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一章 紫碧のひととせ
終わりと始まりの夜
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「ばいばーい!」
「またきてね、おにいちゃん!」
「……うん、またな」
穏やかな夕陽が街を照らす夕暮れ時。
アステル教会の修道士たちと共に、ヴォルガは孤児院の子供たちに別れを告げていた。
ぶんぶんと手を振る彼らに手を振り返しながら、隣でにこにことそれを眺めるリーリエにぽつりと呟く。
「あっという間だったな」
「そうだねぇ。ヴォルちゃん、ほんとに子供慣れしててびっくりしたよ」
リーリエは感心した顔でヴォルガを見ていた。
教会の支援で子供たちが特に楽しみにしているのが魔法の授業なのだが、ヴォルガは毎年参加している修道士たちを遥かに凌ぐ人気ぶりだった。
魔法に慣れていない子供でも扱いやすい危険度の少ない魔法を、それでいて魅せられるように実演する技量。
『烙印』持ちでありながら子供たちに殺到されるほどの美しい魔法に、教会側の職員も魅了されていたほどだった。
ヴォルガは少し気恥ずかしそうに頬をかきながら呟く。
「俺が孤児院にいた頃にも、魔法の授業はあったんだ。初めて魔法を間近で見せてもらった時は、すごく感動した。あの時の感動を、ここの子供たちにも味わってほしくて……ちょっと、はしゃぎすぎたなとは思ってるんだが」
「あははっ、そんなことないよ~。おかげで私たちも色々勉強になったし、子供たちも嬉しかったと思うよ!」
教会の面々には『烙印』持ちであることを黙認されているヴォルガだが、そんな彼でもここまでできるのだからと、若い修道士たちはかなり張り切っていた。
張り切りすぎて魔力切れで倒れた困り者もいたが、総じて今回の行事を盛り上げた要因となったのは確実にヴォルガだった。
参加を勧めたリーリエからすれば、誘った甲斐があったというものである。
ご機嫌なリーリエを見て、教会の職員たちも微笑ましそうな目を向けていた。
平和で、穏やかで、優しい日常。
少し前までは考えもしていなかった、新たな人生。
こんな生き方もできたのだと、自分が一番驚いていた。
…ああ、悪くない。
罪人であった自分が得るにしては過剰すぎる幸福だ。
夕焼け色に染まった街を眺めながら、ヴォルガは口元に小さく笑みを浮かべた。
早く彼の下に帰ろうと、少しだけ足を弾ませながら。
ヴォルガとリーリエは、そのまま帰路に着くのであった。
「ただいま~」
「あ、おかえり!大丈夫だった?」
「うんっ、全然問題なかったよぉ」
『本日休業』の看板が下げられいつもより静かなマヨイガに戻ると、真っ先にシルビオが出迎えてくれた。
表情は明るいが、その笑顔がどこか乾いているように見えるのは気のせいだろうか。
素直な子供たちと接していたからか、シルビオのいつもより元気のない対応が何かを含んでいるように見えて仕方ない。
気にはなりつつも、ヴォルガもリーリエの後に続いて声をかけた。
「戻った。昨日は平気だったか?」
すると、シルビオはびくっと震え、一瞬視線を彷徨わせた。
違和感を覚えて見つめようとした頃には、いつも通りに振る舞っていたが。
「あ、う、うん……大丈夫。忙しかったけど、何とか回せたよ」
「……そうか」
…いつもより表情がぎこちないことに、彼は気付いているだろうか。
何がそうさせるのかは分からない。
でも、薄ら感じることがあった。
その原因は、自分なんじゃないだろうか、って。
シルビオの平穏な日常を─今日味わったあの平安を─自分が壊してしまっていたとしたら。
