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7.形勢逆転

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「嘘だろう?」
「こんな場ですぐバレるような嘘つくバカいます?それよりも先程の発言の方がセクハラに該当するのではありませんか?」
「……今の無かったことにしてくれないか?頼む……」
「無理ですね」

立場が逆転したソニアはにやりと笑った。
だが、怯える委員達の中で唯一フウの態度は違っていた。

「ほぅ…?では君に運命の番がいることはどう説明するつもりだね?ヒートが来ていないオメガにはあり得ないだろう?」

(…運命の番の存在は軍内では軍医にしか話していない。ヒートが来ていないことを知らないのに、運命の番の存在を知っているということは軍医が漏らした訳ではないのだろう。だったら別の人間から聞いたのか…?まぁ、どちらにしろそれは証拠にはなんねぇよ、バーカ!)

「それがそうでもないんですよねー。彼とは10才の頃に出会いまして。互いのフェロモンに作用し、運命の番だと分かりました。ですが、申し上げた通り、ヒートはありませんでした。…なぜだと思います?」

ソニアはその美しい顔に微笑みを称え、フウに問いかけた。

「そんなこと…、私が知るわけないだろっ…!」

フウは自分の予想と反した流れになっていると気付く。
そして、それがソニアに有利な展開であることも。

「体が幼く、オメガとして未発達だったんです。だから、ヒートの代わりに1週間高熱にうなされました。そのせいでフェロモン機能が不完全になり、それからヒートが来たことは1度もありません。このことについても軍医には報告済みです。…あれぇ?おかしいですね?セクハラ被害の申告とは矛盾していますよ?」
「………くそっ、メイリンめっ!」

苦虫を潰した顔で、フウは吐き捨てるように言った。
かなりの小声ではあったが、ソニアには充分聞き取ることができた。
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