もう一度、君に逢いたい

星 陽月

文字の大きさ
上 下
10 / 53

【第9話】

しおりを挟む
 水竜は水中を移動して、かつて知ったる崖の下の洞窟にたどり着いた。
 『水泡』に包まれたリーンと共に水中から上がり、奥にある部屋へ向かうまでに、水竜は姿を変え、包まれていたリーンの『水泡』も消え、フールシアの腕の中にいた。
 そのまま奥にある、高さの低い巨大なベットの上に降ろされる。
「…。」
「さっきのは誰だ」
 ルークの事だ。
 いつも一人でいるから…。
 誰かが側にいることなんて無かったから、フールシアは訪ねて来るのだろう。
 何て答えればいい…。
 リーンはうつ向きながら、答えた。
「今、一緒に旅をしている仲間だ」
 本当の事だ…。
「そんな顔をして、ただの仲間なのか?」
 フールシアに顎を持たれ、上を向かされ視線が合う。
 どんな顔をしているかなんて、わからない…。
「まあ、いい…。おいおい聞かせてもらう…」
 そう言って『魔力の交合』をするために、フールシアは口付けてきた。
 自分でもわからない存在位置を、答えられる訳がない…。


 『魔力の交合』の後のたわむれが、気だるかった。
 ルークの叫び声と姿が、脳裏に焼き付いたまま消えてくれない…。
 リーンはフールシアのされるがままに、身体を明け渡していた。
「…気乗りしないみたいだな。…少し趣向を変えよう」
 フールシアが珍しくそんなことを言って、洞窟の外に向かって、『水泡』を放った。
 別段何が起こるわけでもなく、フールシアは背後からリーンを穿うがち突き上げる。
「んっっ…あっ…あっ…」
 フールシアはリーンの首筋に口付け、耳元で囁く。
「何か別の事を考えているな…」
「…。」
「ココにいる間は俺を見ろ…」
 そう言って両胸の突起をきつく摘ままれた。
「あああっっ…」
 なぜか分からないが、涙が溢れてきた。
 何で!どうして!
 もうどうしたら良いのかわからない…。

 フールシアに背後から抱えられ、楔を打ち込まれ、上下に動かせれ、動くたびリーンの髪が揺れ、声が上がる。
「あっ…あっ…あんっ…んんんっ…」
 考えることに疲れたリーンの思考は止まっていた。
 フールシアが突然動きを止め、右手をリーンの前方に掲げる。
「『移動』」
 そんな風に聞こえたかと思ったら、リーンの目の前にルークがいた。
「「!?」」
 何が起こったのか、驚いているルークとリーンを見て、フールシアはニヤリと笑う。
「リーン。お前の可愛いところを見せてやれ」
 そう言って、フールシアはリーンの両ひざ裏を掴み、左右に開いた。
 リーンは我に返り、蜜を溢しながらち上がっているモノを両手で隠し、涙を溢した。
「嫌っ!見ないで!」
 こんな姿をルークには見られたくなかった。
 欲情して、身体を繋げて、男を欲しがっている姿なんて見せてくなかった。
 悲しくて、涙が止まらない…。
 ルークは固まったまま、じっとリーンを見ている。
「…抱かせてないのか?」
 二人の様子を見ていたフールシアが、不思議そうに笑う。
「…そんな…関係じゃ…ない…って…」
 ルークの視線にさらされながら、恥ずかしくて、しどろもどろで答える。
「ふ~ん」
 フールシアは納得しかねない感じで、ルークを見る。
「リーンが苦しそうだから、お前が慰めてやれ」
「ちょっと!何を言って!」
 何を言い出すんだ!
 この状況で、どう慰めるって!
 ルークは顔を赤くして、操られたかのようにリーンに近付いて来て、顔を近づけてきた。
「ちょっとルーク!んっ…っ…」
 ルークに口付けられ、口内に舌が侵入してきて、絡まり合う。
 角度を変えられながら口内を蹂躙される。
「んっ…っ…んっ…つっ…んっっ…」
 …気持ちがいい…思考が…溶ける…。
 唇が離され、唾液が糸を作り、身体の力が抜け、背後のフールシアにもたれ掛かってしまう。
 そう、まだ、フールシアは身体の中で固さを保ったまま…。
 ルークはリーンが両手で隠している股間に顔を近付け、その隙間から見える濡れた茎に舌を這わす。
「あああっっ…!」
 何度もイって敏感になっているソレは蜜を溢す。
「…ダメ…ルークが…ああっ…そんなことを…はぁ…んんっ…ダメ…」
 そう言いながらも、リーンのモノはビクビクと震え、蜜を溢し、快楽から逃げようと腰が揺れ、中のフールシアを締め付ける。
 外からと中からの刺激にリーンの身体が揺れだし、ルークにリーンの手が隠しているモノから、手を退けられた。
 ルークの目の前に曝された、濡れてち上がるモノに熱い視線を向けられ、身体が火照ってくる。 
「…あっ…」
 視観され、トロリと蜜が流れて、それをルークが舌で舐め取っていく。
「あああぁぁ…!」
 ルークが前を咥え、舌先で刺激され、フールシアが後ろから突き上げてくる。
「あああっっ…あっ…あああっっ…あっ…あっ…あああっ…!」
 …もう、快楽に身を委ねるしかなかった。
 
