67 / 94
【スピン・オフ】マイケルの一日
しおりを挟む
こんにちワン!
ゴン太です。
今回は、「ゴン他の日常」からちょっとそれて、「マイケルの一日」というお話をさせていただきます。
スピン・オフです。
「なんだ? そのスピン・オフってのは?」
そう思った方のために説明させていただきます。
スピン・オフというのは――番外編のことです。
え?
なに?
番外編なら、初めからそう言えって?
そう言いますけどね、「番外編」より「スピン・オフ」のが断然カッコいいではないですか。
TVのドラマとかでも、ほら、やってるでしょ?
そうそう、それそれ。
だから、文句はなし。
話をもどして、なぜにスピン・オフなのかと言うと、
「毎日の連載は大変だから、少し休ませてくれー!」
って作者が駄々をこねるものだから、しかたなく吾輩がストーリーを練ってみたのである。
ん?
今度は、なんだって?
吾輩のストーリーなんだから、吾輩がそのまま進めていけばいいだろうって?
君、わかってないなー。
吾輩がそれをやってしまったら、作者の立場ってものがなくなるではないか。
ん?
なに?
いや、それはだめだよ。
絶対に、だめ。
そんなこと、吾輩には絶対できない。
作者は言わば、生みの親。
その生みの親を、裏切るような真似などできるものか。
そんなことをしたら、日本男犬の名折れというものだ。
吾輩を誘惑しようとしても無駄だ。
吾輩は意思が固いのだ。
え?
なになに?
聞くだけ聞け?
うむ、聞くだけならば……。
ふむふむ……。
それ、ほんと?
マイホームを建て替えられて、エアコンも入れられて、ケンタも嫌になるほど食べられるだって?
それはなんとも、夢のような話ですな……。
え?
旅行もどこにだって行けるし、高級車にも乗れる?
そして?
はいはい……。
ほうほう……。
それはそれは、まさに、うっひょー的な感じですね……。
それに?
まだまだそんなものじゃない?
って、他にもまだあるんですか!
はい……。
はいはい……。
うわ、ほんとですか……。
そ、それは、ちょっとヤバすぎません?
え?
いや、吾輩もその、嫌いではありませんが……。
ハハハ、そんな、やめて下さいよ……。
だから、違いますって……。
吾輩には、そんな趣味はありませんから……。
でも、そんなことまでできるなんて……。
え?
それどころか、あんなこともこんなこともできるですって?
ムフ……。
そこまで言われたら、吾輩も男犬!
据え膳食わずば、男犬の恥じですからね……。
とは言え、ちょ、ちょっと待ってくださいよ……。
うまい話には裏があるといいますからね……。
簡単に信じて、馬鹿をみるのは吾輩ですから……。
って言うか、コラ!
あー、危ない!
危うく誘惑に負けるところであった。
まったく、油断も隙もない。
吾輩の固い意思を、くすぐるようなことを言っても無駄だよ。
だから、そんな、無駄だっての……。
こちょこちょってされても……。
そこは、くすぐったいから、やめて……。
って、ほんとにくすぐってどうするの……。
やめてって、そこをくすぐられたら、吾輩は弱いんだから……。
アハハ!
イヒヒ!
だめだっての……。
ほんとにヤバイから……。
アハハ、ヒヒヒ、オホホ……。
「コラ! ゴン太!」
その声に、吾輩は我に返った。
「な、なんでしょう」
「な、なんでしょう、じゃないわよ!」
声の主は、言うまでもなくサラだった。
「アンタが作者に変わって、スピン・オフとやらをやるって言うから来てみたら、なにが、アハハ、ヒヒヒ、オホホよ! アンタ、読者に弄(もてあそ)ばれてどうすんのさ!」
サラはえらい剣幕だった。
「いや、なんとも、面目ない」
そのサラに気圧されて、吾輩は意味もなく横っ腹を後脚で掻いた。
「私だってね、そのスピン・オフってのやってみたいのよ。アンタにやる気がないんだったら、私と変わりなさいよ」
「あ、いや、それはほら、作者がまた休みたいって駄々をこねるときがあると思うから、そのときに好きなだけやってくれればいいさ」
「あ、そう。じゃあ、今度は必ず私にやらせてよね」
「あァ、男犬に二言はない」
「アンタには三言も四言もありそうだけど、いいわ」
想いのほかサラはあっさりと得心して、
「それじゃ、いまから脚本を書かなくちゃだわ。題名は、そうねェ、『愛する三匹の我が子』がいいかしら」
などとブツブツ言いながら歩いていき、門の下をくぐって出ていった。
それを見届け、吾輩はほっと息を吐いた。
しかし、とんだ読者の横やりで、今回はストーリーがまったく進まなかった。
なので次回こそ、「スピン・オフ」マイケルの一日、をお送り致します。
カミング・スーン!
