58 / 117
第6章、 暗殺計画
非公式なお茶会バトル(  ̄▽ ̄)
しおりを挟む
王宮の中庭で非公式のお茶会が開かれることになった。
礼儀作法は特に気にしなくて、お茶とお菓子を楽しめばいい。
いきなりふたりきりだと緊張するからというわけで、 友人を招くことも 可能なようだ。
アンジェリカはもちろん呼ぶよ。
「 僕も行きたい!」
ラファルもね。
後はアレクは 強制参加だね。
「 俺は場違いじゃないのか?」
「 アレクは勇者として参加するんだよ」
「 俺は勇者じゃな......」
「 師匠の言うことが聞けないの?破門するよ?」
「 よくわからんけど、師匠の言う通りにするよ」
「 よろしい」
にっこり。
私の味方は アンジェリカと アレクとラファルの 3人だ。
対する アスファルの 陣営は、 アルバート、 ロイド 、エルヴィンの 3人を引き連れている。
さあ、 戦闘開始だ!
「 バージェス伯爵家はラファルが 継ぐのだろう。 魔王の脅威が亡くなった今、 私とエリスリーナ嬢の婚約に何の障害もないわけだ」
アスファルは笑えない冗談をのたまっている。
そんなものは想定済みだ。
私はアレクを指差した。
「 私は既に予約済みだよ」
「 貴族と平民の結婚が許されると思っているのかい?」
「 アレクは勇者だから、神に匹敵する権限を持っているよ。 神様とだって結婚できるんだから、 貴族の私となら余裕だよね」
アレクは目を見開いて驚いた表情をしているけれど、約束だから口を出さない。師匠の 言うことは絶対だからね。
アレクは 、魔王であるラファルが 勇者だと公言した。 勇者と魔王との戦闘の痛み分けにより、 魔王は人間との和平交渉を 発表した。
魔界でしか手に入らない 魔法石などの 品物を 貿易で手に入れることができるようになったのである。
貿易によりお互いの誤解が解け、いずれは軋轢もなくなっていくことだろう。
けれど人間界では勇者を、 魔界では魔王を核兵器のような 形で牽制に使い、 ぎりぎりの形で停戦協定を結んだのである。
アルファイン王国は、勇者が存在することによって魔界と貿易が出来るようになった。
勇者であるアレクを 国につなぎとめるために、 彼の師匠であり勇者に導いた妖精神子の エリスリーナを支柱に収めたかったというわけだ。
「 では、アレク殿にお願いしよう」
アスファルは標的を変えた。
「 まさかの男色!?」
「 両刀使いだよ!」
「? 二刀流のことか?」
私と アンジェリカが盛り上がっているところで、 アレクはきょとんとしていた。
アルバートとエルヴィンも分かっていない様子だ。
ロイドは本を読んでいて無関心。
ラファルは ニコニコと笑っている。...... 10歳の男の子だから分かってないよね。
アスファルは私たちの話を無視して、アレクに 頼み事をした。
「 アレク殿、この国にとどまってはもらえないだろうか」
「城に 仕えるということですか?」
「いや、 この国で生活してもらえればいい。 もちろん、その費用はこちらで払うことにしよう」
「? 俺はこの国から出て行く予定はないですよ」
「 それを聞いて安心したよ」
にっこり。
黒い笑顔だな。
勇者が国に仕えていたら、他国から 無差別殺人兵器ととられかねない。 たった一人で国を滅亡させるほどの力を持っているんだからね。
他国は 対策として連合を 結成して、 アルファイン王国を滅ぼすことだろう。
勇者の自由意志の選択というものが必要なのだ。
勇者がいることで魔族との貿易を独占できる。
他国に 疎まれない程度に 魔界の品物を流通させ、 利益を得る。
話はこれで終わり。
後はお茶とお菓子を楽しむだけだね。
ところが、 アスファルはさらに私に話しかけてきた。
「 敵対国に怪しい動きがあってね。 エリスリーナ嬢、山賊に捕まってくれないかな」
ニコニコ。
礼儀作法は特に気にしなくて、お茶とお菓子を楽しめばいい。
いきなりふたりきりだと緊張するからというわけで、 友人を招くことも 可能なようだ。
アンジェリカはもちろん呼ぶよ。
「 僕も行きたい!」
ラファルもね。
後はアレクは 強制参加だね。
「 俺は場違いじゃないのか?」
「 アレクは勇者として参加するんだよ」
「 俺は勇者じゃな......」
「 師匠の言うことが聞けないの?破門するよ?」
「 よくわからんけど、師匠の言う通りにするよ」
「 よろしい」
にっこり。
私の味方は アンジェリカと アレクとラファルの 3人だ。
対する アスファルの 陣営は、 アルバート、 ロイド 、エルヴィンの 3人を引き連れている。
さあ、 戦闘開始だ!
