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47.俺、トーニャのことが好き
しおりを挟む柊さんやソルをはじめとした子どもたちとの楽しい時間はあっという間に過ぎてしまって。
黄昏時になり、別れを惜しみつつ、帰路に着く。
「今日は楽しかったな!太陽祭が柊さんの発案だとは思わなかったよ!だから現代の祭りと相違なかったんだな」
「あぁ。昔は儀礼的だったのを父さんと母さんが変えたんだ」
両親の思い出があったから太陽祭に俺を連れていってくれたのかな?
それならすっごく嬉しいよな。
だけどその反面、トーニャに対して罪悪感がふつふつと湧き上がる。
「…でも、ちゃんと謝らないといけないよな。ごめん…」
「何がだ?」
「ほら…、勝手に会いに行っちゃったから…」
「別に構わない。…だけど、動機は気になるな」
動機なんてそんなもん決まってんのに、この男は敢えて俺の口から言わせようとしている。
このニヤついた顔が証拠だ。
俺の罪悪感を返しやがれ。
「ううっ…。あぁ、もうっ!ルナマリアに嫉妬したんだよっ!途中でお義母さんかもしれないって思ったけど、やっぱりハッキリさせたかったから…。やきもちだって分かってるくせに聞くなんて…。お前、性格が悪いぞ!」
「それくらいしても許されると思うがな。何せ俺はお前にプロポーズの返事を2週間も待たされているんだ。言っておくが、期限は明日だぞ」
「~っ!それこそ答えたようなもんだろっ!」
「ちゃんと真白の言葉で欲しいんだよ」
先程とは一変して、ひどく真剣な眼差しを向けられる。
俺はお前のその瞳に弱いんだよ。
たぶん初めて出会った時からずっと。
だから、覚悟しろ。
俺の素直な気持ちを伝えてやる。
「好きだよ。俺、トーニャのことが好き」
「…真白」
トーニャは俺を強く抱き寄せた。
黄昏時になり、別れを惜しみつつ、帰路に着く。
「今日は楽しかったな!太陽祭が柊さんの発案だとは思わなかったよ!だから現代の祭りと相違なかったんだな」
「あぁ。昔は儀礼的だったのを父さんと母さんが変えたんだ」
両親の思い出があったから太陽祭に俺を連れていってくれたのかな?
それならすっごく嬉しいよな。
だけどその反面、トーニャに対して罪悪感がふつふつと湧き上がる。
「…でも、ちゃんと謝らないといけないよな。ごめん…」
「何がだ?」
「ほら…、勝手に会いに行っちゃったから…」
「別に構わない。…だけど、動機は気になるな」
動機なんてそんなもん決まってんのに、この男は敢えて俺の口から言わせようとしている。
このニヤついた顔が証拠だ。
俺の罪悪感を返しやがれ。
「ううっ…。あぁ、もうっ!ルナマリアに嫉妬したんだよっ!途中でお義母さんかもしれないって思ったけど、やっぱりハッキリさせたかったから…。やきもちだって分かってるくせに聞くなんて…。お前、性格が悪いぞ!」
「それくらいしても許されると思うがな。何せ俺はお前にプロポーズの返事を2週間も待たされているんだ。言っておくが、期限は明日だぞ」
「~っ!それこそ答えたようなもんだろっ!」
「ちゃんと真白の言葉で欲しいんだよ」
先程とは一変して、ひどく真剣な眼差しを向けられる。
俺はお前のその瞳に弱いんだよ。
たぶん初めて出会った時からずっと。
だから、覚悟しろ。
俺の素直な気持ちを伝えてやる。
「好きだよ。俺、トーニャのことが好き」
「…真白」
トーニャは俺を強く抱き寄せた。
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