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24.眠る本能が起こされる

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ソニアが目を覚ますと、自分の部屋のベッドにいた。
ふと傍らを見ると、ヴォルフが椅子に凭れて眠っていた。

「…おい」
「んぁっ?あぁ、ソニアちゃん。おはよう」

何食わぬ顔をして、へらりと微笑むヴォルフにソニアはイラッとした。
勢い良く起き上がると、ヴォルフに掴みかかる。

「誰のせいで倒れたと思ってんだ、この野郎!毒薬なんか作りやがってよぉっ!」
「毒薬?何のこと?」
「とぼけんなっ!くらくらするような匂いしてただろーが!実際あれのせいで気失ってんだぞっ!あんなもん毒薬以外に考えられねぇ!」
「…やっぱりソニアちゃん、オメガなんだね」
「…っ!今それは、か、関係ないだろっ!」
「大ありだよ。だってソニアちゃんが嗅いだのは俺の、アルファのフェロモンだから」
「…えっ」

真っ直ぐと見つめてくるヴォルフの瞳はいつになく真剣なものだった。
だからこそ、ソニアは狼狽えてしまう。

「た、確かに俺はオメガだけど…。で、でも、普段から俺はアルファのフェロモンなんて感じねぇ…。だからっ」
「だから、オメガとしての本能に欠けているって?」
「…そうだ」
「残念ながら、俺はその辺のアルファとは違うんだよ。君の眠った本能すら目覚めさせてしまうほどにはね」

そう言ったヴォルフはいつもと雰囲気が違っているようで、ソニアには恐ろしかった。
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