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6.唯一の対抗策
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「ジェーン・アンテノール、お前とのこ「殿下、私との婚約を今すぐこの場にて破棄して下さいませ!」
「………えっ?」
婚約破棄まであと5秒しか残っていないという絶対的不利な状況下でジェーンにできる唯一の対抗策は「ウィリアムよりも先手を打つ」、これしかなかった。
「い、一貴族の分際で殿下に失礼だ!不敬にも程があるぞ!ジェーン殿!」
婚約破棄を告げる言葉を遮られてしまったことで呆気に取られて何も言えないウィリアムよりも先に口を開いたのは近待の1人であるロバートだった。
「私めが不敬?果たして本当にそうでございましょうか?」
「…何だと?」
「私、ジェーン・アンテノールは王妃として相応しくない人間でございます。ですので、婚約を辞退したいと申し出たまで。何か不都合でも?」
『王妃として相応しくない』
その一言にウィリアムははっとする。
そうだ、愛するリアをいじめていたこの憎らしいジェーンを皆の前で貶めて断罪してやらねばと。
だが、それこそがジェーンの罠だった。
「あぁ、そうだ。お前は王妃の器ではない。ここにいるリア・グラマシーへの嫌がらせの数々を身に覚えがないとは言わせまい!」
「僕はジェーン様にたくさん酷い言葉を浴びせられました」
「………えっ?」
婚約破棄まであと5秒しか残っていないという絶対的不利な状況下でジェーンにできる唯一の対抗策は「ウィリアムよりも先手を打つ」、これしかなかった。
「い、一貴族の分際で殿下に失礼だ!不敬にも程があるぞ!ジェーン殿!」
婚約破棄を告げる言葉を遮られてしまったことで呆気に取られて何も言えないウィリアムよりも先に口を開いたのは近待の1人であるロバートだった。
「私めが不敬?果たして本当にそうでございましょうか?」
「…何だと?」
「私、ジェーン・アンテノールは王妃として相応しくない人間でございます。ですので、婚約を辞退したいと申し出たまで。何か不都合でも?」
『王妃として相応しくない』
その一言にウィリアムははっとする。
そうだ、愛するリアをいじめていたこの憎らしいジェーンを皆の前で貶めて断罪してやらねばと。
だが、それこそがジェーンの罠だった。
「あぁ、そうだ。お前は王妃の器ではない。ここにいるリア・グラマシーへの嫌がらせの数々を身に覚えがないとは言わせまい!」
「僕はジェーン様にたくさん酷い言葉を浴びせられました」
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