勇者に溺れた魔王様

世夜

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襲撃

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みんなが認めてくれて、幸せな気持ちの最中、背後にあった壁が、大きな爆発音とともに崩れ落ちてきた。
「なんだなんだ!?何が起きたんだ!?」
「落ち着いて。みんな早く幻の姿になって。」
「ああ…了解だ!」
「……コレは…襲撃の可能性…大きい…」
「にゃんですって…?私達最高幹部に喧嘩を売る人がいるとでも…?」
「ま…まだ決まったわけじゃないでしょ…?」
「そうね。だけどラルスの言う通り襲撃されたようね。」
「我が出た方がいいか?」
「ハッ!どこの誰だか知らねぇけど、襲撃するってことはそういう命の覚悟だってできてるだろ?私1人で充分だ。………城が炭になったらゴメンな、ラディ。」
「構わない。だが…マリン、フレアが暴走するかもしれない。その時お前が止めてくれるか?」
「わかったわ。」
「ラルスとリンは他にこの城にいる者の避難の誘導を頼む。」
「…ん。わかった。」
「わかったわ。…気をつけてね…?」
「勿論だ。シエラは……いない…。全く…取り掛かりが早すぎるだろ…。」
フレアのモノと推測される血気漂う炎の魔力…熱風のようなものがこちらに勢いよくぶつかってくる。炎焼魔法を使っているのだろう。それに負けじと冷気を纏った海水の魔力が下から上に上り詰めてくる。暴走したフレアを止めるだけで済んでくれるといいが…また熱風がきたことからきっと喧嘩になったな…。
「こちらも負けられないな。」
鋭くどこか冷たい薔薇の香りが漂ってくる。これは私の魔力だ。
言葉意味利用ワードメイニング!襲撃したものに告ぐ…”こちらに来い”」
「魔王様ったら怖いわ~言葉だけで人を操るとか怖いわ~」
「言った言葉の意味通りの事を対象者が行うだけだ。操ってるわけではない。」
「それを操るっていうんでしょ。かけられたらと思うと怖くて貴方の事嫌いなったりできないわ~」
「我はお前の方が怖いぞ。だってシエラだけだぞ、我の言葉意味利用ワードメイニングがかない奴は。」
「まぁ~?そこはぁ~?シエラちゃんだしぃ~?当然かなぁ~???」 
「ウゼェ…シエラ…それはウゼェだぞ…」
「ごめんなさいね。私の能力が能力だしね。そういう系統の魔法は元から効かないのよ。」
「そうだったな…。」
「魔王にもなりたかったしね…。」
「え…?何か言ったか…?小さくて聞こえなかったが…。」 
「この人達の処分はどうするのかって聞いてるのよ。私が心を支配してもいいけど…」
「いや…それは負担になるだろう?今回は理由を聞いた…らぁ…」
……そこから後の記憶はない。私は城の自分のベッドの上で目が覚めた。何故かわわからないが、倒れたのだろう。そんなことを悠長に考える暇もなく、私の前にポンッと音を立て、文字が現れた。時計の針は止まり、この世界に私だけの気がした。文字に現れたのは、「貴方の大切なひとシエラさんを」こう書かれた下に「殺す?」「殺さない?」と書かれたボタンがあった。………私は「殺さない?」の方を押した…原因はわからないが、何事も無いように時は動いた。………この時は。
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