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チャプター【105】
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それぞれの戦闘が始まり、だが、ただひとり、その戦いを見つめてる者がいた。
その者の周りには、妖物、妖蟲たちの姿がない。
いや、と言うより、まるでその者の存在が見えていないかのように、妖物、妖蟲たちは、その者の横を素通りしていくのだ。
「どうせ僕の存在なんて……。妖物でさえも気づかないんだ……」
その者は、ひょうであった。
肩を落し、首をうなだれたひょうは、どっぷりとダークに染まっていた。
全身に、紗がかかったようなその姿は確かに存在感がなかった。
しかし、ひょうのその存在を、しっかり捉えている妖蟲があった。
かさかさ、
かさかさかさかさ、
その妖蟲は、茶屋の粉砕した窓枠から、わさわさと這い出てきて、ひょうを取り囲み始めた。
それは、茶屋の天井や梁に、びっしりとたかっていたあの蜘蛛であった。
ひょうの周囲を、瞬く間に黒い囲いができた。
無数の赤い眼が、ひょうを見つめている。
「ひょう。いつまで落ちこんでるのさ。ほら、囲まれてしまったよ」
うなだれたひょうの肩に、いつの間にか、猫ほどの大きさの羊が乗っていた。
氷雨であった。
ひょうが首を上げ、取り囲む蜘蛛に眼を向けた。
「やあ、君たち。君たちだけは、僕の存在に気づいてくれたんだね。とてもうれしいよ。だけど、僕と友だちなろうとしているわけじゃないよね。どう見ても」
ひょうは、腰につり下げてある瓢箪を外して手に取った。
「残念だけど、僕は継ぐべき者だから、君たちを退治しなくちゃいけないんだ。ごめんよ」
ひょうがそう言うや否や、蜘蛛たちが次々に躍りかかった。
それと同時に、ひょうは瓢箪の栓を抜いた。
すると、その瓢箪の口から、白く煌めく結晶のようなものが噴き出した。
それを、躍りかかる蜘蛛たちへ向ける。
ピシピシピシッ、
白い結晶を浴びた蜘蛛たちは、一瞬にして凍りつき、ばらばらと地に落ちていった。
まだ地に蠢いている蜘蛛にも、ひょうは瓢箪の口を向けた。
それによって、ひょうを取り囲んでいたすべての蜘蛛が凍りついた。
ひょうは、瓢箪の口に栓をした。
「とりあえず、僕の仕事は、これくらいでいいかな。どうせ、僕のことなんて、だれも気づいてくれないんだから……」
戦っている仲間へ、ひょうは眼を向けた。
その眼が、とても悲しげだった。
戦闘は、それから間もなくして終わった。
「さすがは、継ぐべき者たちよ。息も荒れておらぬの」
仙翁が言った。
「当然だよ。口も利けない下級妖物が相手じゃ、朝飯前だぜ」
ソウマが返した。
「朝飯前って言えば、腹が減ったなー。と言っても、注文した食事は、毒が入っているんだよね」
残念そうにつるぎが言う。
「いや、毒は入っておらん」
「えッ? だって、毒が入っているって言ったのは、仙翁じゃないか」
「あれは嘘よ」
「えー、うそー!」
「無面と言ったかの。あやつの出方をみるためよ」
「なんだ、だったら、冷めちゃったとは思うけど、まだ食べられるじゃないか」
言うと、つるぎは茶屋へと足を向けた。
そのあとを、ソウマと力道がつづく。
「しかし、人肉を使っているのは、真ぞ」
仙翁が言うと、3人の足がぴたりと止まった。
「そ、そうなんだ……。じゃあ、やっぱり食べられないのか」
つるぎが肩を落す。
「けど、厨房の冷蔵庫には、食材が入っているんじゃないか」
ソウマが言い、
