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其の四 奇術師
九
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真っ白な空間だ。
安藤は辺りを見回す。上下も左右もない空間は、ひどく冷ややかで、それでいて妙な居心地の良さがあった。
ここはどこだろう。
安藤は歩き出した。
しばらく歩いて、見つけたのは瓶だ。磯っぽい空の瓶を見て、安藤は思い出す。
最近、こんな夢を見たばかりじゃないか。
安藤は慌てて、辺りを見た。散らばる瓶。見つからない炊飯器。
何かに駆られて走り出す。心臓がどきどきと鳴っていた。
ここに、あの人がきっといる。
胸に広がるのは期待感だ。
何も覚えていないはずなのに、高揚感が広がっていく。
どこだ、どこだ。
走った先で、何かが蠢いた。
安藤は、はっとなって立ち止まる。
透明な何かが、安藤を見た。透明な中にほんの少し、肌色が見えた。
目が合った瞬間、モノクロのようだった安藤の感情が鮮やかに色づく。
忘れるはずのなかった記憶が、一瞬にして胸に広がった。
「有村君!」
足をもつれさせるようにして、安藤は有村の側へ寄った。
有村は透明だったが、きょとんとした顔をして、「安藤君やん」と普段と変わらない声を出した。
「うわあ、有村君や、本物や……!」
有村に届く一歩手前で膝から崩れ落ちると、安藤は祈るようにして身体を折り曲げた。
「うっそやろ! 俺、有村君のこと忘れてたん? 嘘やろ!」
「相変わらず元気やな、安藤君。でもちょっと透明やで」
「それ言うなら有村君の方が透明やんか! え? まじか、嘘やん! 有り得へん!」
有村の手を取ろうとして、何も掴めないことに驚愕する。
有村と安藤は、クラスメイトだった。
そのことを、安藤は今の今まで忘れていたのだ。
安藤は脱力して手を付く。
「もう何も信じられへん」
安藤から見た有村は、文武両道のスーパーイケメンだった。クラス一、いや学校一のイケメンと言っても過言ではないこの人は、入学当初から、安藤の特別だった。
いつもスマートで誰にでも優しい有村を、安藤はずっとリスペクトしているのだ。そんな人を、忘れるはずがなかったのだ。
「いや僕ってただの凡人やけど」
有村はからりとした様子でいつも言っていたが、そういう有村だからこそ、安藤は好意を抱くのだ。安藤の方がよほどイケメンだと言う有村の方が、よほど格好良いのである。
安藤の情熱をさらりと交わすクールさは、石井のものとは違って爽やかだった。
「そりゃあ、自分が透明になるって訳分からんもんな」
「いや、有村君を忘れてた自分を信じられへんねん」
「あ、そっち?」
「まじかー、まじか! こんなことって、いやでも蒼井君は覚えてたけど」
「蒼井?」
有村は目をぱちくりとさせて、「一から説明してくれへん?」と言った。
安藤は三回力強く頷いてから、夏休み後の話を簡潔に話した。
存在が消えていたこと。蒼井だけが覚えていたこと。じゃんけん小僧のこと。
静かに聞き終えた有村は、「そんなことになってんのか」と他人事のように腕を組む。
「じゃあ安藤君も、今頃みんなに忘れられてるってこと?」
「そうかも」
ふと、最後に聞いた石井の声を思い出す。
石井はいったい、あの後どうなっただろうか。
辺りを見回すが、石井は見つからない。ここには連れて来られていないようだ。何もされていなければ良いけれど、さすがにそんなことはないか。
黒羽の視線を思い出し、安藤はそっと震えた。
有村は安藤をじっと見ていたようだが、やがて腕を組んで言った。
「不思議なこともあるんやな。蒼井だけ忘れなかったっていうのも、分からんし」
「そうやねんな。俺さえ忘れてたのに。一生の不覚」
「この場合、忘れてない方が異常やろ」
有村は、透明の手を翳すようにした。
「じゃんけんか」
しみじみと言うのが面白くて、安藤は少し笑った。
