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第1章 転生少女の憂鬱
女神様に転生させてもらった時の話
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私は12歳という若さで死んでしまった。
ランドセルをからうことは二度とできない。 友達と遊ぶことも二度と出来ないんだ。
そう自覚すると泣きたくなるけど、 死んでしまった私には涙すら存在しなくて、 余計に悲しくなった。
私はこれからどこに行くのだろう。 小さな迷惑を人にかけてきたけど、 さすがに大きな悪いことはしていない。 地獄に落ちるということはないと思うけど・・・・・・ 不安が襲ってくる。
ここには誰もいない。 ひとりぼっちだというのが余計に気落ちさせる。
「 誰もいないの・・・・・・?」
「 誰もいませんね」
「 いるじゃないの!?」
私は女性の声がした方に裏手突っ込みをした。
「 初めまして。 私は女神の エセリアです」
「似非? 偽物の女神ってこと?」
「エセリアは 私の名前です! 本物の女神様ですよ」
「 自分のことを女神様なんて言うなんて怪しすぎるんだけど?」
「 そんなこと言われましても、本当のことだからしょうがないじゃないですか」
エセリアは、 べそをかいて泣き出してしまった。 今時の小学生でも、 あざとい女の子が嘘泣きするぐらいだよ。 いい大人が本気で泣いているとしたら、 情けないことこの上ないよね。
私の不安はすっかり吹き飛んだよ。 その点に関してはお礼を言わなきゃいけないかな。
「エセリア、 ありがとう」
「 ? どういたしまして」
「 それで、ここはどこなのかな?」
日本のあの世のイメージだと三途の川を渡って、 閻魔様に会って 天国行きか地獄行きかを決定されるはずだけど、 女神が出てくるのは 異世界転生のテンプレ小説のイメージしかない。
「ここは 転生の間です。 12歳という若さで亡くなった 恵梨香さんを 異世界転生させちゃいます」
マジで テンプレ通りなんだ。 小説ではありきたりな展開すぎて、 私は今一リアクションが取れなかった。
ノリツッコミをするべきだったかな。いや、 それだと絶対に滑っちゃうよね。
他に見ている人がいないところでオーバーリアクションというのも虚しい。
友達同士でしか楽しめないっていうこともあるしね。
「そうなんだ。エセリア、どうも ありがとう」
「 反応が悪いですね。人生をやり直せるのですよ。 嬉しくないのですか?」
正直どうなんだろう。 やり直すチャンスをもらえるのはありがたいことだけど、 仲の良かった友達とは二度と会えないんだよね。 異世界でもそれなりに 友達はできそうだけど、 それとこれとは別問題だよ。 やはり、お別れというものは寂しいものだからね。
異世界といえば魔法かな。 剣などで戦うのはピンとこない。 争いのない世界で のんびりまったりスローライフを楽しみたいものだよ。
「ねえ、エセリア。 転生チートはついてくるの?」
「 チートって何ですか?」
人を異世界転生させようという女神が、 チートを知らないってありえないんだけど!
「 すごい魔法を練習しなくても使えたりとか、そういうことだよ」
「恵梨香さんは 魔法特化にしたいのですか?」
「うん、そうだよ。 他の能力はいらない」
「でしたら、 全てのポイントを 魔法適性に 割り振りますか?」
能力値をポイントを割り振ることで決定できるなんて、 ゲームのようで面白そうだね。
もちろん私は、 全てのポイントを魔法適性につぎ込むよ。
ポイントは全部で9999あるから、 魔法適性9999にできるね。
「はい。 全てのポイントを 魔法関連に割り振ったよ」
「では、 生まれ変わりを・・・・・・」
「 ちょっと待って。 私が転生する世界はどんな場所なのかな?」
私は争い事が苦手だから平和に暮らしたい。 人を殴ったことも殴られたこともないし、 口喧嘩ですら苦手だ。
両親や兄弟がいて、 みんなに溺愛される展開が望ましいかな。 優しい人ばかりに囲まれて、すくすく育っていくの。
波乱万丈な人生なんて送りたくない。 私は普通に暮らしていきたいの。
「恵梨香さんが プレーしていた乙女ゲーム『 歌って踊れるネクロマンサーが ヒロイン だよ!?』によく似た 世界ですね」
なんてこったい!? ネクヒロは 戦闘要素のある乙女ゲームで、魔王が 世界征服を狙っていて、 戦争真っ只中のはずだよ!
このまま転生してしまったら、 いずれは戦争の道具にされそうじゃない私!?
「 魔法で 魔王を消し去ることはできないのかな・・・・・・?」
魔王を倒せるのは ヒロインとその仲間たちだけで、 レベルを上げて最終決戦でしか倒せなかった。 魔法一発であっさりと消滅させられる存在ではないよね。
言ってみただけ。
エセリアは、 他の小説に出てくる女神のように 残念な 女神だと思うから、 奇跡は期待できそうにない。
「 できますよ」
「今 、何て言った!?」
私の聞き間違いでなければ、エセリアは 魔王を 退治できるようなことを言ったよね。 後で冗談だとか抜かしたら容赦しないからね!
「恵梨香さんは 魔法適性9999だから、 それほど強力な 魔力を保持しています 。転生特典として一回だけ無料で魔法を発動することが可能だから、魔王の 一人や二人 、一撃で抹殺することができますよ。 生まれ変わった後のことですけどね」
諸悪の根源さえ消え去れば、 世界平和は 約束されたも同然だね。
私のスローライフが待っている。
そうと決まれば 、早く転生しないとね。
「 それじゃあ、早く私を転生させて」
「 それでは、恵梨香さんの 第二の人生に幸がありますように」
エセリアは そう願いを込めて、私を送り出してくれた。
優しい光に包まれて、 私は異世界へと旅立った。
ランドセルをからうことは二度とできない。 友達と遊ぶことも二度と出来ないんだ。
そう自覚すると泣きたくなるけど、 死んでしまった私には涙すら存在しなくて、 余計に悲しくなった。
私はこれからどこに行くのだろう。 小さな迷惑を人にかけてきたけど、 さすがに大きな悪いことはしていない。 地獄に落ちるということはないと思うけど・・・・・・ 不安が襲ってくる。
ここには誰もいない。 ひとりぼっちだというのが余計に気落ちさせる。
「 誰もいないの・・・・・・?」
「 誰もいませんね」
「 いるじゃないの!?」
私は女性の声がした方に裏手突っ込みをした。
「 初めまして。 私は女神の エセリアです」
「似非? 偽物の女神ってこと?」
「エセリアは 私の名前です! 本物の女神様ですよ」
「 自分のことを女神様なんて言うなんて怪しすぎるんだけど?」
「 そんなこと言われましても、本当のことだからしょうがないじゃないですか」
エセリアは、 べそをかいて泣き出してしまった。 今時の小学生でも、 あざとい女の子が嘘泣きするぐらいだよ。 いい大人が本気で泣いているとしたら、 情けないことこの上ないよね。
私の不安はすっかり吹き飛んだよ。 その点に関してはお礼を言わなきゃいけないかな。
「エセリア、 ありがとう」
「 ? どういたしまして」
「 それで、ここはどこなのかな?」
日本のあの世のイメージだと三途の川を渡って、 閻魔様に会って 天国行きか地獄行きかを決定されるはずだけど、 女神が出てくるのは 異世界転生のテンプレ小説のイメージしかない。
「ここは 転生の間です。 12歳という若さで亡くなった 恵梨香さんを 異世界転生させちゃいます」
マジで テンプレ通りなんだ。 小説ではありきたりな展開すぎて、 私は今一リアクションが取れなかった。
ノリツッコミをするべきだったかな。いや、 それだと絶対に滑っちゃうよね。
他に見ている人がいないところでオーバーリアクションというのも虚しい。
友達同士でしか楽しめないっていうこともあるしね。
「そうなんだ。エセリア、どうも ありがとう」
「 反応が悪いですね。人生をやり直せるのですよ。 嬉しくないのですか?」
正直どうなんだろう。 やり直すチャンスをもらえるのはありがたいことだけど、 仲の良かった友達とは二度と会えないんだよね。 異世界でもそれなりに 友達はできそうだけど、 それとこれとは別問題だよ。 やはり、お別れというものは寂しいものだからね。
異世界といえば魔法かな。 剣などで戦うのはピンとこない。 争いのない世界で のんびりまったりスローライフを楽しみたいものだよ。
「ねえ、エセリア。 転生チートはついてくるの?」
「 チートって何ですか?」
人を異世界転生させようという女神が、 チートを知らないってありえないんだけど!
「 すごい魔法を練習しなくても使えたりとか、そういうことだよ」
「恵梨香さんは 魔法特化にしたいのですか?」
「うん、そうだよ。 他の能力はいらない」
「でしたら、 全てのポイントを 魔法適性に 割り振りますか?」
能力値をポイントを割り振ることで決定できるなんて、 ゲームのようで面白そうだね。
もちろん私は、 全てのポイントを魔法適性につぎ込むよ。
ポイントは全部で9999あるから、 魔法適性9999にできるね。
「はい。 全てのポイントを 魔法関連に割り振ったよ」
「では、 生まれ変わりを・・・・・・」
「 ちょっと待って。 私が転生する世界はどんな場所なのかな?」
私は争い事が苦手だから平和に暮らしたい。 人を殴ったことも殴られたこともないし、 口喧嘩ですら苦手だ。
両親や兄弟がいて、 みんなに溺愛される展開が望ましいかな。 優しい人ばかりに囲まれて、すくすく育っていくの。
波乱万丈な人生なんて送りたくない。 私は普通に暮らしていきたいの。
「恵梨香さんが プレーしていた乙女ゲーム『 歌って踊れるネクロマンサーが ヒロイン だよ!?』によく似た 世界ですね」
なんてこったい!? ネクヒロは 戦闘要素のある乙女ゲームで、魔王が 世界征服を狙っていて、 戦争真っ只中のはずだよ!
このまま転生してしまったら、 いずれは戦争の道具にされそうじゃない私!?
「 魔法で 魔王を消し去ることはできないのかな・・・・・・?」
魔王を倒せるのは ヒロインとその仲間たちだけで、 レベルを上げて最終決戦でしか倒せなかった。 魔法一発であっさりと消滅させられる存在ではないよね。
言ってみただけ。
エセリアは、 他の小説に出てくる女神のように 残念な 女神だと思うから、 奇跡は期待できそうにない。
「 できますよ」
「今 、何て言った!?」
私の聞き間違いでなければ、エセリアは 魔王を 退治できるようなことを言ったよね。 後で冗談だとか抜かしたら容赦しないからね!
「恵梨香さんは 魔法適性9999だから、 それほど強力な 魔力を保持しています 。転生特典として一回だけ無料で魔法を発動することが可能だから、魔王の 一人や二人 、一撃で抹殺することができますよ。 生まれ変わった後のことですけどね」
諸悪の根源さえ消え去れば、 世界平和は 約束されたも同然だね。
私のスローライフが待っている。
そうと決まれば 、早く転生しないとね。
「 それじゃあ、早く私を転生させて」
「 それでは、恵梨香さんの 第二の人生に幸がありますように」
エセリアは そう願いを込めて、私を送り出してくれた。
優しい光に包まれて、 私は異世界へと旅立った。
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