命の恩人である彼に仇を返しているだけだったら。
そんなの、あまりにも酷じゃないか。
そう思うと、何だか怖くなった。
「本当に、大丈夫なんだよな?」
「……っ」
思わず尋ねていた。
シルビオは激しく視線を揺らし、珍しく怒ったような低い声で返してきた。
「平気だよ!ヴォルガがいなくたって、俺は……」
「……」
その言葉に、ズキッと心に痛みが走った。
…本当は、嫌だったんじゃないだろうか。
『烙印』を持っているような人間が、当たり前のように表の世界に出ようとしていることが。
シルビオが優しいのは分かっている。
でも、それが彼の本心だとは限らない。
自分を監視して、閉じ込めておくための演技なのかもしれない。
普段だったら、こんなことは絶対に思っていなかっただろう。
でも、今のヴォルガは少なからず疲れていて。
シルビオのこともずっと心配していて。
それなのに自分を否定されてしまったから、負の方向に感情が引きずられてしまった。
「……悪かった」
「…………ぁ、ち、違……そんなこと、言いたかったんじゃなくて……」
小さく謝罪を零すと、彼はさっと青ざめて縋るように手を伸ばしてくる。
ヴォルガは動かなかった。
でも、それがヴォルガの指に触れる前に、彼は震えながらその手を引っ込めてしまった。
「……疲れたから、少し休む」
「ぁ…………う、うん……」
彼に背を向けて部屋へと向かう。
シルビオは動揺していたが、追いかけてはこなかった。
ヴォルガは振り向くことなく自分とシルビオの部屋まで向かい、ベッドではなくソファーにどさりと身体を横たえた。
気分は悪い。
でも、疲れていた。
徐々に瞼が落ちていき、ヴォルガはそのまま眠りに落ちた。
「…………」
シルビオは、呆然と立ち尽くしていた。
自分があまりに不安定で、怖くなった。
ぐるぐると渦巻く感情が、自分のものだと理解できなかった。
割り切って受け入れるには、彼はまだ幼すぎた。
「シルビオ……?」
ユーガがいるキッチンに顔を出していたリーリエが、ただ立っているシルビオの姿を認めて不安げに呼びかけてくる。
シルビオはゆっくりと振り向き、不格好な笑みを浮かべる。
「大丈夫。大丈夫だよ、リーちゃん」
リーリエは痛ましげにシルビオを見つめた。
「……シルビオも、疲れてるんだよね。今日はもう休も?ホットミルク作ってあげるよ」
「うん、ありがと」
シルビオは、ずっと笑顔のままだった。
貼り付けた笑顔の仮面の裏側は、結局誰にも見せることはなかった。
意識が浮上した。
ヴォルガはゆっくりと目を開き、すっかり暗くなった部屋の中を見渡す。
窓の外は真っ暗で、月明かりも見えない。
そして…
「……」
縋り付くように手を握り、ソファーに上半身を預けて眠るシルビオがいた。
寒いだろうに、毛布を被ることもなく、ヴォルガの邪魔をしないようにと触れているのは冷たい掌だけだった。
「シルビオ……」
小さく声を掛けて揺すってみたが、彼は起きなかった。
そういえば、一度眠ってから朝になるまで、彼が起きているのを見たことがない。
いつも寝起きも悪いし、眠りが深いのだろうか。
それはそれとして、子供のように小さくなったその姿を見て、一気に頭が冷えた。
彼を突き放すような行動をしてしまったことに、今更ながら罪悪感を覚える。
「……ごめん」
囁くように呟いて、ヴォルガは自分の毛布をシルビオに掛けてやった。
それと同時に、ぐぅと低い音が腹から響く。
…そういえば、夕食も取らずに寝ていたのだった。
すっかり夜になっているが、軽く何か胃に入れておきたい。
まだ、ユーガは起きているだろうか。
シルビオの頭を少しだけ撫でてから、ヴォルガは階下へ降りることにした。
眠れているなら、問題ないだろうと。
