【完結】社畜が異世界転移しましたが、第2王子の妃になったので、この度のんびり暮らしたいと思います。

70．実践されそうになっています。

「なっ!?」
「でも…、今から実践するのも良いかもな」
「あっ…」

トーニャは舌舐めずりすると、俺の着ているブラウスのボタンを1つ、2つと外していく。
その官能的な仕草に俺は目を離せない、阻めない。

この後の展開に期待する自分が確かにいる。
さっきは拒めたけど、2度目はもう無理…。
このまま流されちゃう…。

そう思った時だった。
扉をドンドンと叩く音が聞こえた。

すんでのどころで理性を取り戻した俺は右手で素早くボタンを留めて、左手でむぎゅっとトーニャの顔を制す。
俺の手をどけたトーニャは思わぬ邪魔に対して、不機嫌さを隠すことなくドアを開けに向かった。
そこに立っていたのはトーニャの部下であるギルだった。

「何だ、お前か」
「真白様のお部屋にいらっしゃると伺ったもので。例の調査が終わりましたので、早速ご報告に参りました」
「だったらここではなく、場所を移すか。そうだな、俺の私室にしよう」
「かしこまりました」

移動する2人を傍目に非番なのに仕事の話なんてまだ忙しいのかなと暢気に思っていたら、トーニャが戻ってきて俺の腕を掴む。

「何だ!?どうしたんだ?」
「お前も来い」
「えっ?軍の話に俺を連れてっちゃおかしいだろ！公私混同だぞ！」