「 バージェス伯爵家はラファルが 継ぐのだろう。 魔王の脅威が亡くなった今、 私とエリスリーナ嬢の婚約に何の障害もないわけだ」
アスファルは笑えない冗談をのたまっている。
そんなものは想定済みだ。
私はアレクを指差した。
「 私は既に予約済みだよ」
「 貴族と平民の結婚が許されると思っているのかい?」
「 アレクは勇者だから、神に匹敵する権限を持っているよ。 神様とだって結婚できるんだから、 貴族の私となら余裕だよね」
アレクは目を見開いて驚いた表情をしているけれど、約束だから口を出さない。師匠の 言うことは絶対だからね。
アレクは 、魔王であるラファルが 勇者だと公言した。 勇者と魔王との戦闘の痛み分けにより、 魔王は人間との和平交渉を 発表した。
魔界でしか手に入らない 魔法石などの 品物を 貿易で手に入れることができるようになったのである。
貿易によりお互いの誤解が解け、いずれは軋轢もなくなっていくことだろう。
けれど人間界では勇者を、 魔界では魔王を核兵器のような 形で牽制に使い、 ぎりぎりの形で停戦協定を結んだのである。
アルファイン王国は、勇者が存在することによって魔界と貿易が出来るようになった。
勇者であるアレクを 国につなぎとめるために、 彼の師匠であり勇者に導いた妖精神子の エリスリーナを支柱に収めたかったというわけだ。
「 では、アレク殿にお願いしよう」
アスファルは標的を変えた。
「 まさかの男色!?」
「 両刀使いだよ!」
「? 二刀流のことか?」
私と アンジェリカが盛り上がっているところで、 アレクはきょとんとしていた。
アルバートとエルヴィンも分かっていない様子だ。
ロイドは本を読んでいて無関心。
ラファルは ニコニコと笑っている。...... 10歳の男の子だから分かってないよね。
アスファルは私たちの話を無視して、アレクに 頼み事をした。
「 アレク殿、この国にとどまってはもらえないだろうか」
「城に 仕えるということですか?」
「いや、 この国で生活してもらえればいい。 もちろん、その費用はこちらで払うことにしよう」
「? 俺はこの国から出て行く予定はないですよ」
「 それを聞いて安心したよ」
にっこり。
黒い笑顔だな。
勇者が国に仕えていたら、他国から 無差別殺人兵器ととられかねない。 たった一人で国を滅亡させるほどの力を持っているんだからね。
他国は 対策として連合を 結成して、 アルファイン王国を滅ぼすことだろう。
勇者の自由意志の選択というものが必要なのだ。
勇者がいることで魔族との貿易を独占できる。
他国に 疎まれない程度に 魔界の品物を流通させ、 利益を得る。
話はこれで終わり。
後はお茶とお菓子を楽しむだけだね。
ところが、 アスファルはさらに私に話しかけてきた。
「 敵対国に怪しい動きがあってね。 エリスリーナ嬢、山賊に捕まってくれないかな」
ニコニコ。
0
お気に入りに追加
637
あなたにおすすめの小説
公爵令嬢は薬師を目指す~悪役令嬢ってなんですの?~【短編版】
ゆうの
ファンタジー
公爵令嬢、ミネルヴァ・メディシスは時折夢に見る。「治癒の神力を授かることができなかった落ちこぼれのミネルヴァ・メディシス」が、婚約者である第一王子殿下と恋に落ちた男爵令嬢に毒を盛り、断罪される夢を。
――しかし、夢から覚めたミネルヴァは、そのたびに、思うのだ。「医者の家系《メディシス》に生まれた自分がよりによって誰かに毒を盛るなんて真似をするはずがないのに」と。
これは、「治癒の神力」を授かれなかったミネルヴァが、それでもメディシスの人間たろうと努力した、その先の話。
※ 様子見で(一応)短編として投稿します。反響次第では長編化しようかと(「その後」を含めて書きたいエピソードは山ほどある)。
悪役令嬢によればこの世界は乙女ゲームの世界らしい
斯波
ファンタジー
ブラック企業を辞退した私が卒業後に手に入れたのは無職の称号だった。不服そうな親の目から逃れるべく、喫茶店でパート情報を探そうとしたが暴走トラックに轢かれて人生を終えた――かと思ったら村人達に恐れられ、軟禁されている10歳の少女に転生していた。どうやら少女の強大すぎる魔法は村人達の恐怖の対象となったらしい。村人の気持ちも分からなくはないが、二度目の人生を小屋での軟禁生活で終わらせるつもりは毛頭ないので、逃げることにした。だが私には強すぎるステータスと『ポイント交換システム』がある!拠点をテントに決め、日々魔物を狩りながら自由気ままな冒険者を続けてたのだが……。
※1.恋愛要素を含みますが、出てくるのが遅いのでご注意ください。
※2.『悪役令嬢に転生したので断罪エンドまでぐーたら過ごしたい 王子がスパルタとか聞いてないんですけど!?』と同じ世界観・時間軸のお話ですが、こちらだけでもお楽しみいただけます。
乙女ゲームの断罪イベントが終わった世界で転生したモブは何を思う
ひなクラゲ
ファンタジー
ここは乙女ゲームの世界
悪役令嬢の断罪イベントも終わり、無事にエンディングを迎えたのだろう…
主人公と王子の幸せそうな笑顔で…
でも転生者であるモブは思う
きっとこのまま幸福なまま終わる筈がないと…
乙女ゲームの悪役令嬢は生れかわる
レラン
恋愛
前世でプレーした。乙女ゲーム内に召喚転生させられた主人公。
すでに危機的状況の悪役令嬢に転生してしまい、ゲームに関わらないようにしていると、まさかのチート発覚!?
