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平成30年 おことば
2018,12,31
しおりを挟む さて、人を癒やし続けたイエスは弟子であるユダに裏切られ、捕らえられて十字架刑に処される。ユダが裏切られることも死刑になることもわかった上で、捕らえられて拷問を受け十字架を背負わされ長距離を歩かされ、死ぬ。
なんでもできる神の子イエス・キリストが、なんの抵抗もせず呆気なく死んでしまう。罪名がローマ帝国に対する反逆罪だから興味深い。ユダヤ教徒に間違った教えを伝導したことで死刑となってしまう。
イエスは、一番重要なのは愛だと言った。隣人を愛せ、敵を愛せ。頬を殴られたら逆の頬を差し出せ。そのイエスが弟子に逃げられ罵られ死んだ。
そして蘇って天に昇った。
渡辺は「はぁ?」と思った。神の子イエス・キリストがなんで呆気なく人に殺されてるのか、理解できなかった。捕らえられた理由も死刑になった理由も、事前に知っていたのに回避しようとしなかったことも、なにもかもわからない。
頭がクエスチョンマークでいっぱいな中聖書をめくると、またイエス・キリストの誕生から話が始まった。
入門によると、これが4大福音書というものらしい。4人の弟子が各自イエス・キリストを描いたものが収録されている。内容は重複することも多いが、それぞれでしか描かれていないこともある。
4大福音書の後に、弟子がその後どうしたかが描かれている。これがまた面白い。イエスの元から逃げたペテロという使徒が、捕らえられたり迫害されたりしながらイエスの教えを広めてゆく。
信者を徹底的に迫害していたパウロという者が天からのイエス・キリストの声を聞いて回心し、全国の教会に手紙を大量に送りつける。最後は、いつか来るとされるこの世の終わりを描いたヨハネの黙示録で終わる。
バランスとしては福音書が3割、使徒の働きが1割、手紙が4割、黙示録が1割といったところだ。
福音書で描かれたイエス・キリストは、天皇陛下のようだと渡辺は思った。弱者の手を取り励まし、人から忌み嫌われた職業の者を弟子にし、人から忌み嫌われた病いの者を癒やし、弱者を助けるよう教え、敵を愛せと言った。
奇跡の有無についてはまだ渡辺はどうとも思えないが、人々の目の前に来て話を聞き励ます姿に、渡辺は単純に感動した。
そんな方があまりに無惨な死に方をした理由がわからない。
それと前述の、神がいるとするならなぜ沈黙を続けるのか。
インターネットで調べても、本を読んでもよくわからない。ヤフー知恵袋で聖書に書かれた疑問を訊ねたところ、「教会に行って牧師なり神父なりに直接訊いたほうがいい」との返答を得た。
創価学会と仏教の間に挟まれていた渡辺は、当然教会になど行ったことがないし行こうと思ったこともない。海外の映画やドラマなどで見たことがある程度で、木のベンチが並んで奥に罪を告白する場所があるという印象。ドラゴンクエストではセーブと死んだキャラクターを復活させる場所だ。
いきなり教会に行くのはハードルが高すぎる。20歳前後の頃、創価学会の座談会に行ったのを思い出す。座談会は小中学生の頃に何度も行ったとは前述したが、それ以降は一切断っていた。何度も断っていたが、母に「私の顔を立てるってことで一回だけでも行って欲しい」と懇願され仕方なく参加した。
周りを固められて無理やり入会書に名前を書かされ、聖教新聞を開いて池田大作の言葉や創価学会に出会って人生が変わったという記事を絶賛する。座談会に参加している何人もの成人男性が、それぞれ人生が変わる1分間の深イイ学会話を語る。
池田先生が池田先生がと言われても、渡辺からすればただの爺さんでしかない。そんな人を目をバキバキにして褒め称える様子はホラーでしかなかった。
これがキリスト教会でも繰り返されるのではないか。行ったところが統一教会やエホバの証人のようなまともではない教会だったら。大金を請求されたりなにかを買わされたりしたら。不安は尽きない。
試しに渡辺が住む区やその周辺で検索すると、いくつもの教会が目につく。Youtube等で生配信や後日配信をしているところも多くあり、片っぱしから観ていく。
その頃、渡辺の私生活にトラブルが起きていた。木造5畳ワンルームに住んでいた渡辺は、隣人と騒音のトラブルで揉めて(転居の男、渡辺透https://www.alphapolis.co.jp/novel/956347457/875766632/episode/7232726参照)いた。。
2番目に収録されているマルコの福音書に祈りの言葉が書いてある。その後にあなたがたが祈り求めるものは何でも、すでに得たと信じなさい。そうすれば、そのとおりになります。と書かれている。
ものは試しにと、その日から渡辺は寝る前に祈るようになった。騒音トラブルから開放されるようにと祈った。
なんでもできる神の子イエス・キリストが、なんの抵抗もせず呆気なく死んでしまう。罪名がローマ帝国に対する反逆罪だから興味深い。ユダヤ教徒に間違った教えを伝導したことで死刑となってしまう。
イエスは、一番重要なのは愛だと言った。隣人を愛せ、敵を愛せ。頬を殴られたら逆の頬を差し出せ。そのイエスが弟子に逃げられ罵られ死んだ。
そして蘇って天に昇った。
渡辺は「はぁ?」と思った。神の子イエス・キリストがなんで呆気なく人に殺されてるのか、理解できなかった。捕らえられた理由も死刑になった理由も、事前に知っていたのに回避しようとしなかったことも、なにもかもわからない。
頭がクエスチョンマークでいっぱいな中聖書をめくると、またイエス・キリストの誕生から話が始まった。
入門によると、これが4大福音書というものらしい。4人の弟子が各自イエス・キリストを描いたものが収録されている。内容は重複することも多いが、それぞれでしか描かれていないこともある。
4大福音書の後に、弟子がその後どうしたかが描かれている。これがまた面白い。イエスの元から逃げたペテロという使徒が、捕らえられたり迫害されたりしながらイエスの教えを広めてゆく。
信者を徹底的に迫害していたパウロという者が天からのイエス・キリストの声を聞いて回心し、全国の教会に手紙を大量に送りつける。最後は、いつか来るとされるこの世の終わりを描いたヨハネの黙示録で終わる。
バランスとしては福音書が3割、使徒の働きが1割、手紙が4割、黙示録が1割といったところだ。
福音書で描かれたイエス・キリストは、天皇陛下のようだと渡辺は思った。弱者の手を取り励まし、人から忌み嫌われた職業の者を弟子にし、人から忌み嫌われた病いの者を癒やし、弱者を助けるよう教え、敵を愛せと言った。
奇跡の有無についてはまだ渡辺はどうとも思えないが、人々の目の前に来て話を聞き励ます姿に、渡辺は単純に感動した。
そんな方があまりに無惨な死に方をした理由がわからない。
それと前述の、神がいるとするならなぜ沈黙を続けるのか。
インターネットで調べても、本を読んでもよくわからない。ヤフー知恵袋で聖書に書かれた疑問を訊ねたところ、「教会に行って牧師なり神父なりに直接訊いたほうがいい」との返答を得た。
創価学会と仏教の間に挟まれていた渡辺は、当然教会になど行ったことがないし行こうと思ったこともない。海外の映画やドラマなどで見たことがある程度で、木のベンチが並んで奥に罪を告白する場所があるという印象。ドラゴンクエストではセーブと死んだキャラクターを復活させる場所だ。
いきなり教会に行くのはハードルが高すぎる。20歳前後の頃、創価学会の座談会に行ったのを思い出す。座談会は小中学生の頃に何度も行ったとは前述したが、それ以降は一切断っていた。何度も断っていたが、母に「私の顔を立てるってことで一回だけでも行って欲しい」と懇願され仕方なく参加した。
周りを固められて無理やり入会書に名前を書かされ、聖教新聞を開いて池田大作の言葉や創価学会に出会って人生が変わったという記事を絶賛する。座談会に参加している何人もの成人男性が、それぞれ人生が変わる1分間の深イイ学会話を語る。
池田先生が池田先生がと言われても、渡辺からすればただの爺さんでしかない。そんな人を目をバキバキにして褒め称える様子はホラーでしかなかった。
これがキリスト教会でも繰り返されるのではないか。行ったところが統一教会やエホバの証人のようなまともではない教会だったら。大金を請求されたりなにかを買わされたりしたら。不安は尽きない。
試しに渡辺が住む区やその周辺で検索すると、いくつもの教会が目につく。Youtube等で生配信や後日配信をしているところも多くあり、片っぱしから観ていく。
その頃、渡辺の私生活にトラブルが起きていた。木造5畳ワンルームに住んでいた渡辺は、隣人と騒音のトラブルで揉めて(転居の男、渡辺透https://www.alphapolis.co.jp/novel/956347457/875766632/episode/7232726参照)いた。。
2番目に収録されているマルコの福音書に祈りの言葉が書いてある。その後にあなたがたが祈り求めるものは何でも、すでに得たと信じなさい。そうすれば、そのとおりになります。と書かれている。
ものは試しにと、その日から渡辺は寝る前に祈るようになった。騒音トラブルから開放されるようにと祈った。
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