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第1章 伝説の幕開け

レイファ・シック・ウォートン、その2

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 私は野獣に見つからないよう息を殺してそっと山を登った。見つかったら確実に死んでしまうからだ。

 どのくらいの時間が進んだのか分からない。私はようやく、ドンドリオン薬草を見つけたのだった。
 ドンドリオン薬草を見つけた時の喜びで思わず

「やった、見つけた!」
と大きな声で言った後、持ってきた瓶に摘んでいく。やってしまった、と思う時にはもう遅い。

 私の声を聞きつけた狼型の野獣が私の元へやってきてしまった。

 よだれを垂らしながら近づいてくる野獣の姿を見て私は

「キャーーッ!!」
 と思わず叫んでしまった。

 歩いていた野獣は2メートルほどのところで私に飛びついてきた。
 ここまできたのにもうダメか……飛びかかってきた野獣の体をなんとか押しのけながらそう思った。

 いよいよ野獣の牙が私の喉元のどもとに突き刺さろうとしたその時、彼はヒーローのように颯爽さっそうと現れた。

 彼は、のしかかっている野獣に蹴りを入れた。
 蹴られた野獣の身体は風船のように弾け飛んだ。

 飛んで来た野獣の血が私の身体を汚した。

 私と同じくらいの歳の男の子が素手で野獣を殺したのだ。恐ろしく感じた私を誰が責められるのだろうか?

「ケガはない?」
と優しく声を掛けてくれたのに私は、恐怖のあまりお礼も言わずに逃げ帰ってしまったのだ。

 どのくらい逃げたのだろうか?私はふと、腰に吊り下げていた瓶の重さを感じないことに気がついた。

 ハッ、と思い引き返そうとしたその時
辺りから草をかきわけるガサガサッという音が聞こえた。

 姿を現したのはまたも狼型の野獣だった。それもさっきより多い……
 私は彼が瓶を持って追ってきてくれていないかなと淡い期待をいだき後ろを振り返ってみた。

 なんと彼が私の忘れてしまった瓶を持って追いかけてきてくれたのだ。

 そんな彼に恋をしてしまうのは必然だろう。
 私はこんな状況なのに追ってきてくれた彼のことしか考えられなくなっていた。

 現金な女の子だと思う。助けてくれた彼にお礼も言わず逃げていったのに、私は再び助けにきてくれた彼に一瞬で恋に落ちてしまったのだから。

 彼は次々と襲いくる野獣たちの攻撃を避けながら反撃し、一撃で仕留めていく。

 その姿には私に恐怖を与えつつ、私の眼を釘付けにする魅力があった。
 
 さほど苦戦することなく2匹目にトドメを刺した彼に勝てない、と悟った野獣は背を向け逃げ去っていった。

 彼は戦闘後
「大事なものなんだろ?」
と言って、私に薬草入りの瓶を渡してくれた。それを受け取った私は緊張のあまり、
「あ、ありがとう……」
と今にも消えそうな声で言ってしまった。

 お母さんに
「お礼は自分の気持ちを相手にしっかり伝えるために大きく言うのよ!」
と言われて育ってきたのに。

 私は名残惜しいと思いつつ一刻も早くお母さんへ薬を届けなくてはならないので帰ることを決意した。

 彼ともう少し一緒にいられる口実はないか……
 私は少しの思考の末、いい口実を思いついた。

「また襲われるかもしれないので、私を守ってくれませんか?」
次会えるのがいつになるか分からないので私は、思い切って今、彼にアプローチすることを決めた。

[あとがき]

 少し短かったのであとがきという形で皆様に挨拶させて頂きたいと思います。
 この度は私の作品をご覧頂き、誠にありがとうございます。
 私の登校ペースは1日に1話を目標にしています。私も多忙なので投稿できないこともあるかもしれませんが、ご了承下さい……
 さて、この先各キャラクター固有の技が無数に登場する予定でございます。技の名前をあとがきの方で募集したいと思っておりますので
「こんなのいいんじゃない?」
と思いついたのがありました、技の名前とその読み方を感想にぜひ送ってください!
 私は皆様とこの作品を完成出来ればと思っております。
 長くなりましたがこれにて挨拶を終了させていただきます。これからも私と私の作品をよろしくお願いします致します。
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