シルビオの傍から離れた。
「ユーガ」
「ん?……あ、起きたのか」
階段を下ると、カウンターで本を読んでいるユーガを見つけた。
明かりはついていなかったが、カウンターの上に無造作に置かれたカンテラの火だけが揺らめいていた。
ヴォルガと目が合うと、小さく笑う。
「腹減ったんだろ。何か作るよ」
「あ……わ、悪い」
「気にするな。まだ治ってないんだから、ちゃんと食え。余り物だけどな」
ユーガはすぐに本を閉じてキッチンに向かう。
何となく手持ち無沙汰で、ヴォルガはその後を追うことにした。
キッチンで食材を吟味し始めたユーガは、ヴォルガに穏やかな口調で話しかけてくる。
「シルビオと仲直りはできたか?」
「……ん」
ちょっと気まずくなって目を逸らす。
ユーガは苦笑気味に続けた。
「悪いな、面倒見させて。俺じゃだめなんだよ。お前じゃないと、シルビオは変われないから」
「……?」
不思議な台詞だった。
いまいち要領をつかめず眉を顰めるヴォルガに、ユーガは気にするなと言いたげに手を振った。
「分からなくていいよ。お前は好きに過ごせばいい。…まぁでも、今日のシルビオは放っておけないな。ついでに話聞くか……あいつも呼んできてくれないか?」
慣れた手つきで肉を包丁で叩きながらそう言うユーガに、ヴォルガは目を瞬かせる。
「あ、いや……シルビオ、今は寝てる。俺もさっき起きたばかりで、まだ話せていないんだ」
ふと、手が止まった。
ユーガは困惑した顔でヴォルガを見る。
「……寝てんのか?」
「あ、ああ……無理な姿勢で寝ていたから、起こそうとも思ったんだが、起きそうになくて……」
だから、仲直りというなら、まだできていない。
しどろもどろにそう言うと、ユーガは溜め息をつき、ぼそりと呟いた。
「あいつ……話してなかったのか」
「え?」
何を、と聞こうとした。
次の瞬間だった。
上階から、とてつもない爆発音と、彼の慟哭が聞こえてきたのは。
「またきてね、おにいちゃん!」
「……うん、またな」
穏やかな夕陽が街を照らす夕暮れ時。
アステル教会の修道士たちと共に、ヴォルガは孤児院の子供たちに別れを告げていた。
ぶんぶんと手を振る彼らに手を振り返しながら、隣でにこにことそれを眺めるリーリエにぽつりと呟く。
「あっという間だったな」
「そうだねぇ。ヴォルちゃん、ほんとに子供慣れしててびっくりしたよ」
リーリエは感心した顔でヴォルガを見ていた。
教会の支援で子供たちが特に楽しみにしているのが魔法の授業なのだが、ヴォルガは毎年参加している修道士たちを遥かに凌ぐ人気ぶりだった。
魔法に慣れていない子供でも扱いやすい危険度の少ない魔法を、それでいて魅せられるように実演する技量。
『烙印』持ちでありながら子供たちに殺到されるほどの美しい魔法に、教会側の職員も魅了されていたほどだった。
ヴォルガは少し気恥ずかしそうに頬をかきながら呟く。
「俺が孤児院にいた頃にも、魔法の授業はあったんだ。初めて魔法を間近で見せてもらった時は、すごく感動した。あの時の感動を、ここの子供たちにも味わってほしくて……ちょっと、はしゃぎすぎたなとは思ってるんだが」
「あははっ、そんなことないよ~。おかげで私たちも色々勉強になったし、子供たちも嬉しかったと思うよ!」
教会の面々には『烙印』持ちであることを黙認されているヴォルガだが、そんな彼でもここまでできるのだからと、若い修道士たちはかなり張り切っていた。
張り切りすぎて魔力切れで倒れた困り者もいたが、総じて今回の行事を盛り上げた要因となったのは確実にヴォルガだった。
参加を勧めたリーリエからすれば、誘った甲斐があったというものである。
