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3.運命の番
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ソニアの住む世界には男女の性別のほかに、第2の性としてアルファ・ベータ・オメガというものがある。
王族と一部の貴族が持つアルファという性はベータ・オメガよりも遥かに優れた身体的・知的能力を有している。
何より並外れているのは魔法が使えることだ。
しかしながら、アルファ性として生まれるものは希少であり、その人口は1%にも満たない。
次に、この世界の99%以上を占めるベータは性質的に男女の性別に対して影響を及ぼさない。
最後にオメガ。
能力的にはベータと同様に、特筆すべき点は無い。
ただ、3ヶ月に1度訪れるヒート(発情)によって、男女問わずに妊娠可能となる身体的性質を持っている。
ヒートを起こしたオメガのフェロモンに惹きつけられたアルファがセックスの時に首筋に噛みつくことで、そのアルファとオメガは"番"になる。
そうすると、オメガは自身の番の子供だけを確実に孕むために、番以外の者を受け付けない体へ作り変わって、フェロモンも番にしか効かなくなる。
しかし、厄介なのもこのヒートだ。
期間中ずっとアルファやベータを誘うフェロモンを出しながら発情するので、番のいないオメガは日常生活を送るのも難しい上に身の危険も多い。
そのため、独身のオメガたちは首筋にバリア魔法をかけてもらうことで、決して噛まれないように自衛しているのだ。
そしてその魔法はある例外を除いて本人が番契約に合意した時のみ解除される仕組みとなっている。
つまり、オメガにとって番になれるのは生涯たった1人のアルファのみ。
対して、アルファは何人ものオメガを番として囲うことができる。
その中でも、運命の番は特別な存在だ。
ヒートに関係なく、本能的に互いのフェロモンに惹きつけられる唯一無二の相手。
オメガのソニアとアルファのレイモンドはそんな選ばれた2人である。
はずだったのに。
王族と一部の貴族が持つアルファという性はベータ・オメガよりも遥かに優れた身体的・知的能力を有している。
何より並外れているのは魔法が使えることだ。
しかしながら、アルファ性として生まれるものは希少であり、その人口は1%にも満たない。
次に、この世界の99%以上を占めるベータは性質的に男女の性別に対して影響を及ぼさない。
最後にオメガ。
能力的にはベータと同様に、特筆すべき点は無い。
ただ、3ヶ月に1度訪れるヒート(発情)によって、男女問わずに妊娠可能となる身体的性質を持っている。
ヒートを起こしたオメガのフェロモンに惹きつけられたアルファがセックスの時に首筋に噛みつくことで、そのアルファとオメガは"番"になる。
そうすると、オメガは自身の番の子供だけを確実に孕むために、番以外の者を受け付けない体へ作り変わって、フェロモンも番にしか効かなくなる。
しかし、厄介なのもこのヒートだ。
期間中ずっとアルファやベータを誘うフェロモンを出しながら発情するので、番のいないオメガは日常生活を送るのも難しい上に身の危険も多い。
そのため、独身のオメガたちは首筋にバリア魔法をかけてもらうことで、決して噛まれないように自衛しているのだ。
そしてその魔法はある例外を除いて本人が番契約に合意した時のみ解除される仕組みとなっている。
つまり、オメガにとって番になれるのは生涯たった1人のアルファのみ。
対して、アルファは何人ものオメガを番として囲うことができる。
その中でも、運命の番は特別な存在だ。
ヒートに関係なく、本能的に互いのフェロモンに惹きつけられる唯一無二の相手。
オメガのソニアとアルファのレイモンドはそんな選ばれた2人である。
はずだったのに。
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