「有村君は勝ったけど、俺は負けたわ。結果としては同じ状況やけど」
「じゃんけんなんて、運みたいなもんやろ。蒼井はじゃんけん必勝法の話をしてたけど、負けたしな」
「必勝法?」
「うん。世界じゃんけん協会っていうのがあるんやって」
「へえー」
有村は、何気なく近くに転がっていた瓶を掴むと、とん、と置いた。
辺りに散らばっている瓶を思い出し、安藤は尋ねる。
「この瓶って、有村君が食べたん?」
「うん」
「米は?」
「ないねんなあ、ここ。仕方ないからこれだけ食べてた」
「まじか」
「なぜかこれだけあんねん。あ、安藤君も食べる?」
「いや、俺は腹減ってないし」
折角だが、安藤は断った。何かを食べるという気分でもない。
有村は「そう」と言って視線を上げた。
「ここにいると、時間の感覚が分からんようになってくんねん。自分が生きてるのか死んでるのかも分からんから、変な気分で」
有村は立ち上がると、うんと伸びをした。
「でも安藤君が来たんやから、ぼやぼやしてられへんか。タピオカより寿命短いなあ、なんて悲観してられへん。気合出してかな」
安藤は有村を見上げた。きらきらして、格好良い、いつもの有村がそこにはいる。
気分が高揚して、安藤は鼻をこすった。
一人なら悲観していたが、有村がいるとなれば話は別だ。
「そやな、前向きにいかなな」
有村は優し気に微笑む。
「僕、いろいろ探し回ってん。出口ないかなとか、ここがどうなってんのかとか。結果的に、何も分からんかった。正直お手上げや。でも安藤君が来てくれて、話聞かせてもらったら、大丈夫やなって思えた」
「そう、なん?」
「うん。そうこうしてる内に、蒼井が何とかするんちゃうかな。石井君も探してくれてるんやろ? あの人、いつもマジックしてるし、器用やし上手くやってくれそうやん?」
「そうか?」
「そうそう」
有村は、こんな状況にいても、いつもと何も変わらなかった。透明になったって、同じ人間だ。そう簡単に何かが変わるわけもない。
「有村君は、蒼井君のこと信用してんねんな」
「いや、別に?」
有村はあっけらかんとしたように首を振って、続けた。
「蒼井が変に頑固なこと、知ってるだけ」
有村に促され、安藤は立ち上がる。ありがとう、と礼を言われたけれど、そんな筋合いはない。けれど折角もらった礼を付き返すのは嫌で、安藤は「どういたしまして」と返す。
何もしていないけれど。
「安藤君は、やっぱカッコいいな」
「またアホなこと、もうな、有村君は自覚がないねんな。そういうのが良いんやけど。女子たちが有村君のこと陰で何て言ってるか知ってる? 俺もうめっちゃ同感やって思ってるんやけど」
「相変わらず元気やなあ」
「いや、そうでもないで」
「まあ、ちょっとの辛抱やろうし、しばらくここにいよ。何のお構いも出来ひんけど」
「さすが、すっかり自分のテリトリーやな」
およそ現実とは思えない不思議な空間で、二人は雑談を続けた。
有村が言うのだから、きっとすぐに元の世界に戻ることが出来る。安藤は確信し、すっかり胡坐を欠いた。
安藤は辺りを見回す。上下も左右もない空間は、ひどく冷ややかで、それでいて妙な居心地の良さがあった。
ここはどこだろう。
安藤は歩き出した。
しばらく歩いて、見つけたのは瓶だ。磯っぽい空の瓶を見て、安藤は思い出す。
最近、こんな夢を見たばかりじゃないか。
安藤は慌てて、辺りを見た。散らばる瓶。見つからない炊飯器。
何かに駆られて走り出す。心臓がどきどきと鳴っていた。
ここに、あの人がきっといる。
胸に広がるのは期待感だ。
何も覚えていないはずなのに、高揚感が広がっていく。
どこだ、どこだ。
走った先で、何かが蠢いた。
安藤は、はっとなって立ち止まる。
透明な何かが、安藤を見た。透明な中にほんの少し、肌色が見えた。
目が合った瞬間、モノクロのようだった安藤の感情が鮮やかに色づく。
忘れるはずのなかった記憶が、一瞬にして胸に広がった。