それにしても、作者ってほんとにあんなことやこんなこともできるのであろうか……。
うらやましい……。
ということで、ここで一句。
作者って あんなこんなが できるのね
って、それじゃ句とは言えないよ!
と、自らツッコむ吾輩であった。
ゴン太です。
今回は、「ゴン他の日常」からちょっとそれて、「マイケルの一日」というお話をさせていただきます。
スピン・オフです。
「なんだ? そのスピン・オフってのは?」
そう思った方のために説明させていただきます。
スピン・オフというのは――番外編のことです。
え?
なに?
番外編なら、初めからそう言えって?
そう言いますけどね、「番外編」より「スピン・オフ」のが断然カッコいいではないですか。
TVのドラマとかでも、ほら、やってるでしょ?
そうそう、それそれ。
だから、文句はなし。
話をもどして、なぜにスピン・オフなのかと言うと、
「毎日の連載は大変だから、少し休ませてくれー!」
って作者が駄々をこねるものだから、しかたなく吾輩がストーリーを練ってみたのである。
ん?
今度は、なんだって?
吾輩のストーリーなんだから、吾輩がそのまま進めていけばいいだろうって?
君、わかってないなー。
吾輩がそれをやってしまったら、作者の立場ってものがなくなるではないか。
ん?
なに?
いや、それはだめだよ。
絶対に、だめ。
そんなこと、吾輩には絶対できない。
作者は言わば、生みの親。
その生みの親を、裏切るような真似などできるものか。
そんなことをしたら、日本男犬の名折れというものだ。
吾輩を誘惑しようとしても無駄だ。
吾輩は意思が固いのだ。
え?
なになに?
聞くだけ聞け?
うむ、聞くだけならば……。
ふむふむ……。
それ、ほんと?
マイホームを建て替えられて、エアコンも入れられて、ケンタも嫌になるほど食べられるだって?
それはなんとも、夢のような話ですな……。
え?
旅行もどこにだって行けるし、高級車にも乗れる?
そして?
はいはい……。
ほうほう……。
それはそれは、まさに、うっひょー的な感じですね……。
それに?
まだまだそんなものじゃない?
って、他にもまだあるんですか!
はい……。
はいはい……。
うわ、ほんとですか……。
そ、それは、ちょっとヤバすぎません?
え?
いや、吾輩もその、嫌いではありませんが……。
ハハハ、そんな、やめて下さいよ……。
だから、違いますって……。
吾輩には、そんな趣味はありませんから……。
でも、そんなことまでできるなんて……。
え?
それどころか、あんなこともこんなこともできるですって?
ムフ……。
そこまで言われたら、吾輩も男犬!
据え膳食わずば、男犬の恥じですからね……。
とは言え、ちょ、ちょっと待ってくださいよ……。
うまい話には裏があるといいますからね……。
簡単に信じて、馬鹿をみるのは吾輩ですから……。
って言うか、コラ!
あー、危ない!
危うく誘惑に負けるところであった。
まったく、油断も隙もない。
吾輩の固い意思を、くすぐるようなことを言っても無駄だよ。
だから、そんな、無駄だっての……。
こちょこちょってされても……。
そこは、くすぐったいから、やめて……。
って、ほんとにくすぐってどうするの……。
やめてって、そこをくすぐられたら、吾輩は弱いんだから……。
アハハ!
イヒヒ!
だめだっての……。
ほんとにヤバイから……。
アハハ、ヒヒヒ、オホホ……。
「コラ! ゴン太!」
その声に、吾輩は我に返った。
「な、なんでしょう」
「な、なんでしょう、じゃないわよ!」
声の主は、言うまでもなくサラだった。
「アンタが作者に変わって、スピン・オフとやらをやるって言うから来てみたら、なにが、アハハ、ヒヒヒ、オホホよ! アンタ、読者に弄(もてあそ)ばれてどうすんのさ!」
サラはえらい剣幕だった。
「いや、なんとも、面目ない」
そのサラに気圧されて、吾輩は意味もなく横っ腹を後脚で掻いた。
「私だってね、そのスピン・オフってのやってみたいのよ。アンタにやる気がないんだったら、私と変わりなさいよ」
「あ、いや、それはほら、作者がまた休みたいって駄々をこねるときがあると思うから、そのときに好きなだけやってくれればいいさ」
「あ、そう。じゃあ、今度は必ず私にやらせてよね」
「あァ、男犬に二言はない」
「アンタには三言も四言もありそうだけど、いいわ」
想いのほかサラはあっさりと得心して、
「それじゃ、いまから脚本を書かなくちゃだわ。題名は、そうねェ、『愛する三匹の我が子』がいいかしら」
などとブツブツ言いながら歩いていき、門の下をくぐって出ていった。
それを見届け、吾輩はほっと息を吐いた。
しかし、とんだ読者の横やりで、今回はストーリーがまったく進まなかった。
なので次回こそ、「スピン・オフ」マイケルの一日、をお送り致します。
カミング・スーン!
