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40.王妃は隣国の王に誘われる
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「迷いのある結婚はいずれ後悔の元になりますよ。リリオ王はもちろん、お相手にとっても」
リリオ王に向けて放った言葉だったけれども、これは俺とキースにも跳ね返ってくる。
本当は結婚を後悔したのは俺たちなのだから。
それでお互いに離婚を決意した。
だが、昨晩キースは俺にやり直したいと言った。
俺の両親と会って、不倫していることに罪悪感を抱いたのか?
それともまさか出発前にモネと別れたのか?
ただ理由はどうであれ、今更もう遅いのだ。
「やっぱり既婚者の助言は重みが違うね。…うん、肝に命じておくよ。ありがとう」
「いえ、お礼を言われるほどではありませんので」
「ううん、すごい大事だよ。俺はそれを忘れかけていたから。ねぇ、もし良かったら今夜晩餐会の後に俺の部屋に来てよ。酒でも飲みながら、オメガ同士語り合おうよ」
「えっ…。本当ですかっ!ぜひ!」
「やった!楽しみにしているね!」
笑顔で応えたリリオ王はそう言うと、俺から離れてキースの元へと駆け寄っていった。
そして2人はシャルドナ王国の建築技術について話し始める。
リリオ王があえて関税の話題を避けているのは明らかだった。
そしてキースもそれを分かっているからこそ、迂闊に口を出せないでいる。
膠着したこの状況下でのリリオ王からのお誘いはまたとない機会だ!
これをきっかけに俺が関税引き上げ阻止の突破口になってみせる!
リリオ王に向けて放った言葉だったけれども、これは俺とキースにも跳ね返ってくる。
本当は結婚を後悔したのは俺たちなのだから。
それでお互いに離婚を決意した。
だが、昨晩キースは俺にやり直したいと言った。
俺の両親と会って、不倫していることに罪悪感を抱いたのか?
それともまさか出発前にモネと別れたのか?
ただ理由はどうであれ、今更もう遅いのだ。
「やっぱり既婚者の助言は重みが違うね。…うん、肝に命じておくよ。ありがとう」
「いえ、お礼を言われるほどではありませんので」
「ううん、すごい大事だよ。俺はそれを忘れかけていたから。ねぇ、もし良かったら今夜晩餐会の後に俺の部屋に来てよ。酒でも飲みながら、オメガ同士語り合おうよ」
「えっ…。本当ですかっ!ぜひ!」
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そして2人はシャルドナ王国の建築技術について話し始める。
リリオ王があえて関税の話題を避けているのは明らかだった。
そしてキースもそれを分かっているからこそ、迂闊に口を出せないでいる。
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