「んー、そうだぞ。そうに違いないぞ」
力道が言った。
その口調は、もとの間延びしたものにもどり、その顔も、もとのおっとりとした風貌にもどっていた。
(おう。もとにもどっておるか)
仙翁は力道を見て、ほっとしていた。
3人は再び茶屋へと足を向けた。
「しかしの。その冷蔵庫とやらの中にあるのは、茶屋の店主の肉片であろうよ」
それを聞いて、3人の足はまた止まった。
3人はくるりとふり返り、もどってきた。
「だったら、これを服んでください」
翡翠が手を掲げた。
その手には、巾着袋が握られている。
凛が渡したものだ。
「凛姉さまにいただいた、強壮丸です。一粒服めば、力が湧いてきますよ」
翡翠は巾着袋を開くと、ひとりひとりに強壮丸を一粒ずつ渡していった。
仙翁はそれを遠慮したので、凛、ソウマ、つるぎへと渡し、そして力道に渡そうとすると、
「オレはー、一粒では足りないぞー」
と、翡翠の手から巾着袋を奪うように取り、そのまま口へと運んだ。
「あー、だめですよー」
翡翠がそう言ったときにはすでに、巾着袋の強壮丸は、大きく開いた力道の口の中だった。
力道は、ごくりと音を立てて呑みこむ。
「なんだ。これでは、腹の足しにもならないぞ」
そう言う力道に、
「それは、食べ物じゃないんですよ、力道さん。薬師(くすし)に調合させたものなんですから当然です」
横から凛が言った。
「ゲ、薬だとー! それならそうと、先に言ってくれねば困るぞ。オレは薬が苦手なのに、全部呑んじまったぞー」
力道は吐き出そうとしたが、時すでに遅しであった。
巾着袋を翡翠へと返す。
受け取った翡翠は、手のひらの上でその巾着袋を逆さにし、軽くふった。
すると、ころりと、強壮丸が一粒、手のひらの上に転がった。
「よかった。ひとつ残ってた」
ほっとしたように、翡翠は言った。
「あー、そうかー。翡翠ちゃんは、まだ服んでなかったのかー。すまなかったなー」
力道が頭を掻きながら詫びると、
「いえ、違いますよ。わたしは、もう服みましたから」
翡翠はにこりと笑った。
「ん? だったら、それはだれの分だー。みんな、服んだはずだぞ」
「もうひとり、いるじゃないですか」
翡翠は手のひらに強壮丸を載せたまま、すうっと力道の横を通りすぎた。
皆の視線が、翡翠が向かっていく先に向く。
そこに立っていたのは、ひょうだった。
その存在を、皆はすっかり忘れていた。
「どうぞ」
手のひらに載った強壮丸を、翡翠はひょうへと差し出した。
「え? ぼ、僕に?……」
とつぜんのことに、ひょうはどぎまぎとした。
「はい。これを服んで力をつけてください」
「君には、僕が見えてるの?」
「なにを言っているんですかァ。あなたは、瓢箪の霊晶石継承者、ひょうさま」
「うれしいな。僕の存在をわかってくれる人がいるなんて。でも、どうして、僕なんかに……」
「どうしてもなにもないですよォ。わたしたちは同じ継ぐべき者。仲間じゃないですか」
「仲間……。こんな僕を、仲間と言ってくれるなんて……、ありがとう」
感動のあまりに、ひょうは泣いていた。
「ひょうさま。どうして泣いてるんですか?」
「だって、だって……こんなに、人からやさしくされたのは、初めてだから……」
「ひょうさま。泣かないで。わたしまで、泣きたくなっちゃう」
翡翠は、思わず瞳をうるうるさせた。
「君は、天使だ」
ひょうは、心からそう思った。
「違いますよォ。わたしは天使じゃなくて、翡翠ですゥ❤」
翡翠が小首を傾げて微笑む。
その微笑みに、ひょうは、胸が締めつけられるような、熱くなるような、そんな感覚を覚えた。
