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愛しているのはお前だけ。
真実【後編】※須王視点
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それからは退院した新を引き取り、俺の家に呼んだ。
初めて一緒に過ごす時間に幸福を感じていたが、少しの恐怖感もあった。
冴島の存在だ。
何かのきっかけで思い出してしまうかもしれない。
俺は賭けをすることにした。
冴島と新がペアリングを作っていたことは知っていた。
だからそれを利用することにした。
同じ物を作成して、新に見せる。
それで記憶を取り戻したら、しょうがないから新は冴島に返してやろう。
これは今まで俺の恋路を邪魔してきた冴島が本当に新に愛されるべき存在であるのか確かめてやりたかったからだ。
だけど、新はあいつのことを思い出せなかった。
俺はようやくあの男に勝つことができた。
その夜は歓喜に打ち震えて、興奮のために寝つけなかった。
2度目の監禁事件を経て、新は俺を信じ、愛するようになった。
気がかりだった冴島についても最初の2年間は警察に連絡して、新を探し回った。
しかし、冴島が伝えられた場所は新の思い違いで、実際の監禁場所とは都道府県すら全く異なっていた。
警察に探してもらっても、見つかるはずがないのだ。
諦めた冴島はつい最近、傷心を慰めてくれた同僚の女性と結婚したそうだ。
結局奴の愛情はその程度のもので、やっぱり俺には敵わなかったということだろう。
今思い出しても、あいつのことはずっと気に食わなかったんだ。
新のことを「お前」と慣れ慣れしく呼びやがって。
これで新の帰るはずだった『冴島の恋人』という場所はもうなくなった。
その分、俺が大切に愛してあげるから。
そして、それは必ず遂げられるだろう。
新はこのまま冴島との記憶を取り戻すことはない。
そんな絶対的な予感がした。
青葉新。
やっと手に入れた最愛の人。
俺が愛するのは君だけ。
END
※ちょっとした後書き※
須王は「君」、冴島は「お前」と新への呼びかけが異なるので書き分けています。
なので、実は1話と2話以降では新への呼びかけが変わっているんです。
気付いてもらえてたら嬉しいです。
初めて一緒に過ごす時間に幸福を感じていたが、少しの恐怖感もあった。
冴島の存在だ。
何かのきっかけで思い出してしまうかもしれない。
俺は賭けをすることにした。
冴島と新がペアリングを作っていたことは知っていた。
だからそれを利用することにした。
同じ物を作成して、新に見せる。
それで記憶を取り戻したら、しょうがないから新は冴島に返してやろう。
これは今まで俺の恋路を邪魔してきた冴島が本当に新に愛されるべき存在であるのか確かめてやりたかったからだ。
だけど、新はあいつのことを思い出せなかった。
俺はようやくあの男に勝つことができた。
その夜は歓喜に打ち震えて、興奮のために寝つけなかった。
2度目の監禁事件を経て、新は俺を信じ、愛するようになった。
気がかりだった冴島についても最初の2年間は警察に連絡して、新を探し回った。
しかし、冴島が伝えられた場所は新の思い違いで、実際の監禁場所とは都道府県すら全く異なっていた。
警察に探してもらっても、見つかるはずがないのだ。
諦めた冴島はつい最近、傷心を慰めてくれた同僚の女性と結婚したそうだ。
結局奴の愛情はその程度のもので、やっぱり俺には敵わなかったということだろう。
今思い出しても、あいつのことはずっと気に食わなかったんだ。
新のことを「お前」と慣れ慣れしく呼びやがって。
これで新の帰るはずだった『冴島の恋人』という場所はもうなくなった。
その分、俺が大切に愛してあげるから。
そして、それは必ず遂げられるだろう。
新はこのまま冴島との記憶を取り戻すことはない。
そんな絶対的な予感がした。
青葉新。
やっと手に入れた最愛の人。
俺が愛するのは君だけ。
END
※ちょっとした後書き※
須王は「君」、冴島は「お前」と新への呼びかけが異なるので書き分けています。
なので、実は1話と2話以降では新への呼びかけが変わっているんです。
気付いてもらえてたら嬉しいです。
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