……」
「どうしてそれを俺に聞く?俺とお前はただの他人だ。家族じゃない。お前のことなんぞ知らん」
「……見捨てないでよ……ユーガがいたから、生きられたのに……家族じゃないなんて、言わないでよ……」
「ああそうかよ。俺は別にお前がいなくても生きられる。どうでもいい。勝手に一人で野垂れ死ね」
「…………ヴォルガは……っ、なんで……いなく、なっちゃったの……?」
「お前が必要ないからだ。気を抜いたら襲われるかもしれない相手と同衾なんて、普通だったら嫌に決まってるだろ。何で分からないんだ?」
「そんなこと、するわけない……っ!!ただ、怖いだけなのに……また、発作でおかしくなるんじゃ、って……」
「そんなのはお前の都合だろ。ヴォルガには関係ない。そもそも、するわけないとか言って、俺に手出そうとしたよなぁ、お前?」
「………………ぁ、……」
ユーガの姿をしたそれは、ただただシルビオを否定する。
途中から、その姿はぼやけて、代わりにもう一人の自分の声が正面から聞こえる。
「何で分からないの?誰にも求められてないんだって。みんな、俺の魔法が怖いから従ってるだけなんだよ」
「……お、れ……だって…………こわい……こわ、いのに…………」
「あぁ、怖いねぇ。教えたくない感情が、隠していた本音が、全部筒抜けなんだから。そんな奴と一緒にいたいって思う?思わないよな。いらないよなぁ」
「…………また、ひとりになるの?」
「そうだよ。暗くて、怖くて、寒い街で、独りで生きていくんだ。それが正しい俺の在り方なんだよ」
「……こわい…………いやだ、こわい……っ、もう、あんなとこ、いたくない……っ!!!」
今でも鮮明に思い出せる、幼い日の日常。
陽の光すら入らない路地裏で、野良猫と体温を分け合いながら眠る、独りきりの毎日。
綺麗な人間なんていなかった。
誰もが心に闇を抱え、身寄りのない子供から全てを奪い取ろうと近づいてきた。
怖かった。
様々な人間の闇に呑まれて、気が狂いそうだった。
そんな場所が自分の居場所なんて、嫌だ。
皆が、自分を嫌ってるなんて、信じたくない。
孤独に震える夜に苦しめられる日々は、もう二度と……
「あ、ぁあ、あぁぁぁあああああああああっ?!!」
過去のトラウマが蘇り、シルビオの正気は完全に失われた。
目の前の誰かは哄笑を上げ、掻き消えた。
シルビオの意識は、そこで闇に堕ちた。
1
お気に入りに追加
16
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
黄色い水仙を君に贈る
えんがわ
BL
──────────
「ねぇ、別れよっか……俺たち……。」
「ああ、そうだな」
「っ……ばいばい……」
俺は……ただっ……
「うわああああああああ!」
君に愛して欲しかっただけなのに……
天涯孤独になった少年は、元兵士の優しいオジサンと幸せに生きる
ir(いる)
BL
ファンタジー。最愛の父を亡くした後、恋人(不倫相手)と再婚したい母に騙されて捨てられた12歳の少年。30歳の元兵士の男性との出会いで傷付いた心を癒してもらい、恋(主人公からの片思い)をする物語。
※序盤は主人公が悲しむシーンが多いです。
※主人公と相手が出会うまで、少しかかります(28話)
※BL的展開になるまでに、結構かかる予定です。主人公が恋心を自覚するようでしないのは51話くらい?
※女性は普通に登場しますが、他に明確な相手がいたり、恋愛目線で主人公たちを見ていない人ばかりです。
※同性愛者もいますが、異性愛が主流の世界です。なので主人公は、男なのに男を好きになる自分はおかしいのでは?と悩みます。
※主人公のお相手は、保護者として主人公を温かく見守り、支えたいと思っています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
真面目系委員長の同室は王道転校生⁉~王道受けの横で適度に巻き込まれて行きます~
シキ
BL
全寮制学園モノBL。
倉科誠は真面目で平凡な目立たない学級委員長だった。そう、だった。季節外れの王道転入生が来るまでは……。
倉科の通う私立藤咲学園は山奥に位置する全寮制男子高校だ。外界と隔絶されたそこでは美形生徒が信奉され、親衛隊が作られ、生徒会には俺様会長やクール系副会長が在籍する王道学園と呼ぶに相応しいであろう場所。そんな学園に一人の転入生がやってくる。破天荒な美少年の彼を中心に巻き起こる騒動に同室・同クラスな委員長も巻き込まれていき……?