ご機嫌なリーリエを見て、教会の職員たちも微笑ましそうな目を向けていた。
平和で、穏やかで、優しい日常。
少し前までは考えもしていなかった、新たな人生。
こんな生き方もできたのだと、自分が一番驚いていた。
…ああ、悪くない。
罪人であった自分が得るにしては過剰すぎる幸福だ。
夕焼け色に染まった街を眺めながら、ヴォルガは口元に小さく笑みを浮かべた。
早く彼の下に帰ろうと、少しだけ足を弾ませながら。
ヴォルガとリーリエは、そのまま帰路に着くのであった。
「ただいま~」
「あ、おかえり!大丈夫だった?」
「うんっ、全然問題なかったよぉ」
『本日休業』の看板が下げられいつもより静かなマヨイガに戻ると、真っ先にシルビオが出迎えてくれた。
表情は明るいが、その笑顔がどこか乾いているように見えるのは気のせいだろうか。
素直な子供たちと接していたからか、シルビオのいつもより元気のない対応が何かを含んでいるように見えて仕方ない。
気にはなりつつも、ヴォルガもリーリエの後に続いて声をかけた。
「戻った。昨日は平気だったか?」
すると、シルビオはびくっと震え、一瞬視線を彷徨わせた。
違和感を覚えて見つめようとした頃には、いつも通りに振る舞っていたが。
「あ、う、うん……大丈夫。忙しかったけど、何とか回せたよ」
「……そうか」
…いつもより表情がぎこちないことに、彼は気付いているだろうか。
何がそうさせるのかは分からない。
でも、薄ら感じることがあった。
その原因は、自分なんじゃないだろうか、って。
シルビオの平穏な日常を─今日味わったあの平安を─自分が壊してしまっていたとしたら。
命の恩人である彼に仇を返しているだけだったら。
そんなの、あまりにも酷じゃないか。
そう思うと、何だか怖くなった。
「本当に、大丈夫なんだよな?」
「……っ」
思わず尋ねていた。
シルビオは激しく視線を揺らし、珍しく怒ったような低い声で返してきた。
「平気だよ!ヴォルガがいなくたって、俺は……」
「……」
その言葉に、ズキッと心に痛みが走った。
…本当は、嫌だったんじゃないだろうか。
『烙印』を持っているような人間が、当たり前のように表の世界に出ようとしていることが。
シルビオが優しいのは分かっている。
でも、それが彼の本心だとは限らない。
自分を監視して、閉じ込めておくための演技なのかもしれない。
普段だったら、こんなことは絶対に思っていなかっただろう。
でも、今のヴォルガは少なからず疲れていて。
シルビオのこともずっと心配していて。
それなのに自分を否定されてしまったから、負の方向に感情が引きずられてしまった。
「……悪かった」
「…………ぁ、ち、違……そんなこと、言いたかったんじゃなくて……」
小さく謝罪を零すと、彼はさっと青ざめて縋るように手を伸ばしてくる。
ヴォルガは動かなかった。
でも、それがヴォルガの指に触れる前に、彼は震えながらその手を引っ込めてしまった。
「……疲れたから、少し休む」
「ぁ…………う、うん……」
彼に背を向けて部屋へと向かう。
シルビオは動揺していたが、追いかけてはこなかった。
ヴォルガは振り向くことなく自分とシルビオの部屋まで向かい、ベッドではなくソファーにどさりと身体を横たえた。
気分は悪い。
でも、疲れていた。
徐々に瞼が落ちていき、ヴォルガはそのまま眠りに落ちた。
「…………」
シルビオは、呆然と立ち尽くしていた。
自分があまりに不安定で、怖くなった。
ぐるぐると渦巻く感情が、自分のものだと理解できなかった。
割り切って受け入れるには、彼はまだ幼すぎた。
「シルビオ……?」
ユーガがいるキッチンに顔を出していたリーリエが、ただ立っているシルビオの姿を認めて不安げに呼びかけてくる。
