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チャプター【033】
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「かあちゃん、ただいま」
ソーラは、そう声をかけると板の間に上がっていき、横になっている女性の枕もとに近づいていった。
どうやら、その女性が、ソーラの母親らしい。
「具合はどうだい? かあちゃん」
母親の顔を覗きこむようにして、ソーラが訊いた。
「今日は、ずいぶんいいよ……」
掠れた声で、母親が答えた。
「そりゃあ、良かった。かあちゃん、お餅を買ってきたよ」
「お餅だって? そんな高価なもの、まさか、盗じゃいないだろうね……」
「ち、違うよ。いつも言ってるじゃないか。市場で手伝いをして、その駄賃としてもらえるんだって」
「そうかい。それならいいんだけど……,
人様のものを決して盗んじゃいけないよ……」
「うん、わかってるよ……」
ソーラは眉根を寄せて、悲しい顔をした。
母親に嘘を言っているのが辛いのだろう。
「おまえたちには苦労をかけっぱなしで、すまないね。とうちゃんも死んじゃって、かあちゃんは、こんな身体になって……」
「なに言ってんだよ、かあちゃん。おれたちのことは心配することないから、かあちゃんは身体が良くなることだけ考えてればいいんだよ」
「ありがとう、ソーラ……」
母親は、布団から手を出すと、ソーラの頬に伸ばした。
その手が、白く細い。
頬をなでる母親の手を、ソーラは両手で包みこむように握り、
「かあちゃん。ねえちゃんとコーヤは?」
そう訊いた。
「薬をもらいに言ったよ。お金なんてないんだからいい、って言ったのに、大丈夫、なんとかするから、って出ていったんだよ……。もう帰ってきてもおかしくないんだけど――」
そこまで言って母親は、土間に人の気配がするのに気がついた。
「ソーラ、だれかお連れしたのかい?」
「あ、うん」
ソーラは立ち上がり、紫門を手で示して、
「この人、紫門って言うんだ。おいらの友だちになってくれたんだよ」
そう言った。
「なんだい、お客さまを連れて来たなら、もっと早く言わなきゃだめじゃないか」
母親は息子を窘めるように言うと、
「すみませんね、こんなむさ苦しいうえに、なんのおかまいもできませんで」
わざわざ上体を起こして、頭を下げた。
「いえ、そんな、いいんです。ソーラくんを送ってきたものですから、ちょっと顔を出しただけです。無理をなさらず横になってください」
「うちのソーラが、お友だちになってくれたなんて言ってましたけど、なにかご迷惑をかけたんじゃありませんか?」
「かあちゃん、おいらは迷惑なんてかけてないよ。この人は、ほんとにおいらの友だちになってくれたんだよ」
ソーラはたまらず弁明した。
「おまえは黙ってなさい。わたしはこの人に訊いているんだから」
またも母親に窘められ、ソーラはしゅんとして下を向いてしまった。
「いえ、お母さん。ソーラくんの言うとおりです。迷惑をかけたなんてとんでもない。ほんとに、友だちになっただけです」
「ですけど、お友だちと言っても、親子ほども齢が離れているでしょうに、どうしてまた」
どうやら、母親はそのことを懸念しているようだった。
「どうしてと言われても……」
紫門は困ってしまって、頭を掻いた。
「かあちゃん。親子ほども齢が離れているだなんて、失礼だよ。紫門にいちゃんは、まだ17になったばかりなんだからね」
息子にそう言われ、
「え?……」
母親は改めるように紫門に顔を向け、呆けたように見つづけた。
「かあちゃんてば、そんな物珍しいものを見るような眼で見るなんて、それも失礼だって」
その言葉に母親ははっとし、
「ごめんなさい。まさか、ソーラと6つしか離れていないなんて思いもしなくて――あら、やだ、また失礼なことを言ってしまっている。ほんとにごめんなさい」
恐縮するように、謝罪した。
「いいんですよ。ソーラくんにも、初めはおじさんと呼ばれたくらいですから。もともと老けた顔なのに、こんな無精髭を生やしているんですから、しかたありません」
そう言うと紫門は苦笑した。
そこで話が途切れたということもあり、紫門が辞そうとすると、ソーラが土間に降りてきて止めた。