真面目で平凡()な学級委員長が王道転入生くんに巻き込まれ何だかんだ総受けする青春系ラブストーリー。
一部固定CP(副会長×王道転入生)もいつつ、基本は主人公総受けです。
こちらは個人サイトで数年前に連載していて、途中だったお話です。
今度こそ完走させてあげたいと思いたってこちらで加筆修正して再連載させていただいています。
当時の企画で書いた番外編なども掲載させていただきますが、生暖かく見守ってください。
十七歳の心模様
須藤慎弥
BL
好きだからこそ、恋人の邪魔はしたくない…
ほんわか読者モデル×影の薄い平凡くん
柊一とは不釣り合いだと自覚しながらも、
葵は初めての恋に溺れていた。
付き合って一年が経ったある日、柊一が告白されている現場を目撃してしまう。
告白を断られてしまった女の子は泣き崩れ、
その瞬間…葵の胸に卑屈な思いが広がった。
※fujossy様にて行われた「梅雨のBLコンテスト」出品作です。
秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
めぐみ
BL
☆俺はお前を何度も抱き、俺なしではいられぬ淫らな身体にする。宿命という名の数奇な運命に翻弄される王子達☆
―俺はそなたを玩具だと思ったことはなかった。ただ、そなたの身体は俺のものだ。俺はそなたを何度でも抱き、俺なしではいられないような淫らな身体にする。抱き潰すくらいに抱けば、そなたもあの宦官のことなど思い出しもしなくなる。―
モンゴル大帝国の皇帝を祖父に持ちモンゴル帝国直系の皇女を生母として生まれた彼は、生まれながらの高麗の王太子だった。
だが、そんな王太子の運命を激変させる出来事が起こった。
そう、あの「秘密」が表に出るまでは。
【完結】運命さんこんにちは、さようなら
ハリネズミ
BL
Ωである神楽 咲(かぐら さき)は『運命』と出会ったが、知らない間に番になっていたのは別の人物、影山 燐(かげやま りん)だった。
とある誤解から思うように優しくできない燐と、番=家族だと考え、家族が欲しかったことから簡単に受け入れてしまったマイペースな咲とのちぐはぐでピュアなラブストーリー。
==========
完結しました。ありがとうございました。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
【BL】記憶のカケラ
樺純
BL
あらすじ
とある事故により記憶の一部を失ってしまったキイチ。キイチはその事故以来、海辺である男性の後ろ姿を追いかける夢を毎日見るようになり、その男性の顔が見えそうになるといつもその夢から覚めるため、その相手が誰なのか気になりはじめる。
そんなキイチはいつからか惹かれている幼なじみのタカラの家に転がり込み、居候生活を送っているがタカラと幼なじみという関係を壊すのが怖くて告白出来ずにいた。そんな時、毎日見る夢に出てくるあの後ろ姿を街中で見つける。キイチはその人と会えば何故、あの夢を毎日見るのかその理由が分かるかもしれないとその後ろ姿に夢中になるが、結果としてそのキイチのその行動がタカラの心を締め付け過去の傷痕を抉る事となる。
キイチが忘れてしまった記憶とは?
タカラの抱える過去の傷痕とは?
散らばった記憶のカケラが1つになった時…真実が明かされる。
キイチ(男)
中二の時に事故に遭い記憶の一部を失う。幼なじみであり片想いの相手であるタカラの家に居候している。同じ男であることや幼なじみという関係を壊すのが怖く、タカラに告白出来ずにいるがタカラには過保護で尽くしている。
タカラ(男)
過去の出来事が忘れられないままキイチを自分の家に居候させている。タカラの心には過去の出来事により出来てしまった傷痕があり、その傷痕を癒すことができないまま自分の想いに蓋をしキイチと暮らしている。
ノイル(男)
キイチとタカラの幼なじみ。幼なじみ、男女7人組の年長者として2人を落ち着いた目で見守っている。キイチの働くカフェのオーナーでもあり、良き助言者でもあり、ノイルの行動により2人に大きな変化が訪れるキッカケとなる。
ミズキ(男)
幼なじみ7人組の1人でもありタカラの親友でもある。タカラと同じ職場に勤めていて会社ではタカラの執事くんと呼ばれるほどタカラに甘いが、恋人であるヒノハが1番大切なのでここぞと言う時は恋人を優先する。
ユウリ(女)
幼なじみ7人組の1人。ノイルの経営するカフェで一緒に働いていてノイルの彼女。
ヒノハ(女)
幼なじみ7人組の1人。ミズキの彼女。ミズキのことが大好きで冗談半分でタカラにライバル心を抱いてるというネタで場を和ませる。
リヒト(男)
幼なじみ7人組の1人。冷静な目で幼なじみ達が恋人になっていく様子を見守ってきた。
謎の男性
街でキイチが見かけた毎日夢に出てくる後ろ姿にそっくりな男。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる