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第1章至る平安
新たなる決意
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真夜は、ちょっと偉そうだけど、純粋な部分も持っている、そんな女の子だ。
容姿は、俺のものと同一なんだから、絶世の美女。
性格の方も、柔らかくなる時の破壊力が強烈すぎて、全然嫌いではない。
むしろ好きだ。
可愛いと思う。
結ばれたいまでは行かないかもしれないが、お付き合いできるのなら真剣に受け止めたい。
ただ、この体を抜け出す手段がないと、真夜と交流することはできない。
それが、ネックだ。
あちらは深層意識にいるんだから、実質的に付き合っていることにはなるのか⋯⋯?
人格間で恋愛をしようとしているんですけど、ちょっと難易度高すぎませんかね?
⋯⋯ウズメの力が高まったらワンチャンあるかも?
ウズメちゃん育成計画始動するか。
でも、真夜からは、最高の小説を作ってほしいと頼まれている。
そっちを優先しないと申し訳が立たないか⋯⋯?
俺の目標も最高の小説を作るだから、こちらとしてもそれを目指すのは歓迎だ。
多分だけど、真夜の方も、俺の負担になりたくなくて、あんなことを言ったのだと思う。最高の小説というのは難題だ。どれだけ準備しても、どれだけ書いてみても、これだと言える小説を書き上げるのは、とんでもなく難しい。
他のことを考えている余裕はない。
うん。そうだな。
真夜の心遣いに甘えようと思う。
彼女に、俺の最高の小説を見せる。
俺のためだけではなく、この体を貸してくれている、真夜のために。
俺は頑張ろうと思う。
●
朝の日差しが、本殿に差し込む。
俺は、すっきりと目覚めた。
昨日、一定の結論を出すことができたおかげだ。
隣では、ウズメが寝返りを打っている。
当然のように素っ裸だ。
布団でも脱ぎグセは健在らしい。
⋯⋯噛みつきたいほど柔らかそうな白い肌だ。
二百年前の悪夢が蘇るから、忌避感もあるけど、この頃吸っていないのも事実。
昨日、男性としての自分を強く意識したばかりだし、ムラムラとした吸血欲が湧き上がってくる。
性欲=吸血欲だったことを今知ったんだけど。どうなってるんだ、この体。
でも、ウズメは既婚者だしな⋯⋯。
いやでもNTRはとても強い快感に繋がるって聞いたぞ。
ワンチャンダメかな⋯⋯?
俺の前で、こんなエロい体を見せつけてくるのが悪いと思うんだけど。
俺は間違ってないよね?
俺は、ウズメに馬乗りになって、その首筋に狙いを定めた。
絶対美味しいやつだ。
いただきます。
ガラリ。
戸が開いた。
「ウズメ!朝だぞ!」
そこには、猿面の男が立っていた。
その場に沈黙が満ちる。
「えっと、夜殿、私の妻に何をしているので?」
「お久しぶりです、猿田彦さん。」
「いやそんな、何もやましいところはないみたいな目で見ないでください。どう考えても何かしようとしているところでしょう。」
「気のせいですよ。」
「いやいやいやいや。」
「私がそんな倫理観のないことをすると思いますか。」
「書物のためならばやりかねないでしょうあなたは。」
うっ。否定できない。
「とりあえずそこを退(ど)いてください。」
「はい⋯⋯。」
一時の気の迷いはどこかに霧散していた。
ウズメとの友達関係が崩れるのは嫌だし、猿田彦が止めてくれて良かったのかもしれない。
●
猿田彦の二度と来るなという視線と、ウズメのまた来てねーという言葉に送られて、俺は伊勢を発った。
これからどうしようか。
流石にまだまだ俺のことを覚えている人もいそうだし、今すぐ都に戻るのも良くないか。
そろそろ百年経つし、白のところにも顔を出しておこうか。
出雲に向けて出発することにした。
どこかに紙が安定供給されている場所はありませんかね⋯⋯?
