47 / 117
第4章、 それぞれの戦い
魔族との戦いその5( エルヴィン)
しおりを挟む
俺、エルヴィン=セイバスは 焦っていた。
ヴァンパイアノワールは伯爵級の魔族だけのことはあって、 俺の攻撃をすべて防いでいる。 逆に俺は、一度でも攻撃をまともに食らえば 致命傷を負ってしまうことだろう。
種族の違いというだけで、この実力の差。 あまりにも理不尽な事実だった。
それだけではない。
ヴァンパイアノワールによる 一撃必殺の魔法は、 全てアンジェリカにガードされている。 彼女がいなければ、俺はとっくに絶命していたことだろう。
俺は自分の実力に 自惚れていた。 いずれは騎士団長にも 勝てる実力にまで成長できる。 天才だともてはやされていた。
なのに、このザマだ。
年下の女の子に守られて、何とか生きながらえている状態。
俺は初めての挫折を味わって、 悔し涙が出るような思いだった。
剣を全力で振ってもかすり傷程度しかつけられない。
俺はアンジェリカの盾になるどころか 、むしろ足手まといでしかないかもしれない。
アンジェリカは ヴァンパイアノワールを 挑発して、 一瞬の隙を作り出した。 しかし、俺では一撃で葬るだけの力はない。 彼女の魔法の発動 邪魔しないように、 巻き込まれない位置に移動することしかできなかった。
「[ セイクリッドフェアリーサポート][ フェアリーゴッドブレス][ フェアリーテレポート]!!」
アンジェリカの魔法が発動して、 俺の体に光が纏った。身体強化魔法だと 感覚的にわかる。
ヴァンパイアノワールにアンジェリカの攻撃魔法が炸裂した。
「 この私が、たった一撃でこれほどのダメージを受けるだと!?」
俺の活躍の場はなさそうだ。 なのに、 どうしてアンジェリカは俺に 強化魔法をかけたのだろうか。
......あれ? 彼女がいなくなった。 気配を殺して隙を伺っているのだろうか。
......。
アンジェリカは戻ってこなかった。
俺一人でヴァンパイアノワールを倒さなければいけないのか。 果たして 可能だろうか。
いや、 何を弱気になっているんだ。
本来ならば、俺がアンジェリカを守る立場じゃないか。
俺は剣を構えてみせた。
「 行くぞ」
「 小娘には油断したが、お前など一瞬で塵にしてくれる!」
「 当たらなければ 戦い 続けられる!」
俺はヴァンパイアノワールの攻撃をすべて避けて 、必殺技を発動し続けた。
「[ ブレイブソードラッシュ]!!」
俺には一撃で倒す力はない。 ならば 、何度でも攻撃を繰り返すまでだ!
一度でも ヴァンパイアノワールの攻撃に触れれば、 あっさりと倒れてしまう。 そんなプレッシャーの中で俺は剣を振り続けた。
ヴァンパイアノワールは伯爵級の魔族だけのことはあって、 俺の攻撃をすべて防いでいる。 逆に俺は、一度でも攻撃をまともに食らえば 致命傷を負ってしまうことだろう。
種族の違いというだけで、この実力の差。 あまりにも理不尽な事実だった。
それだけではない。
ヴァンパイアノワールによる 一撃必殺の魔法は、 全てアンジェリカにガードされている。 彼女がいなければ、俺はとっくに絶命していたことだろう。
俺は自分の実力に 自惚れていた。 いずれは騎士団長にも 勝てる実力にまで成長できる。 天才だともてはやされていた。
なのに、このザマだ。
年下の女の子に守られて、何とか生きながらえている状態。
俺は初めての挫折を味わって、 悔し涙が出るような思いだった。
剣を全力で振ってもかすり傷程度しかつけられない。
俺はアンジェリカの盾になるどころか 、むしろ足手まといでしかないかもしれない。
アンジェリカは ヴァンパイアノワールを 挑発して、 一瞬の隙を作り出した。 しかし、俺では一撃で葬るだけの力はない。 彼女の魔法の発動 邪魔しないように、 巻き込まれない位置に移動することしかできなかった。
「[ セイクリッドフェアリーサポート][ フェアリーゴッドブレス][ フェアリーテレポート]!!」
アンジェリカの魔法が発動して、 俺の体に光が纏った。身体強化魔法だと 感覚的にわかる。
ヴァンパイアノワールにアンジェリカの攻撃魔法が炸裂した。
「 この私が、たった一撃でこれほどのダメージを受けるだと!?」
俺の活躍の場はなさそうだ。 なのに、 どうしてアンジェリカは俺に 強化魔法をかけたのだろうか。
......あれ? 彼女がいなくなった。 気配を殺して隙を伺っているのだろうか。
......。
アンジェリカは戻ってこなかった。
俺一人でヴァンパイアノワールを倒さなければいけないのか。 果たして 可能だろうか。
いや、 何を弱気になっているんだ。
本来ならば、俺がアンジェリカを守る立場じゃないか。
俺は剣を構えてみせた。
「 行くぞ」
「 小娘には油断したが、お前など一瞬で塵にしてくれる!」
「 当たらなければ 戦い 続けられる!」
俺はヴァンパイアノワールの攻撃をすべて避けて 、必殺技を発動し続けた。
「[ ブレイブソードラッシュ]!!」
俺には一撃で倒す力はない。 ならば 、何度でも攻撃を繰り返すまでだ!
一度でも ヴァンパイアノワールの攻撃に触れれば、 あっさりと倒れてしまう。 そんなプレッシャーの中で俺は剣を振り続けた。
0
お気に入りに追加
637
あなたにおすすめの小説
僕の兄上マジチート ~いや、お前のが凄いよ~
SHIN
ファンタジー
それは、ある少年の物語。
ある日、前世の記憶を取り戻した少年が大切な人と再会したり周りのチートぷりに感嘆したりするけど、実は少年の方が凄かった話し。
『僕の兄上はチート過ぎて人なのに魔王です。』
『そういうお前は、愛され過ぎてチートだよな。』
そんな感じ。
『悪役令嬢はもらい受けます』の彼らが織り成すファンタジー作品です。良かったら見ていってね。
隔週日曜日に更新予定。
新人神様のまったり天界生活
源 玄輝
ファンタジー
死後、異世界の神に召喚された主人公、長田 壮一郎。
「異世界で勇者をやってほしい」
「お断りします」
「じゃあ代わりに神様やって。これ決定事項」
「・・・え?」
神に頼まれ異世界の勇者として生まれ変わるはずが、どういうわけか異世界の神になることに!?
新人神様ソウとして右も左もわからない神様生活が今始まる!
ソウより前に異世界転生した人達のおかげで大きな戦争が無い比較的平和な下界にはなったものの信仰が薄れてしまい、実はピンチな状態。
果たしてソウは新人神様として消滅せずに済むのでしょうか。
一方で異世界の人なので人らしい生活を望み、天使達の住む空間で住民達と交流しながら料理をしたり風呂に入ったり、時にはイチャイチャしたりそんなまったりとした天界生活を満喫します。
まったりゆるい、異世界天界スローライフ神様生活開始です!
半身転生
片山瑛二朗
ファンタジー
忘れたい過去、ありますか。やり直したい過去、ありますか。
元高校球児の大学一年生、千葉新(ちばあらた)は通り魔に刺され意識を失った。
気が付くと何もない真っ白な空間にいた新は隣にもう1人、自分自身がいることに理解が追い付かないまま神を自称する女に問われる。
「どちらが元の世界に残り、どちらが異世界に転生しますか」
実質的に帰還不可能となった剣と魔術の異世界で、青年は何を思い、何を成すのか。
消し去りたい過去と向き合い、その上で彼はもう一度立ち上がることが出来るのか。
異世界人アラタ・チバは生きる、ただがむしゃらに、精一杯。
少なくとも始めのうちは主人公は強くないです。
強くなれる素養はありますが強くなるかどうかは別問題、無双が見たい人は主人公が強くなることを信じてその過程をお楽しみください、保証はしかねますが。
異世界は日本と比較して厳しい環境です。
日常的に人が死ぬことはありませんがそれに近いことはままありますし日本に比べればどうしても命の危険は大きいです。
主人公死亡で主人公交代! なんてこともあり得るかもしれません。
つまり主人公だから最強! 主人公だから死なない! そう言ったことは保証できません。
最初の主人公は普通の青年です。
大した学もなければ異世界で役立つ知識があるわけではありません。
神を自称する女に異世界に飛ばされますがすべてを無に帰すチートをもらえるわけではないです。
もしかしたらチートを手にすることなく物語を終える、そんな結末もあるかもです。
ここまで何も確定的なことを言っていませんが最後に、この物語は必ず「完結」します。
長くなるかもしれませんし大して話数は多くならないかもしれません。
ただ必ず完結しますので安心してお読みください。
ブックマーク、評価、感想などいつでもお待ちしています。
この小説は同じ題名、作者名で「小説家になろう」、「カクヨム」様にも掲載しています。
アーティファクトコレクター -異世界と転生とお宝と-
一星
ファンタジー
至って普通のサラリーマン、松平善は車に跳ねられ死んでしまう。気が付くとそこはダンジョンの中。しかも体は子供になっている!? スキル? ステータス? なんだそれ。ゲームの様な仕組みがある異世界で生き返ったは良いが、こんな状況むごいよ神様。
ダンジョン攻略をしたり、ゴブリンたちを支配したり、戦争に参加したり、鳩を愛でたりする物語です。
基本ゆったり進行で話が進みます。
四章後半ごろから主人公無双が多くなり、その後は人間では最強になります。
公爵令嬢は薬師を目指す~悪役令嬢ってなんですの?~【短編版】