「まだ、ねえちゃんとコーヤに紹介してないじゃないか」
紫門を見あげ、悲しそうな顔でそう言った。
「無理に引き留めてはいけないよ、ソーラ。また、来てもらえばいいじゃないの」
母親がそう言っても、もう少し待っておくれよ、ソーラはそう言って聞かなかった。
「わかった、ソーラ。ふたりが帰ってくるまで待つよ」
紫門は苦笑して言った。
ソーラには根負けするばかりだった。
ソーラはほっとしたのか笑顔になった。
と、そのときだった。
「ねえちゃんを、離せ!」
そんな声が外から聴こえてきた。
その声に、
「コーヤの声だ!」
ソーラは一目散に外へ飛び出していった。
紫門もあとを追うように外へ出た。
するとそこには、見るからにならず者と思える男が3人いて、そのうちのふたりは、まだ15歳位の少女と5、6歳ほどの少年を背後から羽交い絞めにしていた。
その少女と少年が、どうやらソーラの姉と弟らしかった。
「ねえちゃんと、弟を離せよ!」
ソーラは、自分の前に立ち塞がる男を睨んでいた。
「貸した金を、耳をそろえて返してくれりゃあ、すぐにでも離してやるさ」
にやにやと笑いながらそう言った男が、他のふたりの兄貴分のようだった。
男たちは皆、腰に太刀を差している。
だが、腕に覚えがあるのは、ソーラの前に立ち塞がっている兄貴分の男だけで、他のふたりは見せかけだけの飾りだろう。
紫門はそう見た。
「くそー!」
ソーラが兄貴分の男に向かって、やみくもに頭から突進していった。
「なんだ小僧。正義の味方のつもりか?」
男は、ソーラの突進を両手で受け止めると、そのまま力任せに突き飛ばした。
突き飛ばされたソーラは、勢いよく紫門の足下に転がった。
「大丈夫か、ソーラ!」
紫門はソーラを抱き起す。
ソーラは兄貴分の男を、またも睨みつけた。
「おー、恐い顔。おじさんブルっちゃう」
男はオーバーに震えてみせた。
「ちくしょう……」
ソーラは立ち上がって、男に挑みかかっていこうとする。
その肩を紫門が手で止めた。
「あとは、おれに任せろ」
ソーラの耳もとでそう言うと、男に顔を向けた。
「子供を相手に、あんたら、ずいぶん乱暴なことをするんだな」
「オオ? またまた正義の味方の登場か?」
男は、紫門を見ると茶化すように言った。
「どうでもいいが、にいさん、邪魔をしないでくれないか。おれたちゃなにも、このガキどもを虐めに来たわけじゃねえ。貸した金を返してもらいに来ただけなんだよ。返す期限はとっくに過ぎてるんでな」
「だからって、乱暴をすることはないだろう」
「乱暴たってな、こいつらが敵意剥き出してかかってくるんだから、しかたがねえ。いくらガキだからって、こっちも身を護らなきゃならねえからな」
「とにかく、ふたりの手を放してやってくれ」
「にいさん。あんた生意気だなァ。人にものを頼むときは、もっと言い方ってもんがあるんじゃないのかい?」
「そうか、わかった。それなら、言い直す。そのふたりを、放してやってはくれないか」
「てめえ、舐めてんのか、あ? どうやら、痛い目をみなきゃわからねえようだな」
男が紫門を睨む。
「痛い目をみるのは、おまえたちのほうだ!」
そう言ったのはソーラだった。
「この人は、剣法師なんだぞ! おまえたちなんて、あっという間にやっつけてやるんだからな」
いまにも掛かっていきそうなのを、紫門が抑えた。
「おい、聞いたか。この男、剣法師だとよ。弓に矢筒などを背に負っているから狩人かと思ったが、しかしなんだ、いまどきの剣法師ってのは丸腰らしいぜ」
男がせせら笑った。
それに合わせて、他のふたりも下卑た笑い声をあげた。
「だがよ――」
男の眼つきが変わった。
「剣法師と聞いちゃあ、俺も黙っていられねえ。あんたが、どれほどのものなのか、手合わせ願おうか」
そう言うと男は、うしろに首をねじり、
「おい、太刀を渡してやりな」
ソーラの弟を捕えている、子分のひとりにそう言った。
言われた子分は、こくり、とひとつうなずき、左手でソーラの弟の着ている服の襟元を掴み、右手で腰の太刀を抜いて紫門の足下へと投げた。
「さあ、太刀を拾え」
言うと、男は、腰の太刀を抜刀した。
すっと正面に構える。
やはり、紫門が思ったとおり、腕に覚えがある構えである。
だが、それは、正当に剣法を学んだというものではなく、人を斬って場数を踏んだ構え方だった。