 




しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

蔑ろにされた王妃と見限られた国王

奏千歌
恋愛
※最初に公開したプロット版はカクヨムで公開しています 国王陛下には愛する女性がいた。 彼女は陛下の初恋の相手で、陛下はずっと彼女を想い続けて、そして大切にしていた。 私は、そんな陛下と結婚した。 国と王家のために、私達は結婚しなければならなかったから、結婚すれば陛下も少しは変わるのではと期待していた。 でも結果は……私の理想を打ち砕くものだった。 そしてもう一つ。 私も陛下も知らないことがあった。 彼女のことを。彼女の正体を。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

悪役令嬢カテリーナでございます。

くみたろう
恋愛
………………まあ、私、悪役令嬢だわ…… 気付いたのはワインを頭からかけられた時だった。 どうやら私、ゲームの中の悪役令嬢に生まれ変わったらしい。 40歳未婚の喪女だった私は今や立派な公爵令嬢。ただ、痩せすぎて骨ばっている体がチャームポイントなだけ。 ぶつかるだけでアタックをかます強靭な骨の持ち主、それが私。 40歳喪女を舐めてくれては困りますよ? 私は没落などしませんからね。

【コミカライズ&書籍化・取り下げ予定】お幸せに、婚約者様。私も私で、幸せになりますので。

ごろごろみかん。
恋愛
仕事と私、どっちが大切なの? ……なんて、本気で思う日が来るとは思わなかった。 彼は、王族に仕える近衛騎士だ。そして、婚約者の私より護衛対象である王女を優先する。彼は、「王女殿下とは何も無い」と言うけれど、彼女の方はそうでもないみたいですよ? 婚約を解消しろ、と王女殿下にあまりに迫られるので──全て、手放すことにしました。 お幸せに、婚約者様。 私も私で、幸せになりますので。

親切なミザリー

みるみる
恋愛
第一王子アポロの婚約者ミザリーは、「親切なミザリー」としてまわりから慕われていました。 ところが、子爵家令嬢のアリスと偶然出会ってしまったアポロはアリスを好きになってしまい、ミザリーを蔑ろにするようになりました。アポロだけでなく、アポロのまわりの友人達もアリスを慕うようになりました。 ミザリーはアリスに嫉妬し、様々な嫌がらせをアリスにする様になりました。 こうしてミザリーは、いつしか親切なミザリーから悪女ミザリーへと変貌したのでした。 ‥ですが、ミザリーの突然の死後、何故か再びミザリーの評価は上がり、「親切なミザリー」として人々に慕われるようになり、ミザリーが死後海に投げ落とされたという崖の上には沢山の花が、毎日絶やされる事なく人々により捧げられ続けるのでした。 ※不定期更新です。

夫は私を愛してくれない

はくまいキャベツ
恋愛
「今までお世話になりました」 「…ああ。ご苦労様」 彼はまるで長年勤めて退職する部下を労うかのように、妻である私にそう言った。いや、妻で“あった”私に。 二十数年間すれ違い続けた夫婦が別れを決めて、もう一度向き合う話。

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

旦那様、そんなに彼女が大切なら私は邸を出ていきます

おてんば松尾
恋愛
彼女は二十歳という若さで、領主の妻として領地と領民を守ってきた。二年後戦地から夫が戻ると、そこには見知らぬ女性の姿があった。連れ帰った親友の恋人とその子供の面倒を見続ける旦那様に、妻のソフィアはとうとう離婚届を突き付ける。 if 主人公の性格が変わります(元サヤ編になります) ※こちらの作品カクヨムにも掲載します

処理中です...