ゆうの
ファンタジー
公爵令嬢、ミネルヴァ・メディシスは時折夢に見る。「治癒の神力を授かることができなかった落ちこぼれのミネルヴァ・メディシス」が、婚約者である第一王子殿下と恋に落ちた男爵令嬢に毒を盛り、断罪される夢を。
――しかし、夢から覚めたミネルヴァは、そのたびに、思うのだ。「医者の家系《メディシス》に生まれた自分がよりによって誰かに毒を盛るなんて真似をするはずがないのに」と。
これは、「治癒の神力」を授かれなかったミネルヴァが、それでもメディシスの人間たろうと努力した、その先の話。
※ 様子見で(一応)短編として投稿します。反響次第では長編化しようかと(「その後」を含めて書きたいエピソードは山ほどある)。
地獄の手違いで殺されてしまったが、閻魔大王が愛猫と一緒にネット環境付きで異世界転生させてくれました。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作、面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
高橋翔は地獄の官吏のミスで寿命でもないのに殺されてしまった。だが流石に地獄の十王達だった。配下の失敗にいち早く気付き、本来なら地獄の泰広王(不動明王)だけが初七日に審理する場に、十王全員が勢揃いして善後策を協議する事になった。だが、流石の十王達でも、配下の失敗に気がつくのに六日掛かっていた、高橋翔の身体は既に焼かれて灰となっていた。高橋翔は閻魔大王たちを相手に交渉した。現世で残されていた寿命を異世界で全うさせてくれる事。どのような異世界であろうと、異世界間ネットスーパーを利用して元の生活水準を保証してくれる事。死ぬまでに得ていた貯金と家屋敷、死亡保険金を保証して異世界で使えるようにする事。更には異世界に行く前に地獄で鍛錬させてもらう事まで要求し、権利を勝ち取った。そのお陰で異世界では楽々に生きる事ができた。
アイムキャット❕~異世界キャット驚く漫遊記~
ma-no
ファンタジー
神様のミスで森に住む猫に転生させられた元人間。猫として第二の人生を歩むがこの世界は何かがおかしい。引っ掛かりはあるものの、猫家族と楽しく過ごしていた主人公は、ミスに気付いた神様に詫びの品を受け取る。
その品とは、全世界で使われた魔法が載っている魔法書。元人間の性からか、魔法書で変身魔法を探した主人公は、立って歩く猫へと変身する。
世界でただ一匹の歩く猫は、人間の住む街に行けば騒動勃発。
そして何故かハンターになって、王様に即位!?
この物語りは、歩く猫となった主人公がやらかしながら異世界を自由気ままに生きるドタバタコメディである。
注:イラストはイメージであって、登場猫物と異なります。
R指定は念の為です。
登場人物紹介は「11、15、19章」の手前にあります。
「小説家になろう」「カクヨム」にて、同時掲載しております。
一番最後にも登場人物紹介がありますので、途中でキャラを忘れている方はそちらをお読みください。
悪役令嬢によればこの世界は乙女ゲームの世界らしい
斯波@ジゼルの錬金飴② 1/18発売予定
ファンタジー
ブラック企業を辞退した私が卒業後に手に入れたのは無職の称号だった。不服そうな親の目から逃れるべく、喫茶店でパート情報を探そうとしたが暴走トラックに轢かれて人生を終えた――かと思ったら村人達に恐れられ、軟禁されている10歳の少女に転生していた。どうやら少女の強大すぎる魔法は村人達の恐怖の対象となったらしい。村人の気持ちも分からなくはないが、二度目の人生を小屋での軟禁生活で終わらせるつもりは毛頭ないので、逃げることにした。だが私には強すぎるステータスと『ポイント交換システム』がある!拠点をテントに決め、日々魔物を狩りながら自由気ままな冒険者を続けてたのだが……。
※1.恋愛要素を含みますが、出てくるのが遅いのでご注意ください。
※2.『悪役令嬢に転生したので断罪エンドまでぐーたら過ごしたい 王子がスパルタとか聞いてないんですけど!?』と同じ世界観・時間軸のお話ですが、こちらだけでもお楽しみいただけます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる