俺のこと、冷遇してるんだから離婚してくれますよね?〜王妃は国王の隠れた溺愛に気付いてない〜

明太子

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51.王は誠意を見せたい

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…うん、やっぱり無理だ。
今のキースとは考えられない。
俺を求めてくるのは純粋な愛情ではなく、単なる欲求不満の可能性だってある。
一時的な関係ならば必要ないのだ。

「ダメ。そういうの嫌だ。流されるみたいなの。俺は自分自身がキスしたいってちゃんと心から思える相手としかしたくない」
「さっきはキスしただろ?」
「あれは違う。不可抗力。ここから先は許可が必要です」
「よく分からない理屈だが…、じゃあ俺とはしたくないのか。…俺のことは嫌いか?」
「嫌い…、ではない。けど、ちゃんと誠意は見せてほしい」
「誠意か…。例えばどんな?具体的に説明してくれ」

例えば!?どんな!?具体的に!?
おいおい、まさか聞き返してくるとは思ってもみなかったぞ…。

普通は自分で考えるよな、こういうのって。
浮気した側の人間のくせに受け身ってどうなの?

呆れ顔の俺にキースは一点の曇りのない眼で話を続けた。

「実践したいんだ。1分でも1秒でも早く、お前に好きになってもらえるように」
「へぁっ!?」
「もう間違いは起こさない」
「ほ、本気で言ってんの!?」
「当たり前だ。俺はお前との結婚生活をやり直したい」

ずっと欲しかった言葉。
だけど今はもう欲しくない言葉。

断れ、断れと何度もリフレインしている。
それなのに。
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