それは、いままで感じたことのない感情だった。
ひょうはそのとき、生まれて初めて恋をしたのだった。
その者の周りには、妖物、妖蟲たちの姿がない。
いや、と言うより、まるでその者の存在が見えていないかのように、妖物、妖蟲たちは、その者の横を素通りしていくのだ。
「どうせ僕の存在なんて……。妖物でさえも気づかないんだ……」
その者は、ひょうであった。
肩を落し、首をうなだれたひょうは、どっぷりとダークに染まっていた。
全身に、紗がかかったようなその姿は確かに存在感がなかった。
しかし、ひょうのその存在を、しっかり捉えている妖蟲があった。
かさかさ、
かさかさかさかさ、
その妖蟲は、茶屋の粉砕した窓枠から、わさわさと這い出てきて、ひょうを取り囲み始めた。
それは、茶屋の天井や梁に、びっしりとたかっていたあの蜘蛛であった。
ひょうの周囲を、瞬く間に黒い囲いができた。
無数の赤い眼が、ひょうを見つめている。
「ひょう。いつまで落ちこんでるのさ。ほら、囲まれてしまったよ」
うなだれたひょうの肩に、いつの間にか、猫ほどの大きさの羊が乗っていた。
氷雨であった。
ひょうが首を上げ、取り囲む蜘蛛に眼を向けた。
「やあ、君たち。君たちだけは、僕の存在に気づいてくれたんだね。とてもうれしいよ。だけど、僕と友だちなろうとしているわけじゃないよね。どう見ても」
ひょうは、腰につり下げてある瓢箪を外して手に取った。
「残念だけど、僕は継ぐべき者だから、君たちを退治しなくちゃいけないんだ。ごめんよ」
ひょうがそう言うや否や、蜘蛛たちが次々に躍りかかった。
それと同時に、ひょうは瓢箪の栓を抜いた。
すると、その瓢箪の口から、白く煌めく結晶のようなものが噴き出した。
それを、躍りかかる蜘蛛たちへ向ける。
ピシピシピシッ、
白い結晶を浴びた蜘蛛たちは、一瞬にして凍りつき、ばらばらと地に落ちていった。
まだ地に蠢いている蜘蛛にも、ひょうは瓢箪の口を向けた。
それによって、ひょうを取り囲んでいたすべての蜘蛛が凍りついた。
ひょうは、瓢箪の口に栓をした。
「とりあえず、僕の仕事は、これくらいでいいかな。どうせ、僕のことなんて、だれも気づいてくれないんだから……」
戦っている仲間へ、ひょうは眼を向けた。
その眼が、とても悲しげだった。
戦闘は、それから間もなくして終わった。
「さすがは、継ぐべき者たちよ。息も荒れておらぬの」
仙翁が言った。
「当然だよ。口も利けない下級妖物が相手じゃ、朝飯前だぜ」
ソウマが返した。
「朝飯前って言えば、腹が減ったなー。と言っても、注文した食事は、毒が入っているんだよね」
残念そうにつるぎが言う。
「いや、毒は入っておらん」
「えッ? だって、毒が入っているって言ったのは、仙翁じゃないか」
「あれは嘘よ」
「えー、うそー!」
「無面と言ったかの。あやつの出方をみるためよ」
「なんだ、だったら、冷めちゃったとは思うけど、まだ食べられるじゃないか」
言うと、つるぎは茶屋へと足を向けた。
そのあとを、ソウマと力道がつづく。
「しかし、人肉を使っているのは、真ぞ」
仙翁が言うと、3人の足がぴたりと止まった。
「そ、そうなんだ……。じゃあ、やっぱり食べられないのか」
つるぎが肩を落す。
「けど、厨房の冷蔵庫には、食材が入っているんじゃないか」
ソウマが言い、
「んー、そうだぞ。そうに違いないぞ」
力道が言った。
その口調は、もとの間延びしたものにもどり、その顔も、もとのおっとりとした風貌にもどっていた。
(おう。もとにもどっておるか)
仙翁は力道を見て、ほっとしていた。