それにしても、作者ってほんとにあんなことやこんなこともできるのであろうか……。
うらやましい……。
ということで、ここで一句。
作者って あんなこんなが できるのね
って、それじゃ句とは言えないよ!
と、自らツッコむ吾輩であった。
0
お気に入りに追加
34
あなたにおすすめの小説
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
裏切りの代償
志波 連
恋愛
伯爵令嬢であるキャンディは婚約者ニックの浮気を知り、婚約解消を願い出るが1年間の再教育を施すというニックの父親の言葉に願いを取り下げ、家出を決行した。
家庭教師という職を得て充実した日々を送るキャンディの前に父親が現れた。
連れ帰られ無理やりニックと結婚させられたキャンディだったが、子供もできてこれも人生だと思い直し、ニックの妻として人生を全うしようとする。
しかしある日ニックが浮気をしていることをしり、我慢の限界を迎えたキャンディは、友人の手を借りながら人生を切り開いていくのだった。
他サイトでも掲載しています。
R15を保険で追加しました。
表紙は写真AC様よりダウンロードしました。
【完結】もう辛い片想いは卒業して結婚相手を探そうと思います
ユユ
恋愛
大家族で大富豪の伯爵家に産まれた令嬢には
好きな人がいた。
彼からすれば誰にでも向ける微笑みだったが
令嬢はそれで恋に落ちてしまった。
だけど彼は私を利用するだけで
振り向いてはくれない。
ある日、薬の過剰摂取をして
彼から離れようとした令嬢の話。
* 完結保証付き
* 3万文字未満
* 暇つぶしにご利用下さい
婚約者に消えろと言われたので湖に飛び込んだら、気づけば三年が経っていました。
束原ミヤコ
恋愛
公爵令嬢シャロンは、王太子オリバーの婚約者に選ばれてから、厳しい王妃教育に耐えていた。
だが、十六歳になり貴族学園に入学すると、オリバーはすでに子爵令嬢エミリアと浮気をしていた。
そしてある冬のこと。オリバーに「私の為に消えろ」というような意味のことを告げられる。
全てを諦めたシャロンは、精霊の湖と呼ばれている学園の裏庭にある湖に飛び込んだ。
気づくと、見知らぬ場所に寝かされていた。
そこにはかつて、病弱で体の小さかった辺境伯家の息子アダムがいた。
すっかり立派になったアダムは「あれから三年、君は目覚めなかった」と言った――。
【R18】もう一度セックスに溺れて
ちゅー
恋愛
--------------------------------------
「んっ…くっ…♡前よりずっと…ふか、い…」
過分な潤滑液にヌラヌラと光る間口に亀頭が抵抗なく吸い込まれていく。久しぶりに男を受け入れる肉道は最初こそ僅かな狭さを示したものの、愛液にコーティングされ膨張した陰茎を容易く受け入れ、すぐに柔らかな圧力で応えた。
--------------------------------------
結婚して五年目。互いにまだ若い夫婦は、愛情も、情熱も、熱欲も多分に持ち合わせているはずだった。仕事と家事に忙殺され、いつの間にかお互いが生活要員に成り果ててしまった二人の元へ”夫婦性活を豹変させる”と銘打たれた宝石が届く。
淫らなお姫様とイケメン騎士達のエロスな夜伽物語
瀬能なつ
恋愛
17才になった皇女サーシャは、国のしきたりに従い、6人の騎士たちを従えて、遥か彼方の霊峰へと旅立ちます。
長い道中、姫を警護する騎士たちの体力を回復する方法は、ズバリ、キスとH!
途中、魔物に襲われたり、姫の寵愛を競い合う騎士たちの様々な恋の駆け引きもあったりと、お姫様の旅はなかなか困難なのです?!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる