【完結】社畜が異世界転移しましたが、第2王子の妃になったので、この度のんびり暮らしたいと思います。

18．働く理由を問われて

「真白、大丈夫か！」
「トーニャ…」

トーニャは一目散にベッドの側に駆け寄り、今までに見たことのない不安そうな顔をしていた。

「では、私たちはこれで失礼しますわね。真白様、よくお休みになってくださいね！」

トーニャのただならぬ様子に驚いたサファイアさんとクオーツさんは空気を読んだのか、俺たちに一礼すると、すぐさま退室した。

「それで体調は大丈夫なのか?」
「うん、過労だって。休めば、すぐ良くなるよ」
「働き過ぎだ」
「だよなぁ…、ははは」

言い返す言葉なんてもちろんないので、俺は苦笑いで誤魔化す。
だが、トーニャの沈んだ顔色はまだ晴れることはなかった。

「ずっと疑問に思っていたんだ。お前、何でそんなに働くんだ？ここは真白が住んでいた世界とは違う。その上、王子妃になった今、そこまでする必要はないだろう」
「うん…」

働く理由か…。
答えに困った俺は真剣なトーニャの問いに沈黙しか返せない。
そんな俺の姿はトーニャの顔を歪ませる。

「いや、違うな。俺が悪いんだ」