「有村君!」
足をもつれさせるようにして、安藤は有村の側へ寄った。
有村は透明だったが、きょとんとした顔をして、「安藤君やん」と普段と変わらない声を出した。
「うわあ、有村君や、本物や……!」
有村に届く一歩手前で膝から崩れ落ちると、安藤は祈るようにして身体を折り曲げた。
「うっそやろ! 俺、有村君のこと忘れてたん? 嘘やろ!」
「相変わらず元気やな、安藤君。でもちょっと透明やで」
「それ言うなら有村君の方が透明やんか! え? まじか、嘘やん! 有り得へん!」
有村の手を取ろうとして、何も掴めないことに驚愕する。
有村と安藤は、クラスメイトだった。
そのことを、安藤は今の今まで忘れていたのだ。
安藤は脱力して手を付く。
「もう何も信じられへん」
安藤から見た有村は、文武両道のスーパーイケメンだった。クラス一、いや学校一のイケメンと言っても過言ではないこの人は、入学当初から、安藤の特別だった。
いつもスマートで誰にでも優しい有村を、安藤はずっとリスペクトしているのだ。そんな人を、忘れるはずがなかったのだ。
「いや僕ってただの凡人やけど」
有村はからりとした様子でいつも言っていたが、そういう有村だからこそ、安藤は好意を抱くのだ。安藤の方がよほどイケメンだと言う有村の方が、よほど格好良いのである。
安藤の情熱をさらりと交わすクールさは、石井のものとは違って爽やかだった。
「そりゃあ、自分が透明になるって訳分からんもんな」
「いや、有村君を忘れてた自分を信じられへんねん」
「あ、そっち?」
「まじかー、まじか! こんなことって、いやでも蒼井君は覚えてたけど」
「蒼井?」
有村は目をぱちくりとさせて、「一から説明してくれへん?」と言った。
安藤は三回力強く頷いてから、夏休み後の話を簡潔に話した。
存在が消えていたこと。蒼井だけが覚えていたこと。じゃんけん小僧のこと。
静かに聞き終えた有村は、「そんなことになってんのか」と他人事のように腕を組む。
「じゃあ安藤君も、今頃みんなに忘れられてるってこと?」
「そうかも」
ふと、最後に聞いた石井の声を思い出す。
石井はいったい、あの後どうなっただろうか。
辺りを見回すが、石井は見つからない。ここには連れて来られていないようだ。何もされていなければ良いけれど、さすがにそんなことはないか。
黒羽の視線を思い出し、安藤はそっと震えた。
有村は安藤をじっと見ていたようだが、やがて腕を組んで言った。
「不思議なこともあるんやな。蒼井だけ忘れなかったっていうのも、分からんし」
「そうやねんな。俺さえ忘れてたのに。一生の不覚」
「この場合、忘れてない方が異常やろ」
有村は、透明の手を翳すようにした。
「じゃんけんか」
しみじみと言うのが面白くて、安藤は少し笑った。
「有村君は勝ったけど、俺は負けたわ。結果としては同じ状況やけど」
「じゃんけんなんて、運みたいなもんやろ。蒼井はじゃんけん必勝法の話をしてたけど、負けたしな」
「必勝法?」
「うん。世界じゃんけん協会っていうのがあるんやって」
「へえー」
有村は、何気なく近くに転がっていた瓶を掴むと、とん、と置いた。
辺りに散らばっている瓶を思い出し、安藤は尋ねる。
「この瓶って、有村君が食べたん?」
「うん」
「米は?」
「ないねんなあ、ここ。仕方ないからこれだけ食べてた」
「まじか」
「なぜかこれだけあんねん。あ、安藤君も食べる?」
「いや、俺は腹減ってないし」
折角だが、安藤は断った。何かを食べるという気分でもない。
有村は「そう」と言って視線を上げた。
「ここにいると、時間の感覚が分からんようになってくんねん。自分が生きてるのか死んでるのかも分からんから、変な気分で」
有村は立ち上がると、うんと伸びをした。
「でも安藤君が来たんやから、ぼやぼやしてられへんか。タピオカより寿命短いなあ、なんて悲観してられへん。気合出してかな」
