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92.シャロル・マルグリッドという男
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満開の桜の下で、ユージーン王太子の即位式の日を迎えた。
彼が国王となるのに伴い、トーニャは大公となる。
つまり俺自身も王子妃から公妃という扱いになるのだ。
まぁ、実質的にはあんまり変わらないのだけれども。
正装に身を包んだ俺たちは別棟から会場の大広間へ一緒に向かう。
すると、別棟と本棟を繋ぐ通路に見知らぬ男性が立っていた。
その男性を見つけたトーニャは親しげに話しかける。
「久しぶりだな、シャロル!」
「トーニャ!元気そうで何よりだよ!あっ…、もしかしてこちらが奥さん?」
「あぁ、そうだ」
シャロルと呼ばれた彼は俺の方を向くと、人懐っこい糸目で微笑む。
「初めまして、グランティエ王国第一王子のシャロル・マルグリッドと申します。以後お見知りおきを」
「氷雪真白です。…あれ?グランティエ王国の王子様ってことはユージーン王太子のご兄弟にあたるんじゃ…」
「ふふっ、そうです。ユージーン・ヴァーニールは僕の異父兄。まぁ僕は男のオメガなので、兄のように王位継承権はないんですけど。それでもその縁で同い年のトーニャとは仲良くさせてもらってるんですよ。トーニャ、良かったね。こんなに可愛らしい奥さんと結婚できて。羨ましいなぁ」
「お前、手ぇ出すなよ」
「ふふっ、分かってるくせに。じゃあ、あのことよろしく頼むよ」
「あぁ」
彼が国王となるのに伴い、トーニャは大公となる。
つまり俺自身も王子妃から公妃という扱いになるのだ。
まぁ、実質的にはあんまり変わらないのだけれども。
正装に身を包んだ俺たちは別棟から会場の大広間へ一緒に向かう。
すると、別棟と本棟を繋ぐ通路に見知らぬ男性が立っていた。
その男性を見つけたトーニャは親しげに話しかける。
「久しぶりだな、シャロル!」
「トーニャ!元気そうで何よりだよ!あっ…、もしかしてこちらが奥さん?」
「あぁ、そうだ」
シャロルと呼ばれた彼は俺の方を向くと、人懐っこい糸目で微笑む。
「初めまして、グランティエ王国第一王子のシャロル・マルグリッドと申します。以後お見知りおきを」
「氷雪真白です。…あれ?グランティエ王国の王子様ってことはユージーン王太子のご兄弟にあたるんじゃ…」
「ふふっ、そうです。ユージーン・ヴァーニールは僕の異父兄。まぁ僕は男のオメガなので、兄のように王位継承権はないんですけど。それでもその縁で同い年のトーニャとは仲良くさせてもらってるんですよ。トーニャ、良かったね。こんなに可愛らしい奥さんと結婚できて。羨ましいなぁ」
「お前、手ぇ出すなよ」
「ふふっ、分かってるくせに。じゃあ、あのことよろしく頼むよ」
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