紫門は男を見つめたまま動かなかった。
ソーラは、そう声をかけると板の間に上がっていき、横になっている女性の枕もとに近づいていった。
どうやら、その女性が、ソーラの母親らしい。
「具合はどうだい? かあちゃん」
母親の顔を覗きこむようにして、ソーラが訊いた。
「今日は、ずいぶんいいよ……」
掠れた声で、母親が答えた。
「そりゃあ、良かった。かあちゃん、お餅を買ってきたよ」
「お餅だって? そんな高価なもの、まさか、盗じゃいないだろうね……」
「ち、違うよ。いつも言ってるじゃないか。市場で手伝いをして、その駄賃としてもらえるんだって」
「そうかい。それならいいんだけど……,
人様のものを決して盗んじゃいけないよ……」
「うん、わかってるよ……」
ソーラは眉根を寄せて、悲しい顔をした。
母親に嘘を言っているのが辛いのだろう。
「おまえたちには苦労をかけっぱなしで、すまないね。とうちゃんも死んじゃって、かあちゃんは、こんな身体になって……」
「なに言ってんだよ、かあちゃん。おれたちのことは心配することないから、かあちゃんは身体が良くなることだけ考えてればいいんだよ」
「ありがとう、ソーラ……」
母親は、布団から手を出すと、ソーラの頬に伸ばした。
その手が、白く細い。
頬をなでる母親の手を、ソーラは両手で包みこむように握り、
「かあちゃん。ねえちゃんとコーヤは?」
そう訊いた。
「薬をもらいに言ったよ。お金なんてないんだからいい、って言ったのに、大丈夫、なんとかするから、って出ていったんだよ……。もう帰ってきてもおかしくないんだけど――」
そこまで言って母親は、土間に人の気配がするのに気がついた。
「ソーラ、だれかお連れしたのかい?」
「あ、うん」
ソーラは立ち上がり、紫門を手で示して、
「この人、紫門って言うんだ。おいらの友だちになってくれたんだよ」
そう言った。
「なんだい、お客さまを連れて来たなら、もっと早く言わなきゃだめじゃないか」
母親は息子を窘めるように言うと、
「すみませんね、こんなむさ苦しいうえに、なんのおかまいもできませんで」
わざわざ上体を起こして、頭を下げた。
「いえ、そんな、いいんです。ソーラくんを送ってきたものですから、ちょっと顔を出しただけです。無理をなさらず横になってください」
「うちのソーラが、お友だちになってくれたなんて言ってましたけど、なにかご迷惑をかけたんじゃありませんか?」
「かあちゃん、おいらは迷惑なんてかけてないよ。この人は、ほんとにおいらの友だちになってくれたんだよ」
ソーラはたまらず弁明した。
「おまえは黙ってなさい。わたしはこの人に訊いているんだから」
またも母親に窘められ、ソーラはしゅんとして下を向いてしまった。
「いえ、お母さん。ソーラくんの言うとおりです。迷惑をかけたなんてとんでもない。ほんとに、友だちになっただけです」
「ですけど、お友だちと言っても、親子ほども齢が離れているでしょうに、どうしてまた」
どうやら、母親はそのことを懸念しているようだった。
「どうしてと言われても……」
紫門は困ってしまって、頭を掻いた。
「かあちゃん。親子ほども齢が離れているだなんて、失礼だよ。紫門にいちゃんは、まだ17になったばかりなんだからね」
息子にそう言われ、
「え?……」
母親は改めるように紫門に顔を向け、呆けたように見つづけた。
「かあちゃんてば、そんな物珍しいものを見るような眼で見るなんて、それも失礼だって」
その言葉に母親ははっとし、
「ごめんなさい。まさか、ソーラと6つしか離れていないなんて思いもしなくて――あら、やだ、また失礼なことを言ってしまっている。ほんとにごめんなさい」
恐縮するように、謝罪した。
「いいんですよ。ソーラくんにも、初めはおじさんと呼ばれたくらいですから。もともと老けた顔なのに、こんな無精髭を生やしているんですから、しかたありません」
そう言うと紫門は苦笑した。
そこで話が途切れたということもあり、紫門が辞そうとすると、ソーラが土間に降りてきて止めた。
「まだ、ねえちゃんとコーヤに紹介してないじゃないか」
紫門を見あげ、悲しそうな顔でそう言った。
「無理に引き留めてはいけないよ、ソーラ。また、来てもらえばいいじゃないの」