私は平穏な暮らしを求めただけだっだのに‥‥ふふふ‥‥‥チートがあるなら最大限活用してやる!!
そう意気込みのやりたい放題の、元悪役令嬢の日常。
⚠︎語彙力崩壊してます⚠︎
⚠︎誤字多発です⚠︎
⚠︎話の内容が薄っぺらです⚠︎
⚠︎ざまぁは、結構後になってしまいます⚠︎
悪役令嬢に転生したのですが、フラグが見えるのでとりま折らせていただきます
水無瀬流那
恋愛
転生先は、未プレイの乙女ゲーの悪役令嬢だった。それもステータスによれば、死ぬ確率は100%というDEATHエンド確定令嬢らしい。
このままでは死んでしまう、と焦る私に与えられていたスキルは、『フラグ破壊レベル∞』…………?
使い方も詳細も何もわからないのですが、DEATHエンド回避を目指して、とりまフラグを折っていこうと思います!
※小説家になろうでも掲載しています
あいつに無理矢理連れてこられた異世界生活
mio
ファンタジー
なんやかんや、無理矢理あいつに異世界へと連れていかれました。
こうなったら仕方ない。とにかく、平和に楽しく暮らしていこう。
なぜ、少女は異世界へと連れてこられたのか。
自分の中に眠る力とは何なのか。
その答えを知った時少女は、ある決断をする。
長い間更新をさぼってしまってすいませんでした!
モブ系悪役令嬢は人助けに忙しい(完結)
優摘
ファンタジー
※プロローグ以降の各話に題名をつけて、加筆、減筆、修正をしています。(’23.9.11)
<内容紹介>
ある日目覚めた「私」は、自分が乙女ゲームの意地悪で傲慢な悪役令嬢アリアナになっている事に気付いて愕然とする。
しかもアリアナは第一部のモブ系悪役令嬢!。悪役なのに魔力がゼロの最弱キャラだ。
このままではゲームの第一部で婚約者のディーンに断罪され、学園卒業後にロリコン親父と結婚させられてしまう!
「私」はロリコン回避の為にヒロインや婚約者、乙女ゲームの他の攻略対象と関わらないようにするが、なぜかうまく行かない。
しかもこの乙女ゲームは、未知の第3部まであり、先が読めない事ばかり。
意地悪で傲慢な悪役令嬢から、お人よしで要領の悪い公爵令嬢になったアリアナは、頭脳だけを武器にロリコンから逃げる為に奮闘する。
だけど、アリアナの身体の中にはゲームの知識を持つ「私」以外に本物の「アリアナ」が存在するみたい。
さらに自分と同じ世界の前世を持つ、登場人物も現れる。
しかも超がつく鈍感な「私」は周りからのラブに全く気付かない。
そして「私」とその登場人物がゲーム通りの動きをしないせいか、どんどんストーリーが変化していって・・・。
一年以上かかりましたがようやく完結しました。
また番外編を書きたいと思ってます。
カクヨムさんで加筆修正したものを、少しずつアップしています。
乙女ゲームに悪役転生な無自覚チートの異世界譚
水魔沙希
ファンタジー
モブに徹していた少年がなくなり、転生したら乙女ゲームの悪役になっていた。しかも、王族に生まれながらも、1歳の頃に誘拐され、王族に恨みを持つ少年に転生してしまったのだ!
そんな運命なんてクソくらえだ!前世ではモブに徹していたんだから、この悪役かなりの高いスペックを持っているから、それを活用して、なんとか生き残って、前世ではできなかった事をやってやるんだ!!
最近よくある乙女ゲームの悪役転生ものの話です。
だんだんチート(無自覚)になっていく主人公の冒険譚です(予定)です。
チートの成長率ってよく分からないです。
初めての投稿で、駄文ですが、どうぞよろしくお願いいたします。
会話文が多いので、本当に状況がうまく伝えられずにすみません!!
あ、ちなみにこんな乙女ゲームないよ!!という感想はご遠慮ください。
あと、戦いの部分は得意ではございません。ご了承ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる