76 / 110
69.我慢すればするほど
しおりを挟む
「…んんっ、あれ?」
横になってトーニャの寝顔を眺めているうちに、いつしか俺まで眠ってしまったと気付く。
トーニャは相当お疲れだったらしく、未だ夢の中だ。
正直、俺も本当はトーニャに触れたかった。
ご無沙汰なのは同じなのだから。
でも、疲労困憊のトーニャに無理させるのは嫌だった。
なのに厄介なもので我慢すればするほど、『触れたい』という欲は高まっていく。
ダメだと頭では理解しているのに、俺は思わずトーニャの頬に触れてしまった。
すると、彼は起きたようで、もぞもぞと動き出す。
「…あぁ。真白、悪い。寝ちまってた」
「ううん、こっちこそ。起こしちゃってごめん。大丈夫?もうちょっと寝てれば?」
俺は邪な心を抱いたやましさから距離を取ろうとした。
だが、トーニャは首を横に振ると、腕を伸ばして俺を抱きしめた。
先程まで眠りについていた体は温かく、心地良さを感じる。
「夢にな、お前が出てきたよ」
「どんな夢見てたんだよ?あっ!まさか…、夢の中の俺にエロいことしてないだろうな!」
口ではそう言いつつも、エロいこと考えてたのは俺の方だろと心の中で自分にツッコむ。
トーニャはそんな俺を見透かしているのか、やけに緩慢な動作で耳元に顔を寄せて、内緒、とだけ囁いた。
横になってトーニャの寝顔を眺めているうちに、いつしか俺まで眠ってしまったと気付く。
トーニャは相当お疲れだったらしく、未だ夢の中だ。
正直、俺も本当はトーニャに触れたかった。
ご無沙汰なのは同じなのだから。
でも、疲労困憊のトーニャに無理させるのは嫌だった。
なのに厄介なもので我慢すればするほど、『触れたい』という欲は高まっていく。
ダメだと頭では理解しているのに、俺は思わずトーニャの頬に触れてしまった。
すると、彼は起きたようで、もぞもぞと動き出す。
「…あぁ。真白、悪い。寝ちまってた」
「ううん、こっちこそ。起こしちゃってごめん。大丈夫?もうちょっと寝てれば?」
俺は邪な心を抱いたやましさから距離を取ろうとした。
だが、トーニャは首を横に振ると、腕を伸ばして俺を抱きしめた。
先程まで眠りについていた体は温かく、心地良さを感じる。
「夢にな、お前が出てきたよ」
「どんな夢見てたんだよ?あっ!まさか…、夢の中の俺にエロいことしてないだろうな!」
口ではそう言いつつも、エロいこと考えてたのは俺の方だろと心の中で自分にツッコむ。
トーニャはそんな俺を見透かしているのか、やけに緩慢な動作で耳元に顔を寄せて、内緒、とだけ囁いた。
87
お気に入りに追加
1,943
あなたにおすすめの小説
【完結】別れ……ますよね?
325号室の住人
BL
☆全3話、完結済
僕の恋人は、テレビドラマに数多く出演する俳優を生業としている。
ある朝、テレビから流れてきたニュースに、僕は恋人との別れを決意した。
異世界転生先でアホのふりしてたら執着された俺の話
深山恐竜
BL
俺はよくあるBL魔法学園ゲームの世界に異世界転生したらしい。よりにもよって、役どころは作中最悪の悪役令息だ。何重にも張られた没落エンドフラグをへし折る日々……なんてまっぴらごめんなので、前世のスキル(引きこもり)を最大限活用して平和を勝ち取る! ……はずだったのだが、どういうわけか俺の従者が「坊ちゃんの足すべすべ~」なんて言い出して!?
普段「はい」しか言わない僕は、そばに人がいると怖いのに、元マスターが迫ってきて弄ばれている
迷路を跳ぶ狐
BL
全105話*六月十一日に完結する予定です。
読んでいただき、エールやお気に入り、しおりなど、ありがとうございました(*≧∀≦*)
魔法の名手が生み出した失敗作と言われていた僕の処分は、ある日突然決まった。これから捨てられる城に置き去りにされるらしい。
ずっと前から廃棄処分は決まっていたし、殺されるかと思っていたのに、そうならなかったのはよかったんだけど、なぜか僕を嫌っていたはずのマスターまでその城に残っている。
それだけならよかったんだけど、ずっとついてくる。たまにちょっと怖い。
それだけならよかったんだけど、なんだか距離が近い気がする。
勘弁してほしい。
僕は、この人と話すのが、ものすごく怖いんだ。
美少年に転生したらヤンデレ婚約者が出来ました
SEKISUI
BL
ブラック企業に勤めていたOLが寝てそのまま永眠したら美少年に転生していた
見た目は勝ち組
中身は社畜
斜めな思考の持ち主
なのでもう働くのは嫌なので怠惰に生きようと思う
そんな主人公はやばい公爵令息に目を付けられて翻弄される
転生したら同性の婚約者に毛嫌いされていた俺の話
鳴海
BL
前世を思い出した俺には、驚くことに同性の婚約者がいた。
この世界では同性同士での恋愛や結婚は普通に認められていて、なんと出産だってできるという。
俺は婚約者に毛嫌いされているけれど、それは前世を思い出す前の俺の性格が最悪だったからだ。
我儘で傲慢な俺は、学園でも嫌われ者。
そんな主人公が前世を思い出したことで自分の行動を反省し、行動を改め、友達を作り、婚約者とも仲直りして愛されて幸せになるまでの話。
【完結】婚約破棄された僕はギルドのドSリーダー様に溺愛されています
八神紫音
BL
魔道士はひ弱そうだからいらない。
そういう理由で国の姫から婚約破棄されて追放された僕は、隣国のギルドの町へとたどり着く。
そこでドSなギルドリーダー様に拾われて、
ギルドのみんなに可愛いとちやほやされることに……。
幽閉王子は最強皇子に包まれる
皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。
表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる