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第三章 5月‐結
お姉さま、デートの時間です 5 ★幸の時間★
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にっこりと沢城先輩に促されて、幸はオムライスをスプーンですくって口に運んだ。
ふんわりとした半熟卵と相性抜群のバターライスの味がほろりと口の中で広がって。
美味しい…!
幸せな気分でそのまま、満面の笑みになってしまう。
思わず感想を言うことを忘れて、そのままもう一口もう一口と食べ進め。
しばらくしてから、楽しそうに幸を見つめたままの沢城先輩に気付いてハッとした。
「…す、すみません」
「え?あ、こちらこそ、見ていて申し訳ないです。とっても美味しそうに食べてくれるなあと嬉しくなってしまって」
その言葉に反応して、見てみると沢城先輩はまだ一口も食べていない。
もしや幸の感想を待っていたのだろうか。
そう思って幸は動揺してしまう。
「すごく美味しいです。思わず沢城先輩の存在を完全に忘れていました」
そう言うと、沢城先輩は一瞬瞬きしてから、顔を背けて、噴き出した。
「そ、そうですか。忘れられてしまいましたか」
「え、あ…はい。すみません」
「いえ。喜んで頂けて何よりです」
そういって、ふと悪戯を思いついたように沢城先輩は目を輝かせた。
自分のハンバーグを一口分切って、さらに器用にその上に目玉焼きの黄身をすくって乗せてから、フォークに取り、幸に笑いかける。
「良ければ、これも食べてみませんか?とても美味しいですよ」
「え?」
「はい、どうぞ」
そのまま、幸の方へ。
フォークを持った手がすっと動いて。
思わず、そのハンバーグの吸い寄せられるように、口を開いていた。
そのまま、ぱくっと一口。
今度は口の中に、なんともジューシーなハンバーグの旨味が広がっていく
「美味しい…」
先に食べていたオムライスとの相性も抜群。
頬がゆるゆると緩んでしまう。
幸の様子を見ている沢城先輩は、まるで小動物におやつでも与えたように幸せそうな顔をしていたが、それに気付く余裕などはない
「お肉とソースのバランスが絶妙です!玉子もトロトロで、幸せです!」
「そんなに喜んで頂けると私も嬉しいです。もう一口食べますか?」
「え?」
一瞬目を輝かせてから、ハッとする。
沢城先輩はさっきから自分は全く食べていないのだ。そうして幸ばかりが食べている。
もちろん、ご両親の料理なら食べなれているのかもしれないが、このまま与えられるままに食べてしまっては、大切なデザートが入らなくなるかもしれない。
そう思えば無闇に与えられたからと食べるわけにはいかなかった。
「さ、沢城先輩が私のオムライスも食べて下さるなら」
「オムライスをですか?え、でも。念願のオムライスですよね?」
沢城先輩は目を丸くして、理由が分からないと言わんばかりに聞き返した。
幸は大きく頷いて肯定する。
「そうです!オムライスは大好きです!とっても好きです」
「なら私が頂くわけには。もしかしてお口に合いませんでしたか?」
眉を下げて悲しげな表情を見せた沢城先輩に、幸は慌てて勢いよく首を振ってみせた。
「とても美味しいです。ハンバーグもとてもとても美味しかったです。でも私のお腹の許容量は限りがあるんです。以外と沢山入りますけど、一応一般女性並みしか入らないと思ってます」
「…そ、そうでしょうね」
勢いに押されて、ちらり、と沢城先輩が幸のお腹を見たような気がする。
それでどう思ったかはわからないけど、同意を得ることの方が大切なので細かいことは気にしない。
「ですので。このあとのデザートの居場所はきちんと考えて確保しておかないとならないんです!」
「……ああ。デザートですか」
沢城先輩は少し間を持たせてから、納得したように頷いた。
ふんわりとした半熟卵と相性抜群のバターライスの味がほろりと口の中で広がって。
美味しい…!
幸せな気分でそのまま、満面の笑みになってしまう。
思わず感想を言うことを忘れて、そのままもう一口もう一口と食べ進め。
しばらくしてから、楽しそうに幸を見つめたままの沢城先輩に気付いてハッとした。
「…す、すみません」
「え?あ、こちらこそ、見ていて申し訳ないです。とっても美味しそうに食べてくれるなあと嬉しくなってしまって」
その言葉に反応して、見てみると沢城先輩はまだ一口も食べていない。
もしや幸の感想を待っていたのだろうか。
そう思って幸は動揺してしまう。
「すごく美味しいです。思わず沢城先輩の存在を完全に忘れていました」
そう言うと、沢城先輩は一瞬瞬きしてから、顔を背けて、噴き出した。
「そ、そうですか。忘れられてしまいましたか」
「え、あ…はい。すみません」
「いえ。喜んで頂けて何よりです」
そういって、ふと悪戯を思いついたように沢城先輩は目を輝かせた。
自分のハンバーグを一口分切って、さらに器用にその上に目玉焼きの黄身をすくって乗せてから、フォークに取り、幸に笑いかける。
「良ければ、これも食べてみませんか?とても美味しいですよ」
「え?」
「はい、どうぞ」
そのまま、幸の方へ。
フォークを持った手がすっと動いて。
思わず、そのハンバーグの吸い寄せられるように、口を開いていた。
そのまま、ぱくっと一口。
今度は口の中に、なんともジューシーなハンバーグの旨味が広がっていく
「美味しい…」
先に食べていたオムライスとの相性も抜群。
頬がゆるゆると緩んでしまう。
幸の様子を見ている沢城先輩は、まるで小動物におやつでも与えたように幸せそうな顔をしていたが、それに気付く余裕などはない
「お肉とソースのバランスが絶妙です!玉子もトロトロで、幸せです!」
「そんなに喜んで頂けると私も嬉しいです。もう一口食べますか?」
「え?」
一瞬目を輝かせてから、ハッとする。
沢城先輩はさっきから自分は全く食べていないのだ。そうして幸ばかりが食べている。
もちろん、ご両親の料理なら食べなれているのかもしれないが、このまま与えられるままに食べてしまっては、大切なデザートが入らなくなるかもしれない。
そう思えば無闇に与えられたからと食べるわけにはいかなかった。
「さ、沢城先輩が私のオムライスも食べて下さるなら」
「オムライスをですか?え、でも。念願のオムライスですよね?」
沢城先輩は目を丸くして、理由が分からないと言わんばかりに聞き返した。
幸は大きく頷いて肯定する。
「そうです!オムライスは大好きです!とっても好きです」
「なら私が頂くわけには。もしかしてお口に合いませんでしたか?」
眉を下げて悲しげな表情を見せた沢城先輩に、幸は慌てて勢いよく首を振ってみせた。
「とても美味しいです。ハンバーグもとてもとても美味しかったです。でも私のお腹の許容量は限りがあるんです。以外と沢山入りますけど、一応一般女性並みしか入らないと思ってます」
「…そ、そうでしょうね」
勢いに押されて、ちらり、と沢城先輩が幸のお腹を見たような気がする。
それでどう思ったかはわからないけど、同意を得ることの方が大切なので細かいことは気にしない。
「ですので。このあとのデザートの居場所はきちんと考えて確保しておかないとならないんです!」
「……ああ。デザートですか」
沢城先輩は少し間を持たせてから、納得したように頷いた。
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