とりあえず、プロットを何作か作ってみようかな。
容姿は、俺のものと同一なんだから、絶世の美女。
性格の方も、柔らかくなる時の破壊力が強烈すぎて、全然嫌いではない。
むしろ好きだ。
可愛いと思う。
結ばれたいまでは行かないかもしれないが、お付き合いできるのなら真剣に受け止めたい。
ただ、この体を抜け出す手段がないと、真夜と交流することはできない。
それが、ネックだ。
あちらは深層意識にいるんだから、実質的に付き合っていることにはなるのか⋯⋯?
人格間で恋愛をしようとしているんですけど、ちょっと難易度高すぎませんかね?
⋯⋯ウズメの力が高まったらワンチャンあるかも?
ウズメちゃん育成計画始動するか。
でも、真夜からは、最高の小説を作ってほしいと頼まれている。
そっちを優先しないと申し訳が立たないか⋯⋯?
俺の目標も最高の小説を作るだから、こちらとしてもそれを目指すのは歓迎だ。
多分だけど、真夜の方も、俺の負担になりたくなくて、あんなことを言ったのだと思う。最高の小説というのは難題だ。どれだけ準備しても、どれだけ書いてみても、これだと言える小説を書き上げるのは、とんでもなく難しい。
他のことを考えている余裕はない。
うん。そうだな。
真夜の心遣いに甘えようと思う。
彼女に、俺の最高の小説を見せる。
俺のためだけではなく、この体を貸してくれている、真夜のために。
俺は頑張ろうと思う。
●
朝の日差しが、本殿に差し込む。
俺は、すっきりと目覚めた。
昨日、一定の結論を出すことができたおかげだ。
隣では、ウズメが寝返りを打っている。
当然のように素っ裸だ。
布団でも脱ぎグセは健在らしい。
⋯⋯噛みつきたいほど柔らかそうな白い肌だ。
二百年前の悪夢が蘇るから、忌避感もあるけど、この頃吸っていないのも事実。
昨日、男性としての自分を強く意識したばかりだし、ムラムラとした吸血欲が湧き上がってくる。
性欲=吸血欲だったことを今知ったんだけど。どうなってるんだ、この体。
でも、ウズメは既婚者だしな⋯⋯。
いやでもNTRはとても強い快感に繋がるって聞いたぞ。
ワンチャンダメかな⋯⋯?
俺の前で、こんなエロい体を見せつけてくるのが悪いと思うんだけど。
俺は間違ってないよね?
俺は、ウズメに馬乗りになって、その首筋に狙いを定めた。
絶対美味しいやつだ。
いただきます。
ガラリ。
戸が開いた。
「ウズメ!朝だぞ!」
そこには、猿面の男が立っていた。
その場に沈黙が満ちる。
「えっと、夜殿、私の妻に何をしているので?」
「お久しぶりです、猿田彦さん。」
「いやそんな、何もやましいところはないみたいな目で見ないでください。どう考えても何かしようとしているところでしょう。」
「気のせいですよ。」
「いやいやいやいや。」
「私がそんな倫理観のないことをすると思いますか。」
「書物のためならばやりかねないでしょうあなたは。」
うっ。否定できない。
「とりあえずそこを退(ど)いてください。」
「はい⋯⋯。」
一時の気の迷いはどこかに霧散していた。
ウズメとの友達関係が崩れるのは嫌だし、猿田彦が止めてくれて良かったのかもしれない。
●
猿田彦の二度と来るなという視線と、ウズメのまた来てねーという言葉に送られて、俺は伊勢を発った。
これからどうしようか。
流石にまだまだ俺のことを覚えている人もいそうだし、今すぐ都に戻るのも良くないか。
そろそろ百年経つし、白のところにも顔を出しておこうか。
出雲に向けて出発することにした。
どこかに紙が安定供給されている場所はありませんかね⋯⋯?
とりあえず、プロットを何作か作ってみようかな。
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