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37.王妃は『やり直したい』と言われる

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子供じみた小さな復讐だろうと、きっとキースにとっては取るに足らないものだ。
何だかもう自分の行動が馬鹿馬鹿しくなってきた。
寝返りを打って、この指先から早く逃れよう。

「俺が選択を誤らなければ、お前との仲がこんな風にはならなかったのだろうか…」

キースは暗く沈んだ声音でポロリと漏らした。

選択…?
あぁ、王妃選考のことか。
自分の出したおかしな課題で俺を選んでしまったのを後悔しているんだな。
つーか、俺が寝ている(フリだけど!)時にいちいち口に出さなくてもいいだろっ!

キースの無神経さへの怒りから眉間に皺が寄りそうになるのをどうにか堪える。
けれども、内心腸が煮えくりかえる思いだ。

はぁ…、後悔しているのは俺も同じだっつーの!
本当にこいつの何が良かったんだろう?

まぁ、でも昔はここまで腐った人間性じゃなかったはず…。
いっそここで曲がりきった性根を叩き直してやろうかとブチギレそうになった瞬間、俺はキースの一言でフリーズしてしまう。

「エスメラルダと夫婦としてやり直したいが…。欲深いよな…」

は?今何て言った?
俺とやり直す?

俺がその言葉の意味を考え尽くしている間にキースはベッドの片隅で縮まって就床した。
思惑通りになったはずなのに、俺の方が寝つけなくなってしまった。
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