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75.一緒に暮らせばいい

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というようにキースの政策に詳しい俺だが、冷遇王妃に国王本人が話してくれるはずもないので、情報源は新聞やゴシップ紙だ。
俺は改めて夫婦の会話の少なさを自覚する。

夫婦関係を修復すると決めたけど、俺たちはたぶんお互いのことを知らなさすぎる。

「一緒にいる時間が長かったら、こんなにすれ違うこともなかったのに」

不安と後悔に苛まれて弱気になったせいで、ついポロッと本音が零れ出てしまう。
ハッと我に返って、キースを見上げると、彼はきょとんとした顔をしていた。

「だったらこれからは一緒に暮らせばいい」
「は?」
「俺と暮らすのはやっぱり嫌か?」

突然の同居宣言に驚きのあまり、言葉も出せずに固まっていると、キースは否定と受け取ったらしく、不安げに俺の顔を覗き込んできた。

「俺が嫌がっているとかそういう話じゃなくて、お前が俺を本棟から追いやったんだろ?それにそんな大事なことを今この場で簡単に決めていいのかよ。引っ越しとかそういうのも必要になるだろ」
「あぁ。城の本棟はもうすぐ安全になる予定だからな。大丈夫だ」

おいおい、俺たちの話は噛み合っているのか?

いや、それよりもその言い方だと今は城の本棟が危険であるかのように聞こえて、怖いんだけど。
もしかしてキースの過剰なまでの毒味と関係しているのか?
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