3人は再び茶屋へと足を向けた。
「しかしの。その冷蔵庫とやらの中にあるのは、茶屋の店主の肉片であろうよ」
それを聞いて、3人の足はまた止まった。
3人はくるりとふり返り、もどってきた。
「だったら、これを服んでください」
翡翠が手を掲げた。
その手には、巾着袋が握られている。
凛が渡したものだ。
「凛姉さまにいただいた、強壮丸です。一粒服めば、力が湧いてきますよ」
翡翠は巾着袋を開くと、ひとりひとりに強壮丸を一粒ずつ渡していった。
仙翁はそれを遠慮したので、凛、ソウマ、つるぎへと渡し、そして力道に渡そうとすると、
「オレはー、一粒では足りないぞー」
と、翡翠の手から巾着袋を奪うように取り、そのまま口へと運んだ。
「あー、だめですよー」
翡翠がそう言ったときにはすでに、巾着袋の強壮丸は、大きく開いた力道の口の中だった。
力道は、ごくりと音を立てて呑みこむ。
「なんだ。これでは、腹の足しにもならないぞ」
そう言う力道に、
「それは、食べ物じゃないんですよ、力道さん。薬師(くすし)に調合させたものなんですから当然です」
横から凛が言った。
「ゲ、薬だとー! それならそうと、先に言ってくれねば困るぞ。オレは薬が苦手なのに、全部呑んじまったぞー」
力道は吐き出そうとしたが、時すでに遅しであった。
巾着袋を翡翠へと返す。
受け取った翡翠は、手のひらの上でその巾着袋を逆さにし、軽くふった。
すると、ころりと、強壮丸が一粒、手のひらの上に転がった。
「よかった。ひとつ残ってた」
ほっとしたように、翡翠は言った。
「あー、そうかー。翡翠ちゃんは、まだ服んでなかったのかー。すまなかったなー」
力道が頭を掻きながら詫びると、
「いえ、違いますよ。わたしは、もう服みましたから」
翡翠はにこりと笑った。
「ん? だったら、それはだれの分だー。みんな、服んだはずだぞ」
「もうひとり、いるじゃないですか」
翡翠は手のひらに強壮丸を載せたまま、すうっと力道の横を通りすぎた。
皆の視線が、翡翠が向かっていく先に向く。
そこに立っていたのは、ひょうだった。
その存在を、皆はすっかり忘れていた。
「どうぞ」
手のひらに載った強壮丸を、翡翠はひょうへと差し出した。
「え? ぼ、僕に?……」
とつぜんのことに、ひょうはどぎまぎとした。
「はい。これを服んで力をつけてください」
「君には、僕が見えてるの?」
「なにを言っているんですかァ。あなたは、瓢箪の霊晶石継承者、ひょうさま」
「うれしいな。僕の存在をわかってくれる人がいるなんて。でも、どうして、僕なんかに……」
「どうしてもなにもないですよォ。わたしたちは同じ継ぐべき者。仲間じゃないですか」
「仲間……。こんな僕を、仲間と言ってくれるなんて……、ありがとう」
感動のあまりに、ひょうは泣いていた。
「ひょうさま。どうして泣いてるんですか?」
「だって、だって……こんなに、人からやさしくされたのは、初めてだから……」
「ひょうさま。泣かないで。わたしまで、泣きたくなっちゃう」
翡翠は、思わず瞳をうるうるさせた。
「君は、天使だ」
ひょうは、心からそう思った。
「違いますよォ。わたしは天使じゃなくて、翡翠ですゥ❤」
翡翠が小首を傾げて微笑む。
その微笑みに、ひょうは、胸が締めつけられるような、熱くなるような、そんな感覚を覚えた。
それは、いままで感じたことのない感情だった。
ひょうはそのとき、生まれて初めて恋をしたのだった。
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