シルビオはゆっくりと振り向き、不格好な笑みを浮かべる。
「大丈夫。大丈夫だよ、リーちゃん」
リーリエは痛ましげにシルビオを見つめた。
「……シルビオも、疲れてるんだよね。今日はもう休も?ホットミルク作ってあげるよ」
「うん、ありがと」
シルビオは、ずっと笑顔のままだった。
貼り付けた笑顔の仮面の裏側は、結局誰にも見せることはなかった。
意識が浮上した。
ヴォルガはゆっくりと目を開き、すっかり暗くなった部屋の中を見渡す。
窓の外は真っ暗で、月明かりも見えない。
そして…
「……」
縋り付くように手を握り、ソファーに上半身を預けて眠るシルビオがいた。
寒いだろうに、毛布を被ることもなく、ヴォルガの邪魔をしないようにと触れているのは冷たい掌だけだった。
「シルビオ……」
小さく声を掛けて揺すってみたが、彼は起きなかった。
そういえば、一度眠ってから朝になるまで、彼が起きているのを見たことがない。
いつも寝起きも悪いし、眠りが深いのだろうか。
それはそれとして、子供のように小さくなったその姿を見て、一気に頭が冷えた。
彼を突き放すような行動をしてしまったことに、今更ながら罪悪感を覚える。
「……ごめん」
囁くように呟いて、ヴォルガは自分の毛布をシルビオに掛けてやった。
それと同時に、ぐぅと低い音が腹から響く。
…そういえば、夕食も取らずに寝ていたのだった。
すっかり夜になっているが、軽く何か胃に入れておきたい。
まだ、ユーガは起きているだろうか。
シルビオの頭を少しだけ撫でてから、ヴォルガは階下へ降りることにした。
眠れているなら、問題ないだろうと。
シルビオの傍から離れた。
「ユーガ」
「ん?……あ、起きたのか」
階段を下ると、カウンターで本を読んでいるユーガを見つけた。
明かりはついていなかったが、カウンターの上に無造作に置かれたカンテラの火だけが揺らめいていた。
ヴォルガと目が合うと、小さく笑う。
「腹減ったんだろ。何か作るよ」
「あ……わ、悪い」
「気にするな。まだ治ってないんだから、ちゃんと食え。余り物だけどな」
ユーガはすぐに本を閉じてキッチンに向かう。
何となく手持ち無沙汰で、ヴォルガはその後を追うことにした。
キッチンで食材を吟味し始めたユーガは、ヴォルガに穏やかな口調で話しかけてくる。
「シルビオと仲直りはできたか?」
「……ん」
ちょっと気まずくなって目を逸らす。
ユーガは苦笑気味に続けた。
「悪いな、面倒見させて。俺じゃだめなんだよ。お前じゃないと、シルビオは変われないから」
「……?」
不思議な台詞だった。
いまいち要領をつかめず眉を顰めるヴォルガに、ユーガは気にするなと言いたげに手を振った。
「分からなくていいよ。お前は好きに過ごせばいい。…まぁでも、今日のシルビオは放っておけないな。ついでに話聞くか……あいつも呼んできてくれないか?」
慣れた手つきで肉を包丁で叩きながらそう言うユーガに、ヴォルガは目を瞬かせる。
「あ、いや……シルビオ、今は寝てる。俺もさっき起きたばかりで、まだ話せていないんだ」
ふと、手が止まった。
ユーガは困惑した顔でヴォルガを見る。
「……寝てんのか?」
「あ、ああ……無理な姿勢で寝ていたから、起こそうとも思ったんだが、起きそうになくて……」
だから、仲直りというなら、まだできていない。
しどろもどろにそう言うと、ユーガは溜め息をつき、ぼそりと呟いた。
「あいつ……話してなかったのか」
「え?」
何を、と聞こうとした。
次の瞬間だった。
上階から、とてつもない爆発音と、彼の慟哭が聞こえてきたのは。
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