安藤は有村を見上げた。きらきらして、格好良い、いつもの有村がそこにはいる。
気分が高揚して、安藤は鼻をこすった。
一人なら悲観していたが、有村がいるとなれば話は別だ。
「そやな、前向きにいかなな」
有村は優し気に微笑む。
「僕、いろいろ探し回ってん。出口ないかなとか、ここがどうなってんのかとか。結果的に、何も分からんかった。正直お手上げや。でも安藤君が来てくれて、話聞かせてもらったら、大丈夫やなって思えた」
「そう、なん?」
「うん。そうこうしてる内に、蒼井が何とかするんちゃうかな。石井君も探してくれてるんやろ? あの人、いつもマジックしてるし、器用やし上手くやってくれそうやん?」
「そうか?」
「そうそう」
有村は、こんな状況にいても、いつもと何も変わらなかった。透明になったって、同じ人間だ。そう簡単に何かが変わるわけもない。
「有村君は、蒼井君のこと信用してんねんな」
「いや、別に?」
有村はあっけらかんとしたように首を振って、続けた。
「蒼井が変に頑固なこと、知ってるだけ」
有村に促され、安藤は立ち上がる。ありがとう、と礼を言われたけれど、そんな筋合いはない。けれど折角もらった礼を付き返すのは嫌で、安藤は「どういたしまして」と返す。
何もしていないけれど。
「安藤君は、やっぱカッコいいな」
「またアホなこと、もうな、有村君は自覚がないねんな。そういうのが良いんやけど。女子たちが有村君のこと陰で何て言ってるか知ってる? 俺もうめっちゃ同感やって思ってるんやけど」
「相変わらず元気やなあ」
「いや、そうでもないで」
「まあ、ちょっとの辛抱やろうし、しばらくここにいよ。何のお構いも出来ひんけど」
「さすが、すっかり自分のテリトリーやな」
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工藤珠希は身長こそ平均を超えていたが、運動や学力はいたって平均クラスであり性格の良さはあるものの特筆すべき才能も無いように見られていた。
むしろ、彼女の幼馴染である工藤太郎は様々な部活の助っ人として活躍し、中学生でありながら様々な競技のプロ団体からスカウトが来るほどであった。更に、学力面においても優秀であり国内のみならず海外への進学も不可能ではないと言われるほどであった。
“特別指名推薦”の話が学校に来た時は誰もが相手を間違えているのではないかと疑ったほどであったが、零楼館高校関係者は工藤珠希で間違いないという。
工藤珠希と工藤太郎は血縁関係はなく、複雑な家庭環境であった工藤太郎が幼いころに両親を亡くしたこともあって彼は工藤家の養子として迎えられていた。
兄妹同然に育った二人ではあったが、お互いが相手の事を守ろうとする良き関係であり、恋人ではないがそれ以上に信頼しあっている。二人の関係性は苗字が同じという事もあって夫婦と揶揄されることも多々あったのだ。
工藤太郎は県外にあるスポーツ名門校からの推薦も来ていてほぼ内定していたのだが、工藤珠希が零楼館高校に入学することを決めたことを受けて彼も零楼館高校を受験することとなった。
スポーツ分野でも名をはせている零楼館高校に工藤太郎が入学すること自体は何の違和感もないのだが、本来入学する予定であった高校関係者は落胆の声をあげていたのだ。だが、彼の出自も相まって彼の意志を否定する者は誰もいなかったのである。
二人が入学する零楼館高校には外に出ていない秘密があるのだ。
零楼館高校に通う生徒のみならず、教員職員運営者の多くがサキュバスでありそのサキュバスも一般的に知られているサキュバスと違い女性を対象とした変異種なのである。
かつては“秘密の花園”と呼ばれた零楼館女子高等学校もそういった意味を持っていたのだった。
ちなみに、工藤珠希は工藤太郎の事を好きなのだが、それは誰にも言えない秘密なのである。
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