拝啓、お姉さまへ

一華

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第一章 4月

お姉さまに聞きたいことがあります! ★4★

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「広いお風呂気持ちいいねー」
はふーと、どちらからともなくため息。
どうものんびりし過ぎたらしく、湯船に浸かってるのは、先ほど追い越した人と3人だけだった。
それどころか、二年生が入り口まだ来て、お風呂の準備を始めているので、最終グループだろう。

なんとなく、もう1人に目が行く。
日に焼けた肌とお風呂に浸かってても分かる背の高さ。短髪が男の子みたいな少女は、おそらく同級生だと思うが、間違いないだろうか?
少なくとも食堂では挨拶してない。

「あの、さっき夕食でお会いしませんでしたね」
「部活、してきたから。さっき帰ってきて慌てて食べたの」
「部活?と言うことは」
先輩だろうか?と言葉を選んでいると
「1年だよ。入学前だけど、練習させてもらってるの」
一年生なのか。良く通る声をしていた。
なんだかカッコいい。
その言葉に2人から自己紹介をすると、はにかむように笑って見せた。
「高村かおる。陸上部よ」
「脚早いの?」
「まぁまぁ、かな」
そういいながら、どこか自信を感じる言い方だ。
常葉学園は、スポーツ推薦からの特待生受け入れもしていたはずなので、その枠での合格者なのかもしれない。
部活動に既に参加しているとは、一足先に常葉学園の一員になったようだ。
ワクワクする気持ちになってしまう。
「学園はどうだった?」
「今日は部室とグラウンドしか見てないけど、良く整備されてると思ったよ。わざわざ出てきて良かった」
「薫さんはどこ出身なの?」
「静岡」
短く答えつつ、疲れを癒すように伸びをする姿はどこか絵になる。

「そういえば、助言者メンター制度のこと聞いた?」
ふと思い出したように、薫さんが口に出した。
さっきまで志奈さんと話していただけに、柚鈴は口ごもってしまう。
湯だったのか少し赤くなった顔の幸さんがうんっと大きく頷く。
「聞いたよ!と、いうか聞いてたというべきかな。親戚に常葉学園出身者がいるんだ。その時とは制度変わっちゃったみたいだけど、今の助言者メンター制度についても教えてもらった」

幸さんの親戚は『お姉さまと妹』がメインだったころに常葉学園にいたんだろうか?
私がお風呂に鼻近くまで浸かって話を聞いていると、薫は困ったように頭をかいた。
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