俺のこと、冷遇してるんだから離婚してくれますよね?〜王妃は国王の隠れた溺愛に気付いてない〜

明太子

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33.王妃は王に懇願する

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明日の日程について軽く話した後、すぐにリリオ王は部屋を出ていく。

2人きりになった煌びやかな部屋の中で俺の気持ちはどんどんと沈んでいく。
キースとの離婚を有利にするためには何としてもこの外交を成功させなければならないのに。

策を練るものの、何一つ思い浮かばない。
初日にして、早くも暗雲が立ち籠めている。

なのに、よりによってキースは寝る直前でそれに拍車をかけようとしてきた。

「明日はお前は来なくていいぞ」
「え?」
「交渉は俺1人で充分だ。だからお前は部屋にいろ」

キースの言葉に俺は硬直する。
ちょっと待ってくれ、何言ってんだコイツは。

「…困る」
「こ、困るだと?なぜだ?王妃としての負担を減らしてやると言ってるんだぞ?」
「別にそんなの頼んでないし!俺はここで功績を上げないといけないんだよっ!」

俺は藁にも縋りつく思いでキースの手をぎゅっと握って、懇願した。
すると、キースは大変驚いたようで、狼狽えた表情を見せた。 

「なっ!」
「明日は絶対俺もついていくからな!」
「わ、分かった…。だから早く離れろ…」
「う、うん」

手を離すと、キースは眉を顰め、難しい顔をしていた。

う、うわぁ…。
今度こそマジで怒ってる…。
好きでもない奴に触られて、そりゃあいい気しねぇもんな…。
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