運命の番じゃないあなたを愛している

明太子

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17.夜のお誘い?

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ヴォルフヒルデとベリルの食事作り、ベリルの遊び相手、掃除、洗濯など。
夜を迎えるまで、ソニアは「お手伝いさん」として懸命に働いた。

その間にもヴォルフヒルデを監視していたが、彼は仕事のためにほとんど部屋に籠もりきりだった。
この日サヴィル邸を訪ねてくる者は誰もおらず、怪しい人影もなかった。
ソニアの初日は実質ベリルのお守りのみで終わった。

ベリルの寝かしつけを済ませると、ソニアはヴォルフヒルデの部屋を訪ねた。
眠りにつく前に護衛対象の様子を確認するためだ。
床には大量の本や書類が散乱していたので、奥の椅子に座るヴォルフヒルデにソニアは中に入ることなく入口から話しかける。

「ベリルはもう寝たけど、あんたはまだ寝ないのか?」
「…それは夜のお誘い?案外積極的なんだね。でも、ごめんね。今日はまだ仕事が残ってるんだよ」
「んな訳ねぇだろ。気色悪りぃ勘違いすんなよ」
「あらら、フラれちゃったね」

ふざけたように笑うヴォルフヒルデに呆れて、ソニアは彼から視線を外す。
すると、代わりに書類に記された植物や金属の名前と数式が目に入る。

「俺、薬師なんだ。調合に研究、最近は新薬の開発もやってる。聞いてなかった?」
「あぁ。あんたのことは何も知らねぇよ」
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