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76.心待ちにしたデート!(*)

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「トーニャ!おーい、起きろー!」
「………すぅ」

隣ですやすやと眠っている裸のトーニャに声をかけるものの、全く返事がない。
返ってくるのはあどけない寝息だけである。

前回の非番の時に約束したやり直しデートを控えた昨晩、俺に2度目のヒートが訪れた。
俺たちは朝を迎えるまでベッドで睦み合った。
そして仮眠にも近い4、5時間の浅い眠りもそこそこに重い瞼をこじ開けた。

「トーニャさーん、とっくにお日様上ってますよー」
「………すぅ」

トーニャとは一応片手で数えられる回数は少々超えるくらいには体を重ねている。
そのお陰で彼の、いや、アルファのフェロモンに耐性を得たのか、昨夜は初めてのヒートとは違って意識を飛ばすことはなかった。

だが、鈍い腰の痛みや寝不足は治まるものではない。
トーニャとの情事で過ぎるほどの快楽と愛情をいくら注がれようと、それとこれはまた別の話なのだ。

それでも甘い疲れが残っている自分の体に鞭を打ってまで、この男までも起こすのは至極簡単な理由だ。

ずっとトーニャとのデートを心待ちにしていたからだ。

「今日は一緒にデートするんじゃないですかぁー?」
「うーん、真白?」

夢うつつとしながらも俺の存在を感知したトーニャはそのまま胸元に抱きついてきた。
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