母親がそう言っても、もう少し待っておくれよ、ソーラはそう言って聞かなかった。
「わかった、ソーラ。ふたりが帰ってくるまで待つよ」
紫門は苦笑して言った。
ソーラには根負けするばかりだった。
ソーラはほっとしたのか笑顔になった。
と、そのときだった。
「ねえちゃんを、離せ!」
そんな声が外から聴こえてきた。
その声に、
「コーヤの声だ!」
ソーラは一目散に外へ飛び出していった。
紫門もあとを追うように外へ出た。
するとそこには、見るからにならず者と思える男が3人いて、そのうちのふたりは、まだ15歳位の少女と5、6歳ほどの少年を背後から羽交い絞めにしていた。
その少女と少年が、どうやらソーラの姉と弟らしかった。
「ねえちゃんと、弟を離せよ!」
ソーラは、自分の前に立ち塞がる男を睨んでいた。
「貸した金を、耳をそろえて返してくれりゃあ、すぐにでも離してやるさ」
にやにやと笑いながらそう言った男が、他のふたりの兄貴分のようだった。
男たちは皆、腰に太刀を差している。
だが、腕に覚えがあるのは、ソーラの前に立ち塞がっている兄貴分の男だけで、他のふたりは見せかけだけの飾りだろう。
紫門はそう見た。
「くそー!」
ソーラが兄貴分の男に向かって、やみくもに頭から突進していった。
「なんだ小僧。正義の味方のつもりか?」
男は、ソーラの突進を両手で受け止めると、そのまま力任せに突き飛ばした。
突き飛ばされたソーラは、勢いよく紫門の足下に転がった。
「大丈夫か、ソーラ!」
紫門はソーラを抱き起す。
ソーラは兄貴分の男を、またも睨みつけた。
「おー、恐い顔。おじさんブルっちゃう」
男はオーバーに震えてみせた。
「ちくしょう……」
ソーラは立ち上がって、男に挑みかかっていこうとする。
その肩を紫門が手で止めた。
「あとは、おれに任せろ」
ソーラの耳もとでそう言うと、男に顔を向けた。
「子供を相手に、あんたら、ずいぶん乱暴なことをするんだな」
「オオ? またまた正義の味方の登場か?」
男は、紫門を見ると茶化すように言った。
「どうでもいいが、にいさん、邪魔をしないでくれないか。おれたちゃなにも、このガキどもを虐めに来たわけじゃねえ。貸した金を返してもらいに来ただけなんだよ。返す期限はとっくに過ぎてるんでな」
「だからって、乱暴をすることはないだろう」
「乱暴たってな、こいつらが敵意剥き出してかかってくるんだから、しかたがねえ。いくらガキだからって、こっちも身を護らなきゃならねえからな」
「とにかく、ふたりの手を放してやってくれ」
「にいさん。あんた生意気だなァ。人にものを頼むときは、もっと言い方ってもんがあるんじゃないのかい?」
「そうか、わかった。それなら、言い直す。そのふたりを、放してやってはくれないか」
「てめえ、舐めてんのか、あ? どうやら、痛い目をみなきゃわからねえようだな」
男が紫門を睨む。
「痛い目をみるのは、おまえたちのほうだ!」
そう言ったのはソーラだった。
「この人は、剣法師なんだぞ! おまえたちなんて、あっという間にやっつけてやるんだからな」
いまにも掛かっていきそうなのを、紫門が抑えた。
「おい、聞いたか。この男、剣法師だとよ。弓に矢筒などを背に負っているから狩人かと思ったが、しかしなんだ、いまどきの剣法師ってのは丸腰らしいぜ」
男がせせら笑った。
それに合わせて、他のふたりも下卑た笑い声をあげた。
「だがよ――」
男の眼つきが変わった。
「剣法師と聞いちゃあ、俺も黙っていられねえ。あんたが、どれほどのものなのか、手合わせ願おうか」
そう言うと男は、うしろに首をねじり、
「おい、太刀を渡してやりな」
ソーラの弟を捕えている、子分のひとりにそう言った。
言われた子分は、こくり、とひとつうなずき、左手でソーラの弟の着ている服の襟元を掴み、右手で腰の太刀を抜いて紫門の足下へと投げた。
「さあ、太刀を拾え」
言うと、男は、腰の太刀を抜刀した。
すっと正面に構える。
やはり、紫門が思ったとおり、腕に覚えがある構えである。
だが、それは、正当に剣法を学んだというものではなく、人を斬って場数を踏んだ構え方だった。
紫門は男を見つめたまま動かなかった。
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