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サイドストーリー
フォーゼムの観察
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その出来事に遭遇したのはたまたまだった。
16になったあの日、王宮の庭園の一目につかないお気に入りの場所で寝転がっていた私はいつの間にかうたた寝していた。
父も母も貴族の集まりに私を連れて行ったが、邪魔くさくなって途中で抜け出したのだ。
目が覚めたのは人の声がしたからだ。起き上がるのも面倒くさくて、しばらくその場にいると話している内容が聞こえてきた。
「カレン、やめておきなさい。そんなことするものではないわ」
凛とした声で声の主は何やらもう片方の女性を嗜めているようだった。
「うるさいわね。だってあの子気に入らないんだもの。」
「だからと言って」
「カリーナ、うるさいってば!私があの子を仲間はずれにしようが関係ないでしょ!」
「された方は傷つくわ。あなただっていつか自分のしたことの重大さに押しつぶされるかもしれない。」
どうやらカレンと呼ばれた少女が友人を虐めようとしているようで、もう一人のカリーナと言う少女がそれを嗜めているようだ。
一体どんな子たちだ?完全に興味本位でそっと様子を伺うと、十を少し超えたよく似た少女が二人いた。右側の少女は柔らかい雰囲気で、左側の少女はきつい印象の少女だ。
右側の子がカリーナだな、と思った瞬間、その子の口から発せられた言葉に驚いた。
「大して可愛くもないくせに、偉そうなのよ、あのブス」
「やめなさい、そんなこと言うものではないわ」
「そりゃ、カリーナは自分だって容姿に自信がないものね。誰から見ても悪人面だし」
私はその瞬間見た目で判断した自分が恥ずかしくなった。
なるほど、確かにカリーナと言う少女は切れ長の瞳が一見するときつい印象を与える。しかし慎ましい服装に身を包み、瞳には自信のなさと共に他者を思いやる優しさが同居しているのが見て取れる。
一方カレンは、優しげに下がった目尻が特徴的だが、自分の美しさを誇示するような華美なドレスに加え、瞳には人を馬鹿にしたようや色合いが浮かんでいる。
いずれにせよ、今ここで私が話を聞いていたとあってはこの少女達も恥ずかしいだろうし、得策ではないと思いそっとその場を後にした。
5年後再び、彼女達に関わることになるとも知らずに。
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「カレン、やめておきなさい。そんなことするものではないわ」
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「うるさいわね。だってあの子気に入らないんだもの。」
「だからと言って」
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どうやらカレンと呼ばれた少女が友人を虐めようとしているようで、もう一人のカリーナと言う少女がそれを嗜めているようだ。
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「大して可愛くもないくせに、偉そうなのよ、あのブス」
「やめなさい、そんなこと言うものではないわ」
「そりゃ、カリーナは自分だって容姿に自信がないものね。誰から見ても悪人面だし」
私はその瞬間見た目で判断した自分が恥ずかしくなった。
なるほど、確かにカリーナと言う少女は切れ長の瞳が一見するときつい印象を与える。しかし慎ましい服装に身を包み、瞳には自信のなさと共に他者を思いやる優しさが同居しているのが見て取れる。
一方カレンは、優しげに下がった目尻が特徴的だが、自分の美しさを誇示するような華美なドレスに加え、瞳には人を馬鹿にしたようや色合いが浮かんでいる。
いずれにせよ、今ここで私が話を聞いていたとあってはこの少女達も恥ずかしいだろうし、得策ではないと思いそっとその場を後にした。
5年後再び、彼女達に関わることになるとも知らずに。
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