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第3章 私の魔法は奇跡だって起こせるんだよ
やっと歩けるようになったよ。褒めて褒めて!
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私は五歳になったよ。可愛い杖を装備しているんだよ。・・・・・・魔法の発動体ではないけどね。
魔法はお金さえ支払えば発動できるから、この世界では杖のような媒介はいらないんだって。
なら、どうして私が杖を持っているかって? よくぞ聞いてくれました。それはね、歩くためだよ。
一時はどうなることかと不安だったけど、私はおかげさまでゆっくりと自分の足で地を踏み締めることができるようになった。杖の補助なしではまだまともに歩みを進めることは無理だけどね。ハイハイすらできなかったのだから、大きな進歩と言えるよね。ママは涙を流して、自分のことのように喜んでくれたよ。頑張った甲斐があるというものだね。
お絵描きや おままごとには付き合えるようになったから、プリシラ達との遊びの幅も広がったよ。
庭園を一人で・・・・・・は不可能だけど、必ず誰かの付き添いがあるからね。それでも散策することができるようになった。ウキウキするね。
時間制限があるんだけどね。一日二時間が活動限界みたい。気を付けないと食事さえ ままならなくなってしまう。
今日はプリシラ達とおままごとを楽しむよ。
プリシラはママ役をやりたがっている。他に候補者はいないから、決定でいいよね。
リアラはお姉ちゃんだって。まだ自分の事をリアラって言っているのに、背伸びしたいお年頃なんだね。いいよいいよ。ここも決定ってことで。
エトワールは、なぜかお婆ちゃん役を選んでいた。よく聞くと、彼女には素敵なお婆ちゃんがいるんだって。 エトワールは 憧れの存在に少しでも近付きたくて、お婆ちゃんになりきってみせると意気込んでいた。うん、まあ頑張ってね。
フレドリックは、男の子なのに時々おままごとに参加してくれる。今日は参加してくれる日のようだね。 パパ役をしてくれるそうだ。
おままごとに付き合ってくれる物好き・・・・・・優しい男の子が他にもいた。ラクス= エスポワール伯爵子息で、確か 攻略対象の一人だったはずだよ。将来は フレドリックの 側近になるんだよね。お兄ちゃん役を引き受けてくれたよ。
ラクスは心なしか私に似ている気がするんだけど・・・・・・私は平民のはずだから、偶然だよね。世界には自分に似た人が三人は存在するそうだからね。きっと、そういうことなんだよ。
因みに私は、赤ちゃん役だよ。泣いてばかりいるだけの簡単な役だね。・・・・・・なぜ!? 私も普通にお喋りできる役にしてよ!
ラクスがじっと私のことを見つめてくる。私って、そんなに可愛い? なんてね。
いや、本当にどういうつもりなのかな。彼は探るような目付きのような気がするんだけど、私は平凡な女の子だよ。魔法の才能があっても、 金貨9999枚という制限があっては 簡単に使用できるものではないからね。顔立ちもママの娘にしてはぱっとしない印象なんだよ。
見ていても面白いとは思えないんだけど、視線が気になって仕方がないよ!
「ラクス、何をそんなに熱心にエリカのことを見つめているんだい?」
「エリカのことが気になるので、話すきっかけを探しているところです」
フレドリックがそう尋ねると、ラクスは意味深に答えた。
プリシラとリアラは、「恋バナよ!」とはしゃいでいる。 エトワールは、やれやれと呆れるように首を横に振りつつも、なぜか耳を傾けてしっかりと話を聞いていた。恋バナは盛り上がるよね! ・・・・・・他人事ならね。
ラクスは、マジで私のことを好きなの!? 今までは一言も話さなかったのに、突然すぎないかな。いや、好きだからこそ声をかけられなかったってことだね。
私は平凡な容姿だと思っていたけど、実はそれなりにモテるんだね。プリシラを筆頭に私の周りには可愛い子が多いから、余り自信が持てなかったんだよ。だけど、一番最初に男の子から告白されそうなのが私だとは、有頂天になってしまいそうだよ。好きになってもらえるのは悪い気はしないけど、お互いのことを知らないとお付き合いは考えられないかな。
えへへ。いやぁ、参っちゃうね。
「こうして一緒に遊んでいるんだから、きっかけとしては十分だよね?」
「いや、俺はエリカと二人きりで話をしたいのですよ」
「「キャーッ!!」」
プリシラとリアラは、ハイテンションで黄色い悲鳴を上げていた。私も他人事なら、同じような反応をしていたと思うから怒らないけど、ラクスにとってはきっと初恋だよ。もう少しそっとしてあげた方がいいんじゃないかな。
そっか。ラクスは周囲から、からかわれるのが嫌で二人きりになりたいんだね。と言うか、いくつになっても大事な告白はロマンチックに二人きりでしたいものだよね。わかるわかる。
まだ恋愛対象としては考えられないけど、前向きにお友達から初めてもいいかもしれないね。
乙女ゲーム転生を題材としている小説だと普通、最初の方は攻略対象者を避けるものだけど、私はそんなことしないよ。仲良くなりたいならなればいい。
魔王アスモデリアがいない世界で、 さすがにバッドエンドはありえないでしょ。
私の選択で悪い結果が起きたとしても、 現実はもともと未来が誰にもわからないものだから、 結果を受け入れて、 その後に改めてどうやって対処するのか考えていけばいいんだよ。
「じゃあ、隣の部屋に行こうよ」
私がそう提案すると、ラクスは笑顔になった。
「ありがとう」
さすが攻略対象者なだけあるね。素敵な笑顔が破壊力抜群だ。
魔法はお金さえ支払えば発動できるから、この世界では杖のような媒介はいらないんだって。
なら、どうして私が杖を持っているかって? よくぞ聞いてくれました。それはね、歩くためだよ。
一時はどうなることかと不安だったけど、私はおかげさまでゆっくりと自分の足で地を踏み締めることができるようになった。杖の補助なしではまだまともに歩みを進めることは無理だけどね。ハイハイすらできなかったのだから、大きな進歩と言えるよね。ママは涙を流して、自分のことのように喜んでくれたよ。頑張った甲斐があるというものだね。
お絵描きや おままごとには付き合えるようになったから、プリシラ達との遊びの幅も広がったよ。
庭園を一人で・・・・・・は不可能だけど、必ず誰かの付き添いがあるからね。それでも散策することができるようになった。ウキウキするね。
時間制限があるんだけどね。一日二時間が活動限界みたい。気を付けないと食事さえ ままならなくなってしまう。
今日はプリシラ達とおままごとを楽しむよ。
プリシラはママ役をやりたがっている。他に候補者はいないから、決定でいいよね。
リアラはお姉ちゃんだって。まだ自分の事をリアラって言っているのに、背伸びしたいお年頃なんだね。いいよいいよ。ここも決定ってことで。
エトワールは、なぜかお婆ちゃん役を選んでいた。よく聞くと、彼女には素敵なお婆ちゃんがいるんだって。 エトワールは 憧れの存在に少しでも近付きたくて、お婆ちゃんになりきってみせると意気込んでいた。うん、まあ頑張ってね。
フレドリックは、男の子なのに時々おままごとに参加してくれる。今日は参加してくれる日のようだね。 パパ役をしてくれるそうだ。
おままごとに付き合ってくれる物好き・・・・・・優しい男の子が他にもいた。ラクス= エスポワール伯爵子息で、確か 攻略対象の一人だったはずだよ。将来は フレドリックの 側近になるんだよね。お兄ちゃん役を引き受けてくれたよ。
ラクスは心なしか私に似ている気がするんだけど・・・・・・私は平民のはずだから、偶然だよね。世界には自分に似た人が三人は存在するそうだからね。きっと、そういうことなんだよ。
因みに私は、赤ちゃん役だよ。泣いてばかりいるだけの簡単な役だね。・・・・・・なぜ!? 私も普通にお喋りできる役にしてよ!
ラクスがじっと私のことを見つめてくる。私って、そんなに可愛い? なんてね。
いや、本当にどういうつもりなのかな。彼は探るような目付きのような気がするんだけど、私は平凡な女の子だよ。魔法の才能があっても、 金貨9999枚という制限があっては 簡単に使用できるものではないからね。顔立ちもママの娘にしてはぱっとしない印象なんだよ。
見ていても面白いとは思えないんだけど、視線が気になって仕方がないよ!
「ラクス、何をそんなに熱心にエリカのことを見つめているんだい?」
「エリカのことが気になるので、話すきっかけを探しているところです」
フレドリックがそう尋ねると、ラクスは意味深に答えた。
プリシラとリアラは、「恋バナよ!」とはしゃいでいる。 エトワールは、やれやれと呆れるように首を横に振りつつも、なぜか耳を傾けてしっかりと話を聞いていた。恋バナは盛り上がるよね! ・・・・・・他人事ならね。
ラクスは、マジで私のことを好きなの!? 今までは一言も話さなかったのに、突然すぎないかな。いや、好きだからこそ声をかけられなかったってことだね。
私は平凡な容姿だと思っていたけど、実はそれなりにモテるんだね。プリシラを筆頭に私の周りには可愛い子が多いから、余り自信が持てなかったんだよ。だけど、一番最初に男の子から告白されそうなのが私だとは、有頂天になってしまいそうだよ。好きになってもらえるのは悪い気はしないけど、お互いのことを知らないとお付き合いは考えられないかな。
えへへ。いやぁ、参っちゃうね。
「こうして一緒に遊んでいるんだから、きっかけとしては十分だよね?」
「いや、俺はエリカと二人きりで話をしたいのですよ」
「「キャーッ!!」」
プリシラとリアラは、ハイテンションで黄色い悲鳴を上げていた。私も他人事なら、同じような反応をしていたと思うから怒らないけど、ラクスにとってはきっと初恋だよ。もう少しそっとしてあげた方がいいんじゃないかな。
そっか。ラクスは周囲から、からかわれるのが嫌で二人きりになりたいんだね。と言うか、いくつになっても大事な告白はロマンチックに二人きりでしたいものだよね。わかるわかる。
まだ恋愛対象としては考えられないけど、前向きにお友達から初めてもいいかもしれないね。
乙女ゲーム転生を題材としている小説だと普通、最初の方は攻略対象者を避けるものだけど、私はそんなことしないよ。仲良くなりたいならなればいい。
魔王アスモデリアがいない世界で、 さすがにバッドエンドはありえないでしょ。
私の選択で悪い結果が起きたとしても、 現実はもともと未来が誰にもわからないものだから、 結果を受け入れて、 その後に改めてどうやって対処するのか考えていけばいいんだよ。
「じゃあ、隣の部屋に行こうよ」
私がそう提案すると、ラクスは笑顔になった。
「ありがとう」
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